TRONが332億TRXをロックアップ

​暗号資産(仮想通貨)市場においてTRON(TRX)トークンが過剰に供給されていることが現在問題となっています。イーサリアムネットワークからトロンメインネットに移行を果たした独立記念日に、TRONは自社が保有する10億トークンをバーンしましたが、それでも総額の供給量は990億TRXにも上っています。そのうち市場に流通しているのは657億5000万TRXで、TRON社は332億5000万TRXを保有しています。

こうした現状の中、TRON財団はトロンメインネット内に1000個のアドレスを使って自社が保有する33.75億トークンをロックアップしたと発表しました。複数のアドレスを使って保有することでTRON財団は複数のアドレスに資産を分散させ、1つのアドレスがハッキングされても全てのトークンを失うリスクが低減されます。そしてTRONチームは現在これらのアドレスの詳細情報を提供するだけでなく、TRONICSメンバーがいつでもこれらのアドレスを確認して検索できるクエリツールを作成する計画を立てています。

​では、一体なぜ332億5000万TRXものトークンをロックアップしたのでしょうか。考えられる理由としては2つ挙げられます。

まず一つ目としてはTRXの供給可能性を予測した行動をとったということです。暗号資産(仮想通貨)トレーダーやTRX所有者は655億750万TRXが市場に流通していることは既に知っており、残りの330億TRXが2020年1月1日までロックアウトすることで将来的な循環供給を保証します。そのため、TRXは長期的な目線で価格が上昇し、投資家の信頼を得ることに繋がります。

第二の理由としては、投資家の信頼とトロンメインネット上でプロダクトが正常に機能しているために、ロックアップを行うことでTRXの値段が上がるとユーザーが期待しているからです。多くのTRXホールダーが昨年12月上旬にリップルが550億XRPをロックアップした時と同様に、TRXも大きな価格上昇を見せるのではないかと期待しています。

結論として、TRON財団は2020年1月1日まで供給を保証するという点で正しい方向に一歩前進しました。今回のニュースによって、暗号資産(仮想通貨)トレーダーは供給量が突然増え、その結果価値が損なわれるようなリスクを恐れずにTRXトレードを行うことができるようになります。

コインパートナーの見解

​TRONが332億TRXをロックアップすることはCEOであるJustin Sun氏が直々に言及しており、公式に投資家の利益の確保及びTRONの発展を狙っている意思を明らかにしています。

トロンメインネットへの移行を主としてここ数ヶ月でTRONは大きな動きを見せ続けています。TRONのロードマップでは今年12月までをExdusのフェーズとしており、P2Pや分散型システムを利用することで動画の保存やアップデートの仕組みの基盤を確立する期間としており、今現在行われていることもそのための準備なのかもしれません。こうした施策は即時的な効果を期待しているのではなく、長期的なスパンで考えたものなので、ロードマップと併せてまずは今年いっぱいがTRONに注目する期間の示準となりそうです。