仮想通貨取引所コインチェックを金融庁が正式に認可

暗号資産(仮想通貨)取引所「Coincheck(コインチェック)」が、2019年1月11日に資金決済に関する法律に基づく暗号資産(仮想通貨)交換業者として関東財務局への登録が完了したと発表した。

同社は、昨年1月不正アクセスによって、暗号資産(仮想通貨)ネム580億円分が流出し、その後マネックスグループの傘下になった経緯を持つ。

その後、金融庁による2度の業務改善命令を受け、社内改善に取り組み、ようやく正式な暗号資産(仮想通貨)交換業者として認可された。


以下は、プレスリリース内で発表されたものだ。

当社における経営管理態勢及び内部管理態勢強化の取り組み

当社では、お客様の信頼回復に向けて、以下の態勢構築およびその実行に努めてまいりました。

(1)経営体制の抜本的な見直し

取締役会は執行部の監督を主とするガバナンス体制を構築
社外取締役を中心とした役員構成で、監督機能を強化

(2)経営戦略を見直し、顧客保護を徹底

内部管理やシステムリスク管理に経営資源を優先的に投入
顧客に対する説明態勢、苦情・問い合わせ体制の拡充

(3)取締役会による各種態勢の整備

ガバナンス強化のための諸制度を整備
コンプライアンス、システムリスク両委員会に外部専門家招聘

(4)取り扱う暗号資産(仮想通貨)について、各種リスクの洗出し

取扱暗号資産(仮想通貨)選定基準の変更
匿名暗号資産(仮想通貨)等4通貨を廃止

(5)マネー・ローンダリング及びテロ資金供与に係る対策

本人確認厳格化
事務ガイドラインに則りリスクの特定、評価、低減策等の各種施策を実施
リスク管理3防衛ライン・モデルの導入

(6)各種態勢の抜本的な見直し、実効性の確保

リスク管理態勢の横断化
横断的監視部署設置、リスク委員会での牽制

システムリスク管理態勢の強化
全般的監視部署設置、システムリスク委員会での牽制、ネットワーク分離、コールドウォレット対応、マルチシグ化、セキュリティルーム・検知強化、セキュリティ教育強化、CSIRT体制、コンチプラン拡充

マネックスグループと連携した内部監査計画に基づく監査
システム監査用専門家の採用、内部監査室人員強化

Source: コインチェック プレスリリース 2019.1.11

注目すべきは、(4)の取扱通貨の見直しである。

かつて、その使いやすさと取扱通貨数の豊富さで人気を博していた暗号資産(仮想通貨)取引所「コインチェック」。

今回の業務改善命令で、匿名系暗号資産(仮想通貨)4通貨の廃止を宣言しており、取扱通貨数は他に増えなかった場合には、9種類→5種類に変更することになる。


安全性とサービスの多様化の両方を追求してきたが、以前の暗号資産(仮想通貨)流出事件から前者を優先することが必要不可欠であることが浮き彫りになった。

2019年のうちにさらなるサービス拡大は考えにくく、まずは安全に取引可能な状況を実現することに注力することが予測される。

今後の動向に注目だ。