半減期後、マイニング業者の損益分岐点は最低80万円程度になる。
価格の低迷が続けば、マイナーの撤退を通じてビットコインの存在が揺らぐ。
マイニング報酬の半減期後は7200ドル(約80万円)が強く意識される数字となりそうだ。
香港の暗号資産(仮想通貨)取引所gate.ioが今年5月に予定されているマイニング報酬の半減期後にマイナーの損益分岐点となるポイントについて詳細に分析したレポートを発表した。
マイナーが利益を得られる最低価格を「シャットダウンプライス」とし、1日あたりのマイニングコスト÷1日あたりのマイニング報酬と定義。マイニング機器の種類ごとにシャットダウンプライスを算出した。
マイニングプールから得られるサービス料やトランザクション手数料、その他の手数料は考慮しない。
(画像:gate.io)
現在販売されている最も高性能な機器は中国カナン社のAvalonMiner1166でシャットダウンプライスは4963ドル(550,724円)となっている。
これを上回る性能を持つAntminerS19 Proが中国ビットメイン社から発売が予定されており、導入すればシャットダウンダウンプライスを3120ドル(346,214円)まで下げられる。
しかし、半減期を迎えるといずれの機器もシャットダウンプライスが大幅に上昇し、AntminerS19 Proでも7234ドル(802.728円)となる。
現在のビットコイン価格は約70万円。このまま価格低迷が長引けばマイナーは赤字を免れられない。
(引用元:AMB Crypto)
ビットコインが一時50%超も暴落した後、マイニング競争の激しさを表すハッシュレートは低下した。
(画像:Blockchain.com)
損益分岐点が高い旧式のマイニング機器しか持っていなかったり、電気代の高い地域に拠点を構えていたりするマイナーが事業撤退を決め、マイニング競争が鈍化した可能性がある。
高性能モデルは高価なため、このまま価格低迷が続けば、経営体力のない中小マイナーの撤退が加速するだろう。
カナン社公式サイトによると、前述のAvalonMiner1166は1ユニット1978ドル(219,491円)となっている。
市場の寡占化は51%攻撃の危険性を高めるなどセキュリティの不安が増す。
大手マイナーはいずれも中国に集中しており、災害や戦争など地政学リスクも高まる。
実際に新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、当局から操業停止を命じられた例がある。(現在は操業再開)
数年後、同様の事態が起きれば、ビットコインをマイニングするものが誰もいなくなり、システム全体が停止する恐れがある。
そうなればビットコインの価値は暴落するだろう。
このようなリスクがあることを十分理解して暗号資産(仮想通貨)投資を行っていただきたい。
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著者: CoinPartner 編集部 CoinPartner