仮想通貨の人気が爆発的に高まるインド、今後のカギを握るのは?
先日、インドの主要暗号資産(仮想通貨)取引所CoinDCXが新たに総額250万ドル(約2.7億円)の資金調達を行ったことを発表したことで暗号資産(仮想通貨)市場は大きな盛り上がりを見せた。
現在話題沸騰中のインドだが、ここ最近におけるインド国内での暗号資産(仮想通貨)取引の活発化が顕著に記録として表れているという。
インド国内で暗号資産(仮想通貨)取引量の増加が顕著に
先日発表された取引所CoinDCXの資金調達は、暗号資産(仮想通貨)大手CoinbaseのVCであるCoinbase Venturesなどが関わっているとのことで大きな注目を集めた。
米メディアの報告によると、盛り上がりの渦中にあるインド国内で暗号資産(仮想通貨)の取引量が爆増しているという。
インドの大手取引所の1つWazirXの取引量は、3月に約400%、4月に約270%もの増加を記録した。
3月以前のトランザクションが約2,000万/日だったのに対し、現在は約6,000万/日ものトランザクションが行われているという。
WazirX のCEOであるNischal Shetty氏は、「ここ最近、新規ユーザーの増加が著しいのみならず、アクティブユーザーも急激に増加している。」と語った。
また、大手暗号資産(仮想通貨)取引所アグリゲーターCoinSwitch社CEOのAshish Singhal氏は、インドの暗号資産(仮想通貨)情勢について以下のように語った。
「インドのユーザー数は、今年4月だけで約158%ほど増加している。また、最高裁判所が暗号資産(仮想通貨)に関する決定を下して以降、インドルピーでの取引量は劇的に増加している。これらの数は、今後数か月間でさらに増加すると予測している。」
CoinSwitch社は、今年6月に「CoinSwitch Kuber」という名のインド専用暗号資産(仮想通貨)モバイルアプリの提供を開始することも発表している。
過去2年間、暗号資産(仮想通貨)に苦しんでいたインド
過去2年間、インドの暗号資産(仮想通貨)取引所にとっては非常に苦しい日々が続いていた。
2018年4月にインド準備銀行(RBI)が暗号資産(仮想通貨)取引を禁止する意向の声明を公表し、その後KoinexやZebpayなどといった著名な大手取引所は閉鎖を余儀なくされていた。
しかし、これまで衰退していたインド暗号資産(仮想通貨)市場は、いまや完全に勢いを取り戻した。
ここ数ヵ月間における暗号資産(仮想通貨)ユーザーの爆増は、まぎれもなくインドの人々が暗号資産(仮想通貨)に強い関心を示していることを表しており、各国の暗号資産(仮想通貨)関連企業はインドに市場を開拓する計画を着々と進行している。
前述したように、インド主要取引所がCoinbaseのVCであるCoinbase Ventures等から多額の資金調達を成功させるなど、各大手によるインド市場への参入がめまぐるしい。
WazirX のCEOであるNischal Shetty氏は、現在のインド暗号資産(仮想通貨)市場及び今後の動向について、以下のようにも語っている。
「インド国内におけるアクティブユーザーの増加は、暗号資産(仮想通貨)ブームの到来を示唆している。インドは現在、さまざまな国のVCから注目を集めており、今後も多くのグローバル企業が参入してくるだろう。アメリカでは2010年頃から暗号資産(仮想通貨)関連の新興企業に対して莫大な投資が行われていたが、これと同じ動きが今後インドでも起こっていくと考えられる。」
将来的にインドが乗り越えなければならない2つのハードル
しかし、Ashsh Singhal氏は、インドに真の暗号資産(仮想通貨)ブームが到来するためには、依然としていくつかの乗り越えなければならないハードルがあるとも述べている。
「最高裁判所が命令を下したにもかかわらず、一部のインドの銀行はいまだに暗号資産(仮想通貨)のサポートに消極的であり続けている。消極的な姿勢の背景には、インド準備銀行(RBI)から明確な規範が示されていない現状と、暗号資産(仮想通貨)の匿名性やそれにともなう犯罪行為増加への懸念が存在している可能性が高い。実際、暗号資産(仮想通貨)のトランザクションがオープンな形で記録される点を考慮しても、所有者の匿名性が新たな問題を引き起こす蓋然性はなお高く、暗号資産(仮想通貨)が不正な取引や脱税などに悪用されうるという懸念点が残存しているのは事実だ。迅速な法規制の制定も欠かせない。」
その上で、今後インド国内で暗号資産(仮想通貨)が拡大していくために乗り越えていかなければならない重要な2つのハードルを示した。
「1つは、インド準備銀行(RBI)が暗号資産(仮想通貨)のサポートに積極的になることだ。RBIが明確な姿勢を示さなければ、他の銀行及び企業も暗号資産(仮想通貨)を完全に信頼することが難しくなるだろう。そして2つ目が、中央政府の対応だ。インドで暗号資産(仮想通貨)取引が円滑に機能するようになるには、最終的には公的機関の協力が必要不可欠である。」
インドで暗号資産(仮想通貨)市場がさらなる拡大を遂げるためには、インド準備銀行(RBI)と政府の動向が大きな鍵を握っている。
今後、13億人もの人口を誇るインドで本格的に暗号資産(仮想通貨)が受け入れられた場合、世界中に大きな影響を及ぼすことは間違いない。
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