スイス金融市場監査局がICO実施ガイドライン制定


スイスの金融市場監査局(FINMA)は、同国内で実施されるICOと同国内の金融関連法の関係を定めたガイドラインを公開し、タイプ別のICOに適用される法律を明確化しました。

スイス金融市場監査局はスイスの市場規制当局で、投資家ら金融市場の顧客、および金融システムの保護を目的とする機関です。公式ホームページ上に掲載された今回発表のガイドラインによると、ICOは3つのタイプに分けることができ、それぞれに法律の適用がなされる、としています。

以下は示された3つのICOのタイプです。

・Payment ICO

主に支払いに使われるトークンを発行するICOが該当します。反マネーロンダリング法が適用されます。

・Utility ICO

サービスやアプリの利用権として発行されるトークンを持つICOが該当します。利用権との交換のみが目的となっている場合は反マネーロンダリング法が、証券としての性格を持つ場合は有価証券に関する規制法が適用されます。

・Asset ICO

配当などのシステムを持ち、証券として認められるトークンを発行するICOが該当します。有価証券に関する規制法が適用されます。

監査局は、各ICOの具体的な性質を加味し、上記の複数のタイプを組み合わせるなど、必要に応じて柔軟に対応していくことが求められるとしています。

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目次暗号資産(仮想通貨)を用いたICOとは?ICOの特徴ICOのメリットICOのリスク、詐欺の可能性も!?ICOの成功例日本での事例は?ICOの具体的な方法・トークン購入方法おすすめのICO案件は?コインパートナー独自の判断基準ICOに関するQ&AICOまとめ 暗号資産(仮想通貨)を用いたICOとは? ICO(initial coin offering)とは、資金調達をしたいスタートアップが新たな暗号資産(仮想通貨)(トークン)を発行・販売して資金調達をする方法のことです。トークンセールやクラウドセール、プレセールとも呼ばれています。IPO(新規公開株)にかわる新たな資金調達方法として世界中で注目されています。 この記事では先にICOの特徴を述べて、その後に買い方などの手段を説明します。買い方を知りたい方は先にそちらをみてください。ただ、ICO参加は一攫千金が狙える夢のあるものですが、もちろんリスクも大きいので、よく理解してから参加しましょう。まさに、超ハイリスク・ハイリターンといった感じです。 ICOの特徴 ICOの仕組み あるスタートアップがプロジェクトを計画したときに、そのプロジェクトを実際にローンチするには、多額の開発資金が必要です。この開発資金を集めるときに、銀行から融資をうけたり、ベンチャーキャピタルで集めるのが一般的です。しかし、まだそのスタートアップの信用がない場合は、その資金調達方法を取れるとは限りません。審査など面倒くさいですし時間もかなりかかってしまいます。 そこで、使うのがICOです。自分たちで新たなコインを発行してそれをトークンセールで投資家たちに安く売ります。その対価としてBTCやETHなどの資産をもらうことで資金調達をします。この資金をもとに開発をすすめて、そのプロジェクトがうまく行けば、そのプロジェクトのトークンは価値が上がり、トークンセールで安くトークンを買った投資家も得をします。これがICOの仕組みです。 IPOとの違い

 

監査局トップはブロックチェーン技術に期待


スイス金融市場監査局トップのMark Branson氏は、ブロックチェーン技術の将来性についてこう話します。

「ブロックチェーン技術の利用は、金融市場の中のみならず、そのはるか外まで革新を引き起こす可能性を秘めています。しかし、ブロックチェーン技術のプロダクトが既存の規制対象の行為に当たる場合、そのまま不問とするわけにはいきません。いま存在している規制の枠組みは、多くのテストを経て実証性が認められたものだからです。」

「今回のガイドラインの制定により、正当な開発者は規制の枠組みと沿う形でプロダクトを公開できることになります。そしてこれは、投資家保護と金融システムの統合に携わる法律の目指す方向と一致します。」

そして、監査局としては、スイス連邦政府開催のブロックチェーン・ICOワーキンググループ参加を続けていく、としています。

またスイス財務相Johann Schneider-Ammann氏は、スイスは暗号資産(仮想通貨)大国(The crypto nation)」を目指すとしており、今後の政府の関わり方にも注目が集まります。


コインパートナーの見解


暗号資産(仮想通貨)の中でもICOに関しては、世界各国で様々なアプローチにより規制が行われている、または検討されている段階です。中国のようにICOを完全に規制(2017年9月)する国もあれば、日本のように現在規制に向けて動き出そうとしている国、もしくはベトナムのように現時点では自由な状態の国などが、規制の方向に向かいつつも比較的バラバラに動いている状況です。

その中で、明文化した要件を示し、対応する法律を提示した上で、ブロックチェーン技術に期待を示すスイスの姿勢は、同国でのプロダクト展開に良い影響を及ぼしそうです


 参考:coingapeFINMA


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