連日、暗号資産(仮想通貨)界に銀行発の新しいトークンが参入することが話題となっている。

三菱UFJ銀行やみずほ銀行を始めとし、さらにはJPモルガンがすでに開発を発表・実施している。

これら金融企業の参入によって、暗号資産(仮想通貨)が今とは違う形となってくるのは間違いないだろう。

今回は、基盤となる暗号資産(仮想通貨)とトークンの違いと、話題の銀行トークンの特徴を分かりやすく解説していく。

仮想通貨とトークンの違い

​一般的に暗号資産(仮想通貨)とトークンの大きな違いは、発行主体の存在の有無だ。

暗号資産(仮想通貨)である、ビットコインやイーサリアムなどには発行主体がおらず、プログラムで発行枚数がすでに決まっている。

一方で、トークンには発行主体が存在し、供給量を自由に操作できるため、株式のような性質を持っているといえる。

ただし、「トークン=株式」ではないため、例えば、企業の発行したトークンの過半数を取得したとしても、その企業の経営に口出しすることなど当然できない。

更に詳しいトークンについては、こちらの記事で詳しくまとめている。

何かと話題に上がるトークンエコノミー。これからの時代はトークンエコノミーによって支えられて行くかもしれません。そこで、これくらいは知っておかないと、という情報を解説いたします!まだ知らない方は必見です!

Jコイン

Jコインとは、みずほフィナンシャルグループ・ゆうちょ銀行・数十の地方銀行(地銀)が共同で作ったトークンだ。

ユーザーは、スマートフォンアプリをダウンロードだけで、送金や買い物の代金支払いにJコインを使用する事ができるようになる予定だ。

ブロックチェーン技術を採用しているため瞬時に送金可能で、手数料を大幅に削減できるメリットがある。

さらにユーザーは、海外旅行時にJコインを使用することで両替をする必要がなくなり高い両替手数料も節約することができる。

一方、銀行側にも当然メリットはある。

銀行側は、ユーザーがJコインをどのような店でいくらの決済を使用したのかなど​のビックデータを手に入れることができる。

数多くの企業にとって上記の情報はマーケティングに活用可能で、銀行側は各企業に情報を販売することができる。

互いにwin-winな関係が築けるのがこのJコインなのだ。なお、Jコインは来月3月の発行を目指している。

詳しくはこちらの記事でまとめている。 

この記事では、Jコインの特徴・メリットやデメリットを分かりやすく解説します!Jコインは銀行が作成した暗号資産(仮想通貨)で、いろいろな目的を実現するために、作成されました。Jコインをより深く知ることで、今後の暗号資産(仮想通貨)の流れもつかむことができるでしょう!

MUFGコイン​

MUFGコインとは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(以降三菱UFJ銀行と称する)がブロックチェーン技術を活用して開発しているトークンだ。​

MUFGコインとJコインは非常に類似しているが、トークンの価値換算をするところに違いがある。

Jコインが「1コイン=1円」なのに対して、MUFGコインは「1コイン=1円」と固定していない。​

これらの違いは、MUFGコインでは法的に「暗号資産(仮想通貨)」と扱われることを目指していることと、Jコインは法的に「通貨建て資産」と扱われることを目指しているということの差によって生まれている。​

MUFGコインが「暗号資産(仮想通貨)」と扱われるよう目指しているのは、​​「暗号資産(仮想通貨)」と扱われなくなってしまうと法律により100万円以上の決済・送金が出来なくなってしまうからだ。

100万円以上の決済・送金ができなくなるとと、MUFGコインの利便性がぐっと下がってしまう。

Jコインは、もし法定通貨と認定されてしまった場合、マネーロンダリング対策により100万円以上の決済・送金ができなくなる。

大金を決済・送金できるという点においてはMUFGコインに分があるのではないか。

なお、MUFGコインは既にグループ社員の約8万人規模の実証実験を行うなど終盤まで開発が進んでいる。

MUFGコインについてはこちらの記事で詳しくまとめた。

日本を代表するメガバンクである三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が昨年発表した暗号資産(仮想通貨)MUFGコイン。一般使用が始まれば日本経済に大きな変革をもたらすと思われるこのMUFGコインの特徴や目的を一足早く理解してしまいましょう!

JPMコイン

​JPMコインは、JPモルガンが先日開発を発表した暗号資産(仮想通貨)だ。

JPモルガンは、ブロックチェーンを介して異なる当事者間でお金などの価値を交換するにはトークンが必要になると考え、JPMコインを作成した。

JPMコインは、ある取引先に送金するとJPMコインが転送され即座に同額のドルに引き換えられるというJコインやMUFGコインと似たような仕組みとなっている。​​

また、JPMコインは常に「1コイン=1ドル」に相当する価値を持っている。どちらかというとJコインに近い作りになっている。

JコインやMUFGコインと同様にブロックチェーン技術を採用しているため、決済時間の短縮が期待されている。

JPMコインは、現段階では企業間のみをターゲットとしており、個人単位の利用は考えられていない。

しかしながら、コスト削減と効率性などのメリットは企業のみならず投資家にも影響してくるだろう。

なお、JPMコインは少数の投資家の間でテストされているのが現状だ。2019年後半に実証実験を拡大する予定である。

実際に使われ始めるのはもう少し先になると予想されている。​