ネパールのタスクフォースが、同国の中央銀行がCBDCを発行できるようにするための法改正を提案した。
CBDCが実現可能であるとの研究結果が発表され、規制当局が実際にプロジェクトを進めるよう動き出したことを受けてのものとみられる。
ネパール中銀、CBDC発行の準備を開始
ネパール中央銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行に向け、関連する権限と責任を定めた法律改正の準備を進めていることが明らかになった。
同行の通貨管理部でチーフを務める Revati Nepal氏によると、タスクフォースはすでに改正案を起草しているという。
行内での議論の後、議会における審議のために政府に法案を送る。
またネパール中銀は、デジタルバンキング取引を行うことができるCBDC用の独立したデジタルウォレットを設計する意向も示している。
また、デジタル決済サービスのプロバイダーとの相互運用性についても検討する予定だ。
隣国の様子をうかがうネパール
CBDC発行の準備を進めていると言っても、ネパール中銀の姿勢は慎重だ。
Nepal氏は、CBDCの導入を急ぐことで、不必要なリスクを負うことにはなりたくないと説明している。
ネパールの隣国インドでは、Nirmala Sitharaman財務相が2月、2022年度中にCBDCを導入する計画を発表。
また、同じくネパールの隣国である中国は、2014年からCBDCの可能性を探っており、2020年からデジタル人民元の公開実験を行っている。
ネパールは二つの隣国におけるCBDCの動向を注視し、自国におけるプロジェクトに活かしたい考えだ。
ビットコインのような仮想通貨が流通し始めてそれなりの年月が経っているが、CBDCについては世界的にまだ開発の初期段階にあると言っていい。
Atlantic Councilが提供しているデータによると、 世界112か国のうち73か国がCBDCの研究・開発の段階にあり、パイロット・プロジェクトを展開している国はわずか14か国となっている。
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