ビットコイン85000ドル突破！トランプ関税で市場が揺れる4月相場

2025年4月2日、金融市場はドナルド・トランプ第47代アメリカ大統領が「解放の日（Liberation Day）」と称する新たな関税政策を発表することを控え、株式市場と暗号通貨市場の双方がそろって上昇するという異例の展開を見せました。
この日は、トランプ政権が外国政府による「不公正な貿易慣行」に対抗するための包括的な関税戦略を導入する、非常に重要なイベントと見なされています。

株式市場の動き：ボラティリティを伴いながらも反発

「偉大な7つ（The Magnificent 7）」と呼ばれる米主要ハイテク株を含むベンチマーク指標は、過去4日間の下落を経て火曜日に反発。これは、投資家の多くがトランプ政権の貿易方針が明確化されることを期待しているためです。

また、4月1日は月末かつ四半期末ということもあり、ポジション調整やショートカバーといったテクニカル要因も相まって、株価を押し上げる一因となりました。

暗号資産市場：リスクオン姿勢が鮮明に

ビットコイン（BTC）は2025年4月2日現在一時1BTCあたり85,496ドルまで上昇しました。
これは、前日比で2.24%の上昇を意味し、暗号資産市場全体の時価総額は2.75兆ドルに達しました。
この動きの背景には、伝統的市場と同様に、政策の不透明性解消に対する期待感があると見られています。
一部のアナリストは、売りのピークはすでに過ぎ去り、市場が底打ちの兆しを見せていると指摘しています。
加えて、Strategy、Tether、Metaplanetなどの著名企業がビットコインを取得したことが開示され、市場のセンチメントを大きく後押ししました。

金（ゴールド）への資金流入：安全資産としての存在感強まる

貿易戦争への懸念が再燃する中、安全資産である金も注目を集め、4月1日には史上最高値となる1オンスあたり3,130ドルを記録しました。
しかし、火曜日の午後にはやや調整が入り、最終的に3,113ドルで着地しました。
金価格月足チャート

トランプの「解放の日」とは？

トランプ大統領が命名した「解放の日」は、米国の産業を外国からの輸入依存から“解放”し、自国経済を守るという意図の象徴的な日です。
今回導入が検討されている関税政策は、「同等関税（Reciprocal Tariffs）」と呼ばれ、米国の輸出品に他国が課す関税率に対して、同等の水準で輸入品に関税を課すというものです。
トランプ氏はこの施策を「真のアメリカ・ファースト戦略の一環」と位置づけており、グローバル貿易の均衡を取り戻すための強硬な手段としています。

投資家心理：不透明感の中でのリスク選好

今回の上昇には、「関税の方向性が明確になる」という期待が大きく作用しています。
1月20日の政権交代以来続いていた貿易政策への不透明感が払拭されることで、市場全体がより戦略的な投資判断を下せるようになると見る向きが強いです。
また、暗号資産市場では、政府や規制の影響を相対的に受けにくいという特性から、地政学的リスクや貿易摩擦の高まりの中で“代替資産”としての需要が高まっているとも言えます。

まとめ

今回の「解放の日」を前にした動きは、株式市場と暗号資産市場が同時に反応する、非常に象徴的な瞬間となりました。
これまでリスク分散先と見なされてきたビットコインが、伝統的金融と歩調を合わせて動く場面が増えてきており、市場参加者の構造が徐々に変わりつつあることを示唆しています。
暗号資産が単なる投機対象ではなく、マクロ経済の影響を受ける“成熟した資産クラス”として認識されつつある兆候とも言えるでしょう。
とはいえ、今回の関税政策が本当に経済を“解放”するのか、それとも新たな貿易戦争の火種となるのかは、今後の展開次第です。
市場は期待と警戒の間で揺れており、その不安定なバランスの中でどのように資産を配置するかが、今後の大きなテーマとなるでしょう。

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