イーサリアムの投資ファンドであるEther Capitalが4月19日にトロントの証券取引所であるNEOエクスチェンジで取引を開始しました。同社は宇宙開発プロジェクトを遂行しているベンチャーに資金投資する上に自らもETHを直接購入する予定であり、最高情報責任者(CIO)のBen Roberts氏によると、予想を下回っているにもかかわらず同社は4500万カナダドルを調達しているとのことです。
取引は株式「ETHC(Ether Capital Corp)」で行われ、ETHCは4月22日現在2.40$で取引されています。
暗号資産(仮想通貨)業界がこうした株式会社の運営を行うことは容易ではありませんが、Roberts氏によるとEther Capitalの設立にはさほど苦労がなかったようです。まずオンタリオ州証券委員会の承認を得た後に銀行と話し合い、資産を安全に保つための保管方法を定める必要がありました。同社は2018年3月22日にMovit Media Corpとの「逆さ合併」を発表してリブランドを行いました。また、同氏は調達した資金の約90%をETHトークンに換金したいと考えていましたが、果たしてどのくらいの額が実際に換金されたのかは明らかになっていません。以前同社は2000万株を1株あたり2.50$で発行したいと考えていましたが、実際のところは1800万株を売るのがやっとのようです。
Ether Capitalは、その資金の大部分をETHに投資する予定で、同社が承認した取引所や証券会社を通じてしに資金を獲得しようと考えていました。Ether Capitalの会長兼共同投資責任者であるSom Seif氏は公式に以下のような声明を発しています。
「この取引の完了と公開取引の開始はEther Capitalの使命に置ける重要なステップである。我々はイーサリアムのエコシステムに焦点を当てた初の上場企業に投資し、業界を変える破壊的なテクノロジーを推進する機会を投資家に提供することができるだろう。」
さらにEther Capitalの独立したディレクターであるBoris Wertz氏はバージョン1を通じてブロックチェーン技術がもたらした革新を経験することができると述べ、以下のようなコメントを残しています。
「Ether Capitalが持つリソースと業界をリードする専門技術の組み合わせによって我々はこの革新の最前線に立つことができる。」
さらに同社は今後1~2年の間に「同時に企業価値を想像しながら」サポートが可能な様々なプロジェクトを企画しているとRobert氏は述べました。
今回のEther Capitalの一連の動きの目的は、同社がイーサリアムエコシステムの中心地になることにあると思われます。Etherを購入し、イーサリアムベースのビジネスの株式を戦略的に買収しようとしていることからもその目的は見て取れます。
そしてEther Capitalがイーサリアム関連事業を行うベンチャー企業に投資を行うと発表したために新たに暗号資産(仮想通貨)事業を行う企業が現れ始めるのではないかと考えています。これは「日常生活への実用化」という今後の暗号資産(仮想通貨)業界が直面するテーマを解決する糸口となるかもしれません。
同社によってイーサリアムビジネスが今後どのように展開していくのか目が離せませんね。
参考:https://www.coindesk.com/ethereum-investment-vehicle-begins-trading-on-canadian-stock-exchange/
https://ambcrypto.com/ether-capital-commences-trading-on-canadian-stock-exchange/
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著者: CoinPartner 編集部 CoinPartner