Stepnは今年、「Move-to-Earn」と呼ばれる新しいジャンルのゲームを開拓したが、現在はゲーム内トークンの価格が暴落し、Axie Infinityと同じ道を辿っている。
もしStepnが成功したいのであれば、拡大する顧客基盤に対応し続けるという困難な作業が必要となる。
Stepnは今年、「Move-to-Earn」と呼ばれる新しいジャンルのゲームを開始。
Stepnの早期参入者は、その楽しさを伝え、利益を自慢することに熱中し、外で運動することで1日に200ドル(約27,000円)を稼いだと主張する人もいた。
ゲーム内トークンGSTの価格は、Stepnの熱狂の中で3月に上昇し、4月下旬に約8ドル(約1,080円)のピークに達した。
そして、他の仮想通貨とともにGSTの価格も暴落。
Stepnが中国ユーザーをブロックするというニュースが流れると価格はさらに下落した。
現在は4月28日の高値から97%下落した0.18ドル(約24円)前後で取引されている。
また、GSTの供給過剰も最近の価格下落の要因となった。
5月になってGSTの流通供給量は2万から5万近くまで膨れ上がっている。
一方、Stepnの経済構造を見ると、多くのP2Eゲームと同様に、まずユーザーにゲーム内トークンを獲得させ、その後、より多く消費させることで将来的にトークンを増やすという循環型の構造を採用していることが分かる。
このような仕組みは、過去に持続不可能であることが証明されている。
プロジェクトに新たな外部資本が注入されなければ、このサイクルは最終的にトークン価格の衰退をもたらし、サイクルを継続するための新たなユーザーを引き寄せることができないからだ。
このようなプロジェクトに懐疑的な人たちは「ポンジスキーム」という、あまり好意的でない表現を使うかもしれない。
しかし、Stepnをポンジスキームと呼ぶには時期尚早だろう。
多くの新しいプロジェクトは、初期段階でネズミ講のような仕組みを導入し、成長を促している。
最終的な判断は、この初期段階を経た後に行われるべきものだ。
今のところ、Stepnは現実世界と仮想世界をシームレスに結びつけ、新しいMove to Earnの分野での先駆的な役割を担っていると認識することが重要であろう。
Stepnが長期的にどのように機能するかについては、同様のトークン構造を採用したAxie InfinityのようなP2Eプロジェクトに注目するのがいいだろう。
Axie Infinityは2021年に有名になり、ピーク時には約660万人のユーザーを獲得した。
多数のプレイヤーとゲーム内トークンの無制限ミントのため、ゲーム内トークンの消費メカニズムは不十分になった。
Axieはトークンの膨大な供給量を生み出し、需要の低下と相まって、下降スパイラルを引き起こしてしまった。
Axieの歴史は、持続可能なMove to Earnのモデルには、ゲームの楽しさと魅力を維持し、新規ユーザーの流入を安定させるための絶え間ないアップデートが必要であることを示唆している。
また、ユーザーが投資した時間やお金に対して持続的なリターンを提供することも、需要の持続に貢献する。
つまり、Stepnのチームはプロジェクトのトークンエコノミクスに注意を払い、トークンの価格を維持できるようにしなければならない。
また、Stepnは新規ユーザーが原資回収までにかかる時間が長すぎないようにすることも必要だ。
Stepnはこのような課題を理解しているようだ。
Stepnは変動するGSTトークン価格に対応して、ミントに必要なGSTを調整している。
また、48時間の冷却期間や、新しいスニーカーを作る前に「親スニーカー」のNFTを最低レベルまで上げるなどの制限を加えた。
一方でGMTトークンの適正価格を維持するのに役立つステーキングにまだ取り組んでいない。
これらの施策には、ゲームを長期的に持続可能なものにするための配慮を感じさせる。
しかし、それでも拡大する顧客基盤に対応し続けるというのは非常に困難な作業であろう。
今のところ、Stepnがこれを実現できるかどうかは不明だ。
また、現在のP2E開発者が陥りがちな、実際のゲームユーザーの行動やニーズを十分に理解できていないリスクも否定できない。
投資家や金儲けに興味のある人たちをターゲットにしており、長期的にゲームを維持する真のユーザーをターゲットにしていない可能性もある。
Move-to-Earnはまだ初期段階にあり、StepnはAxieやP2Eの世界の多くの失敗を回避し、適応するための時間がある。
しかし、もしStepnが成功したいのであれば、チームは歩かずに走らなければならない。
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