スペイン中央銀行が「今後5年間でCBDC研究を本格化させる」ことを正式発表

スペイン中央銀行が、今後5年間で「中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)の研究」に優先的に取り組んでいくことを発表した。

昨今世界中で加速する「CBDC」の導入に向け、スペインも本格的な取り組みを開始する。

 「2020年から2024年」CBDC競争激化の時代に突入か

スペイン中央銀行は、今後5年間で「中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)の研究」に優先的に取り組んでいくことを正式に発表した。

スペイン中央銀行が、『Analysis and research priorities for the Banco de España: 2020-2024』と名付けられたレポートを公表したことで明らかになった。

同レポートでは、経済を後押しし、国家財政を現代の要件に適合させるための「2020年から2024年の5年間で優先的に取り組む新たな戦略計画」が明らかにされ、この中に「CBDCに関する研究」が盛り込まれている。

このレポート内では、CBDCについて以下のように語られている。

中央銀行は、銀行プロセスの効率を最適化させることが可能なCBDCについて、その発行にあたる法的、及びテクノロジーと金融的枠組みに関する研究を優先的に行うことを決定しました。」

「テクノロジー分野のイノベーションを効果的に活用することが、現在の銀行にとっての課題です。フィンテックの成長にともなう社会からの要請に応じて、効率的なプロセスを構築するべく、新たなソリューションを実装する必要があります。」

また、スペイン中央銀行は、「新たなテクノロジーを活用することで、支払い手段に関連するサービスを改善できる」ことを強調し、「デジタル通貨の導入やそれによって生じる社会的影響を詳細に分析する必要がある」との見解を示した。

仮想通貨ビットコインを議員に配布など、スペインへの注目が高まる

スペインでは、ブロックチェーン技術の活用に前向きな動きが大きくなりつつある。

その一例として、国内最大級のプライベートブロックチェーンを展開するテレコム企業Telefonica社や、デジタルID・サプライチェーン追跡・エンタープライズソリューション向けのブロックチェーンアプリケーションを開発するAlastria Association社の台頭などが挙げられる。

また、先日、スペインでは「ビットコイン及び仮想通貨の教育・意識向上のためのキャンペーン」の一環として、「議会下院議員350人に「1ユーロ」相当のビットコイン(BTC)が配布された」ことが明らかになった。

いまやスペインは、仮想通貨業界からも熱い視線を浴びる国のひとつとなっている。

 今回公表されたレポートでは、CBDCに関する詳細情報は明らかにされていないものの、そのソリューションを構築するためにさまざまな技術的オプションを検討することが確認されるものとなった。

 仮想通貨にも好影響?中国、オーストラリアなど通貨競争は俄然激しく

昨今、スペインのみならず、あらゆる国と地域でCBDCの競争は激化しつつある。

上記のように、先日、深センの住民に「デジタル人民元」を配布することを発表した中国を筆頭に、イタリア・オランダ・エストニア・フランス・オーストラリアなどもCBDCに関する研究や開発に着手(もしくは着手を検討)している。

欧州中央銀行(ECB)の総裁であり、国際通貨基金(IMF)の前総裁でもあるChristine Lagarde氏が、「デジタルユーロ」への関心を明らかにしたことも記憶に新しい。

また、著名エコノミスト兼トレーダーであるAlexKrüger氏が、「CBDCは、ビットコインやその他仮想通貨にも好影響を及ぼす可能性がある」との見解を示したことで、CBDCは仮想通貨業界からも大きな注目を集める。

CBDCを巻き込んだ“世界通貨競争”――その火蓋は切られた。

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この記事は、cryptopotato.comの「Central Bank of Spain To Prioritize the Design and Study of a CBDC.」を参考にして作成されています。