2021年大躍進を遂げたイーサリアム市場。価格は年始から最大6.7倍まで上昇しました。
その中で大きく稼げた方もいれば、なかなかうまく立ち回れなかった人もいると思います。
利益を伸ばせなかった人は来年こそはと思っているはずです!
そこで今回のレポートでは「来年2022年の相場で上手く立ち回る」ための情報を解説するので、今年の相場を復習しながら来年に向けて準備してください。
この記事では以下のことが分かります。
- 2021年の値動きと重要ファンダ
- 2022年の重要ファンダ
- 2022年のETH価格予想
これを読めば、来年の今頃はあなたも満足した1年を過ごしたな~と実感することでしょう!
2021イーサリアムは飛躍の年に
2021年のイーサリアムは飛躍の年となりました。その一つの指標としてイーサリアムのビットコイン建ての価格は4倍に上昇。
イーサリアム先導の相場を形成する期間が多くありました。
ここから2021年のイーサリアム相場の振り返りと、2022年のイーサリアム市場の値動きを予想していきます。
2021年全体の値動き
2021年イーサリアムは年始から5月までのバブル相場を形成し、4ヶ月の間で約517%上昇しました。
バブル崩壊後は約2ヶ月間にわたり半値圏にてレンジを形成、その後見事なダブルボトムを形成し上昇トレンドへ転換すると最高値となる4,870ドルを記録しました。
最高値更新後は反落し4,000ドル付近での推移が続いています。
2021年上昇幅 | 585.92% |
最安値 | 710ドル |
最高値 | 4,870ドル |
最大レンジ幅 | 4,160ドル |
①上昇トレンド|年始~5月中盤
安値から高値の上昇幅 | 516.90% |
安値 | 710ドル |
高値 | 4,380ドル |
1月~5月にかけての相場
- 米CMEにETH先物上場
- 大型アップグレード「ベルリン」実装
- カナダ初のイーサリアムETFが実現
- ナスダック上場企業Mogo社によるETH購入
イーサリアムは年始からバブル相場を形成し、2月初頭には当時の最高値であった1,440ドルを突破しました。
年初のバブル相場ではイーサリアム上のDeFi銘柄が大きく価格を伸ばしており、UNIやAAVEのような主要銘柄が市場を牽引しました。
2月8日には米CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)にてイーサリアム(ETH)先物取引が開始。機関投資家が売りポジションを保有しやすくなる観点から、上場直後に現物価格が暴落する可能性が示唆されていましたが、実際には暴落どころか最高値を更新していく展開となりました。
その後もイーサリアムの快進撃は止まることを知らず、5月12日に最高値4,380ドルを突破し、年初から約6倍の高騰を記録しています。
4月~5月間には、大型アップグレード「ベルリン」の実装、カナダ初のイーサリアムETFの実現、ナスダック上場企業によるETH購入などの好ファンダが相次ぎ、最高値更新を後押しする要因となりました。
4月後半からビットコインドミナンスが減少し、イーサリアムドミナンスが上昇している点から、ビットコインからイーサリアムへの資金移動が起こったことも読み取れます。
②下落トレンド|5月後半~7月中盤
高値から安値の下落幅 | -61.19% |
安値 | 1,700ドル |
高値 | 4,380ドル |
5月~7月にかけての相場
- 仮想通貨バブルの崩壊
5月12日を境にビットコインが暴落した影響を受け、イーサリアムも10日間で約60%暴落する展開となりました。
その後7月中盤まではさらなる下落を意識した緊張状態が続くこととなります。
③上昇トレンド|7月後半~9月後半
安値から高値の上昇幅 | 107.22% |
安値 | 1,940ドル |
高値 | 4,020ドル |
7月~9月にかけての相場
- 大型アップグレード「ロンドン」実装
- ロンドン実装後、一週間で約120億円のETHが焼却
- NFTブーム到来
6月後半~7月後半にかけて見事なダブルボトムを形成し上昇トレンドへと展開。その際に日足目線で13日連続陽線を記録し、大きな話題となりました(7月21日~8月2日)。
(引用元:https://dune.xyz/PierreYves_Gendron/opensea---metrics)
7月末ごろからはCryptoPunksやBAYCを主導にNFTブームが到来。世界最大のNFTマーケットプレイスOpenSeaの取引量推移を見てみると、7月後半~8月末にかけて凄まじい勢いで市場が活発化していることがわかります。
8月5日には、ネットワークの手数料モデルを変更する「ロンドン」アップグレードが実装され、新たな手数料モデルであるEIP-1559が導入されました。これにより今後ネットワークの利用で発生するほとんどのガス代は焼却(バーン)されることとなり、取引が活性化するほどイーサリアム(ETH)の流通枚数が減少し希少性が高まる仕様となりました。
9月に入り一度調整相場が訪れるも、10月ごろから再び大きく上昇する展開となっていきます。
④上昇トレンド|10月~年末
安値から高値の上昇幅 | 83.77% |
安値 | 2,650ドル |
高値 | 4,870ドル |
10月~年末にかけての相場
- ETH2.0統合のためのテストネット「Pithos(ピトス)」が公開
- メタバース銘柄の高騰
10月中盤には、ETH1(現行のイーサチェーン)をETH2(PoS基盤の新たなイーサチェーン)に統合するアップグレードを行うためのテストネット「Pithos(ピトス)」が公開され、イーサリアム2.0の実現がより現実味を帯びることとなりました。
同時期に、ビットコインETFが米SECに承認されたことでイーサリアムETFの承認にも期待感が持たれたことや、イーサリアム系メタバース銘柄の需要増加などの要因が重なり、11月10日には最高値4,870ドルを更新しています。
その後、一時上昇の勢いは落ちつているものの、12月現在も4,000~4,400ドル付近の高価格帯を維持しています。
(引用元:https://defipulse.com/)
また、イーサリアム系DeFiのTVL(ロックされている資金量)は、11月中旬に過去最高の約1,110億ドル(12兆円相当)を記録しました。
BSCやSolanaでは、パンケーキスワップやRaydiumなどの新興プラットフォームが頭角を現したのに対して、イーサリアムではAAVEやMakerDAOのような古参プラットフォームがTVLを増加させ、より盤石な地位を築くこととなりました。
2022年イーサリアムは上昇するのか
イーサリアムの
2022年注目ポイント
- イーサリアム2.0の進捗
- NFT/メタバース市場の拡大
イーサリアム2.0の進捗
2022年には、ETH1(現行のイーサチェーン)とETH2(PoS基盤の新たなイーサチェーン)が統合する「The Merge」が予定されています。 これによりPoW(プルーフオブワーク)からPoS(プルーフオブステーク)へと正式に移行することとなります。
PoSへと移行することで、スケーラビリティやセキュリティが強化される他、環境への負荷が軽減することで、より長期的に持続可能なシステムへと生まれ変わります。
PoSへの移行はイーサリアムが誕生した当初から計画されており、すでに市場は織り込み済みと考えられます。一方で、実際に移行が完了すれば、イーサリアムへの期待が事実に基づいた確信的なものに変わり、価格が上昇する可能性も考えられるでしょう。
またThe Mergeは、あくまでもETH1とETH2を統合するためのもので、イーサリアム2.0が完全体となるアップグレードではありません。完全体となるにはシャードチェーンと呼ばれる64個のチェーンを実装する必要があり、このアップグレードは2023年に予定されています。
NFT/メタバース市場の拡大
イーサリアムの価格上昇とメタバース/NFT市場の拡大は切っても切り離せない関係にあると言えます。
(引用元:https://ultrasound.money/、CoinPartner作成)
8月から焼却されているガス代がイーサリアム上のどのような取引によるものかを見てみると、世界最大のNFTマーケットプレイスOpenSeaでの取引がもっとも多く占めていることがわかります。
これまでネットワーク全体で焼却された125万ETHのうち13万ETH(10%以上)はOpenSeaでの取引によるものです。
(引用元:https://dune.xyz/PierreYves_Gendron/opensea---metrics)
OpenSeaの取引量は8月にピークを迎え、日を追うごとに減少してはいるものの、12月現在でも8月の半分以上の取引量を維持しています。
また10月には旧Facebook社がメタバース事業に注力するために社名を変更したことを機に、イーサリアム系メタバース銘柄であるSANDやMANAが軒並み上昇しました。
すでに世界最古のオークション会社「サザビーズ」・世界最大の仮想通貨取引所「バイナンス」をはじめとした大手企業が、The SandboxやDecentralandのようなゲーム内で土地を購入しており、今後メタバース領域でのビジネス展開を視野に入れていると見られます。
SandboxやDecentralandをはじめとしたイーサリアム上のメタバース利用・NFT取引が拡大すれば、ガス代が焼却される仕様であるイーサリアムにとっては好材料となるでしょう。
著名人のイーサリアム値動き予想
BlockTower capital共同責任者の発言
仮想通貨投資会社のBlockTower capital共同責任者であるRahul Rai氏は、2022年半ばまでにイーサリアムがビットコインの時価総額を超えると予想しています。
英紙インディペントの分析
英紙インディンペントが発表した調査レポートによると、イーサリアムは2025年までに19,842ドルに到達するとしています。
こちらは22年に向けた予想ではありませんが、中長期的な投資判断の参考になるでしょう。
2022年の値動き予想
予想レンジ | 価格 |
最高値 | 8,000ドル |
最安値 | 1,700ドル |
2022年イーサリアムの底値としては、1,700ドル付近になると予想しています。
イーサリアムが下落するシナリオとして考えられるのが、仮想通貨規制でDeFi銘柄が規制の対象となると大打撃となるでしょう。
ただ、DeFiは規制の方法が難しくどのような形で規制していくのかがまだ不明瞭な部分があります。
逆にイーサリアムの上昇のシナリオとしては、DeFi・NFT取引量の増加が重要となるでしょう。
イーサリアム基盤のUniSwapや世界最大のNFTマーケットプレイスのOpenSeaでの取引の際には手数料としてガス代がかかり、そこの実需が増加することでイーサリアムの価格は下がりにくくなります。
また、大型アップデート「ロンドン」を実装したことで焼却される量が大幅に増加、イーサリアムの資産性が向上しました。
今後イーサリアム2.0へのアップデートも控えており、2022年も上昇相場を形成するのではないかと予想しています。