​韓国で仮想通貨規制強化の法案が提出される

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2017年12月28日、韓国で暗号資産(仮想通貨)に対する新たな法規制が決定しました。韓国は世界のビットコイン取引量の12%を占めているといわれるほどットコインが熱狂的人気を誇る国であり、ブルームバーグによると、韓国では30%以上高値でビットコインが取引されているほか、会社員の約3割が暗号資産(仮想通貨)取引を行っています。暗号資産(仮想通貨)の中心国ともいえる韓国での法規制はいったい何を意味するのでしょうか?

いままでの韓国の法規制についてはこちらをご覧ください。

空前のビットコインバブルに見舞われている韓国で、15日に新たに暗号資産(仮想通貨)に対する規制を行うことが発表されました。世界有数の暗号資産(仮想通貨)市場でありアジア圏としても日本にとっては注目すべき出来事です。バブルの現状と法規制について学んでおきましょう。

 

法規制の内容

韓国政府はビットコインの熱狂っぷりに不安を覚えていて、法規制によりどうにかして人気を落ち着せようとしています。

韓国における暗号資産(仮想通貨)人気は非論理的で過度に加熱している。政府はこの常軌を逸した状況をこれ以上放っておくことはできない。

Source: 韓国政府による声明(Bloombergより)

​1月から施行される今回の法規制によりおもに匿名アカウントの廃止取引所に対する干渉​が行われます。

匿名アカウントの廃止

​韓国では以前から本人確認の緩さがマネーロンダリングの温床となるとして問題視されてきました。今回の規制でKYC(本人確認)が必須化されることとなります。新規の口座の開設に実名登録やパスポートなどの本人確認書類の提出が必要になるほか、既存の匿名アカウントからの入出金は停止されます。

取引所に対する干渉を実施

また、韓国政府​は金融機関に対する検閲を行い必要に応じて干渉を行うとしています。具体的には、取引所がKYCをしていない匿名アカウントを新規開設した場合韓国政府が取引を中止する、もしくは取引所そのものを封鎖する可能性があるとしています。これにより今まで不透明であった金の流れを把握し金融犯罪を予防するとともに税金の徴収に役立てようという考えがあります。

市場への影響

ビットコイン・イーサリアムなど多くの通貨が暴落

​上図はビットコインのチャートです。規制の発表後、暗号資産(仮想通貨)の変化に対する不安からか24時間で約22500000ウォンから18000000ウォン​まで下がり12%以上価格が暴落しました。また、イーサリアムをはじめアルトコインも暴落を経験しました。一方でリップル(XRP)は日本のクレジットカード(セゾンやJCB)と提携などプラス​の情報が多かったためほかのアルトコインの傾向に反して上昇しています。

取引量が激減

​韓国は日本・アメリカに次いでビットコイン取引高第3位です。一時は世界の総取引量の12%を占めていましたが、​規制が発表された直後韓国では暗号資産(仮想通貨)取引量が激減し6%まで落ちました。これは規制の影響で価格が大きく変化することをおそれ多くの人が取引に消極的になったことがうかがえます。取引量が減ることで価格の変動は大きくなりそれが今回の暴落を大きなものとした要因の一つともいえます。

コインパートナーの見解

以前の記事でも説明した通り韓国では暗号資産(仮想通貨)を禁止する動きではなく、暗号資産(仮想通貨)の信頼性を高める前向きな規制をする傾向にあります。今回もその傾向に違わず前向きな規制であり、韓国国内にある​世界取引高が1位の取引所Bithumbは今回の規制を歓迎しています。しかし、それでもビットコインの価格が下がってしまったということは市場が慎重で消極的な動きを見せていることがわかります。今後暗号資産(仮想通貨)の規制は増えていきますが、その度に価格が下がっていくのか、それとも一時的なものなのかを見極めることが大切です。コインパートナーとしては前向きな規制は暗号資産(仮想通貨)の信頼性を高めるため本来ならば価格が上がる要因にすらなると考えています。しばらくの間は規制で価格が下がる現象は続くでしょうが今後暗号資産(仮想通貨)を「流行」としてとらえるのではなく本質を理解する人が増えていけばこのような規制の後は価格が上がるようになっていくと考えます。ただ規制は人々を慎重にさせるたためそのたびに一時的に取引量が減ることはおそらく避けられないでしょうし、いつから規制が「上げ要因」になるかはまだわかりません。