paypalがビットコイン決済に対応

 2014年9月、世界第2位の規模を誇るインターネット決済仲介会社ペイパルに関する以下のようなニュースが流れました。


PayPalは、北米でゲーム・音楽・着うたなどのデジタル商品を販売する企業がサービスの対価としてビットコインでの支払を受けられるよう決済手段の追加を行うと発表しました。

これは、PayPalがビットコインを決済通貨に加えるというわけではなくあくまで決済の仲介を行うのみで、ビットコイン取引自体はBitPay・Coinbase・GoCoinが担当するとのこと。(中略) 商品を購入するユーザーと商品を販売する企業がビットコインをいちいち現実通貨に換金して取引する必要はなくなるため、PayPal経由でビットコインを直接支払に使えるようになりそうです。

Source: https://gigazine.net/news/20140924-paypal-support-bitcoin/


 このように導入はあくまで限定的で試験的ですが、ニュースはこう続きます。

まずは北米という地域限定でのビットコインへの対応を始めたことについてPayPalは、「私たちは常に革新的な技術を受け入れますが、それには顧客にとって安全かつ信頼できる方法であることが条件で、この姿勢はビットコインについても同じです。それが、ビットコインへの対応を徐々に進めている理由です」と述べています。

Source: https://gigazine.net/news/20140924-paypal-support-bitcoin/


そもそもPayPalとは一体何なのか、ビットコイン全体にはどんな影響があるのか、コインパートナーが考察してみました!


PayPalとは?


インターネットのオンライン決済代行サービス

 ではそもそもペイパルが行なっていたサービスとはどんなものなのでしょうか?

 銀行振込やカード支払いが安定化してきた現代において、最大の問題点は「店にカード情報を教えなくてはならないこと」ですよね。

一言で言うとペイパルが行っていることは、この店と個人との間に第3者として介入し、あらゆる店にカード情報を教えずに支払いをすませることができるようにさせるサービスなのです。


PayPalの使い方

 使い方はとても簡単です。

1、ペイパルアカウントにカード情報と住所を登録

2、いつも通りオンラインでお買い物

3、決済画面でペイパルを選択

4、ペイパルにログインして支払いを確定

詳しいPaypalの使い方はPaypalの公式サイトで確認できます!

Paypalの公式サイトへ!

相手にクレジットカードの情報が知られない

ペイパルの最大のメリットは、利用する相手にクレジットの情報が知られないので安全であるということです。では取引の際に何が必要なのかというと、メールアドレスだけで十分なのです!つまり、取引をする両者(例えば店と個人)が双方ともペイパルのアカウントを持っていれば、両者は互いのメールアドレスを知るだけでお金の支払いができるのです。


買い手保護制度がある

 「ネット購入による商品またはサービスが届かなかった時」

「届いた商品またはサービスが、説明や紹介されている内容と大きく異なっている」

などに返金が可能な点も大きな魅力の1つとなっています。

ただし、以下のような条件を満たしている必要があることに注意しましょう。


  1. 商品の全額を1回で支払っている。
  2. 支払日から180日以内に異議を提出する。
  3. 別の資金源から当該購入に関連する返金を受け取っていない。

などです。詳しくはこちらの公式ページで解説されているので、ぜひご覧ください。

買い手保護の公式解説ページへ


カードのポイントも貯まる

  ペイパルを利用してクレジットカード支払いをする場合、通常と同じようにクレジット会社のポイントも溜まるので安心です。ポイント還元率が高いものやメインで使っているカードを登録するとよいでしょう。

気を付けなくてはいけないこと

 次に、ペイパルを利用する上でいくつか注意すべきことを挙げておきます。


①基本的に一括払い

ペイパルを利用して支払いをする場合、基本的に回数指定はできず、一括払いとなります。ペイパルで決済後、ペイパルに登録しているクレジットカード会社に連絡して変更することはできますが、そうすることができるクレジットカード会社を登録しておく必要があります。


②為替手数料が高い

 海外のショップなどで商品を購入してペイパルで決済しようとするとき、その為替手数料が比較的高いことには注意が必要です。クレジット会社が1.6~2.0%なのに対し、ペイパルの手数料は3.9%となっています。例えば、ここで5万円の商品を購入したとき、為替手数料だけで5万×0.039= 1950円かかることになります。


③サポートが不十分

 元々が海外の会社であるゆえ、日本語での質問対応に疎かったり、サイトの日本語が時々違和感があったりと、サービスの不十分さを感じさせるところがあります。

まだ国内での普及がそこまで進んでいないため、日本で普及している他の決済サービスに比べると劣っていると言わざるをえません。



PayPalはビットコインに対応するとどうなる?

  


 上のニュースでのペイパルの発言からわかるように、ペイパルの共同創業者でベンチャー投資家のピーター・ティール氏はビットコインの価値を認めており、様々なところで(最近では2017年10月24日〜26日にサウジアラビアで開かれたFuture Investment Initiativeサミットなどで!)その旨の発言をしています。電子的なサービス業である以上、最先端の技術にキャッチアップする姿勢を貫いているようです。

 またビットコイン側としても、1億9000万人を超えるユーザー数をもつ(※2016年12月時点)ペイパルがその導入を開始したことで、今後の普及が加速することは間違いないでしょう。

 あるいは、次のような見方もできます。

 ビットコインについて多少知識がある人は、「あれ?ビットコインとペイパルがやろうとしていることは同じでは?」と思っているかもしれません。というのも、どちらも取引における匿名性を重視したサービスや金融商品のあり方だからです。ですから、ペイパルがビットコインの波に呑まれる前に先手を打った、という考え方もできます。


 身近なところでも、例えば2017年4月7日からビックカメラでビットコイン決済が可能になるなど、普及は加速度的に進んでいます。今後どこまでその利用可能範囲が広がるかは未知数ですが、まだまだそれは拡大の一途を辿りそうです。