​現在は大規模化が進み、一大産業ビジネスと化している暗号資産(仮想通貨)マイニング。

「電力費」「気候」「政治的情勢」の観点から、マイニングに適した国を以下に​紹介している。

3つの観点から選ぶ「仮想通貨マイニング最適国」

暗号資産(仮想通貨)マイニングは新たなBTCを生成する手段として非常に重要な存在である。

以前は個人単位での少額から参加できたマイニングだが、時が進むに連れて規模が大きくなり、現在は多額の費用と高性能機器を用いた産業ビジネスとなっている。

マイニングを効率的に実行するには膨大な量の計算処理を要し、それに伴い大量の電力を消費しなければならない現状となっている。

そのため、マイニングで利益をあげるには電力費の効率化が不可欠である。

また、機器を冷却するという観点から気候は重要な要素だ。

さらには、法律やインフラといった国内の政治情勢も重要であることは言うまでもないだろう。

以上の観点を踏まえて、今回は暗号資産(仮想通貨)マイニングに適した国を理由と共に列挙していく。

アイスランド

アイスランドは最もマイニングに適した国のうちの一つであるが、意外にもその事実を知らない人は多い。

アイスランドがマイニングに適する理由は、水力発電と地熱インフラの効率が良く、電気代が比較的安価になっているからである。

また、国全体が寒冷な気候であることもポジティブな側面である。というのも、気温が低いほどマイニング機器の冷却に要するコストが低くなるからだ。

さらに、法律の観点からしても、アイルランドはマイニングに対して非常に寛容だ。

2018年は1BTCをマイニングするために要した費用は4700ドル(約52万円)であったようだ。

カナダ

カナダもアイスランドと同様、「安価な電力費」「寒冷な気候」からマイニングに適した国の一つとなっている。

また、カナダもマイニングに関する規制は厳しくなく、今後国単位でブロックチェーン事業を推進していくことからも注目されている。

また、2018年のマインングコストは1BTCあたり4000ドル(約44億円)前後であったと見積もられている。

ベネズエラ

ベネズエラがマイニング最適国として期待できるのは、政治的な理由に拠る部分が大きい。

国内で起こったハイパーインフレにより、自国通貨は2018年で80,000%以上の価格上昇が発生。

自国通貨を切り捨てる代わりに独自の暗号資産(仮想通貨)の導入を検討するほどの事態になっている。

こうしたインフレの影響を受けて電力費は驚くべき安さとなっている。現在、1BTCを産出する費用はわずか500ドル(約5.6億円)となっている。

また、ベネズエラでは大統領が率先して暗号資産(仮想通貨)導入を画策するなど、暗号資産に対するハードルも低い

しかし、国内の情勢が不安定であることは懸念材料と言わざるを得ない。

ロシア

ロシアは暗号資産(仮想通貨)およびブロックチェーン技術の導入に積極的であることが注目ポイントと言える。

ロシア政府はマイナーに向けて合法的に全額補助のエネルギーシステムを提供することを計画しているようだ。

国が主体となってマイニング事業を支援するのは産業界にとってこの上ないことだろう。

天然資源が豊富であり、寒冷な気候であることも、もちろん好材料である。

エストニア

​「電子国家」と言われるほどに高いIT技術をもつエストニアは、マイニングでも重要な存在となってくるだろう。

政府主体となって整備されている電子インフラは他国と比較してもかなり優秀なシステムとなっている。

インターネットアクセスは非常に先進的であり、安価な電力費、そして課税システムが優良的であることがマイニングを支える基盤となっている。

グルジア

​ヨーロッパ最安の電力費であるグルジアは、世界でもマイニングに有利な国の一つと言える。

世界的な知名度は低いが、実はグルジアは世界で初めてブロックチェーン技術を用いた土地登記を導入するなど、新技術の導入に積極的である。

さらに、グルジアの法律ではマイニングを課税対象としていないことも大きな魅力の一つである。