IMFの専務理事が仮想通貨への「公平な規制」を求めた

​国連の専門機関であるIMF(国際通貨基金)の専務理事であるクリスティーヌ・ラガルド氏​が今月16日にIMFのブログに投稿し、暗号資産(仮想通貨)に対して好意的な発言をしました

ラガルド氏は3月に同じくIMFのブログで「暗号資産(仮想通貨)の闇に立ち向かう」と題した記事を掲載していましたが、今回の投稿では

「先月の私の投稿ではマネーロンダリングやテロ資金供与などを含めて暗号資産(仮想通貨)の負の側面に目を向けましたが、今回は暗号資産(仮想通貨)がもたらす有望な将来について考えてみたいと思います。暗号資産(仮想通貨)を思慮深く分析すれば、暗号資産(仮想通貨)を全力で非難することにも諸手を挙げて称賛することにもなりません」

と述べ、一転して暗号資産(仮想通貨)の「光」に目を向けた形になります​。

今年1月の世界経済フォーラム、そしてそれ以降に暗号資産(仮想通貨)での違法行為を取り締まる必要性に言及してきたラガルド氏ですが、先日のブログでは

「実際に存在する脅威と必要性の無い懸念を区別するつもりなら、暗号資産(仮想通貨)が金融の安定にもたらすリスクを理解することはとても重要です。だからこそ、私たちはイノベーションを妨げることなくリスクを取り除くような公平な規制をしなければならないのです

と述べ、暗号資産(仮想通貨)に対する「公平なアプローチ」について繰り返し言及しました。

また、暗号資産(仮想通貨)がもたらすであろう利益についても言及して暗号資産(仮想通貨)の送金の早さや安さを利点として挙げた上で、

「暗号資産(仮想通貨)の根底に存在する分散型台帳技術は市場をより効率化させてくれるでしょうし、スマートコントラクトは従来の仲介者の必要性を消してしまうでしょう」

と述べました。

ビットコイン価格が上昇。ラガルド氏の発言が影響か​

​ラガルド氏のこの記事が投稿された16日、ビットコインの価格は上昇して一時約3週間ぶりに90万円を超えました。

上昇の要因はいくつかあると思われますが、この規制一辺倒ではない発言も影響していると思われます。

なお、18日早朝時点では80万円台後半で推移しています。

コインパートナーの見解​

暗号資産(仮想通貨)に対する規制の流れが続く中で、国際金融や為替相場の安定化を目的としているIMFの専務理事がこれまでとは異なり規制一辺倒ではなくバランスのとれた規制の必要性を述べたことは各国の暗号資産(仮想通貨)への規制の方向性に多少の影響を与えると思われます

一方、具体的な規制情報ではなくIMF専務理事の投稿一つで価格が変動したことで、各国政府の規制に対する投資家の警戒心が改めて明らかになったと言えるでしょう。


(参考記事)

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