経済危機のベネズエラでビットコイン需要急増中

 


ハイパーインフレで法定通貨暴落

​南米の産油国ベネズエラは現在とんでもないハイパーインフレに見舞われています。現地の法定通貨ボリバルは、2017年11月の1ヶ月だけでも価値が半分になり、物価が指数関数的に上昇しているのが現状です。

銀行のATMから現金を引き出そうとする人が列をなし、僅か0.05USD(約6円)相当の金額を引き出すのに20分も並ばなければならないなど、国は混乱の中にあります。


↓待ち時間20分、得られたのは6円


財政破綻寸前、法定通貨に対する信用は皆無

ハイパーインフレが進行し、日常生活にも支障をきたすほどの状況で、国民の法定通貨への信用は地に落ちています。また、11月には国債の返済期間を守れず、デフォルト(債務不履行)状態に陥っています。(CNNによる報道)

​ベネズエラの国民は、自分たちの資産と生活を守るために、ビットコインに活路を見出そうとしています。

生きるためにビットコインを活用

 

ビットコインが「生命線」

ベネズエラでは、ビットコインは投機対象としてではなく、基本的な物の売買に必要不可欠な手段としてみなされています。​ビットコインを使って医薬品を購入し、従業員に賃金を支払ったというベネズエラ人男性のヴィラ―氏は「これは生きるか死ぬかに関わる問題だ」と語っています。

もはや、ビットコイン無くしてはベネズエラでは生活していくことが難しい状況になっています。


ビットコインのマイニングが活発化

また、ベネズエラでは電気代に補助金が出ており、ほぼ無料で手に入ることから、ビットコインのマイニングが盛んに行われています。ビットコインのマイニングによって、通常の月収の20倍以上の収入が得られるという報道もされており、ベネズエラ国民にとっては貴重な収入源となっています。

ビットコインの採掘自体は合法なものの、大量に電気を使用する行為はベネズエラでは違法であるため、マイナーは摘発を逃れるために、機材を分散させたり​、サーバーを海外に置くなど、いたちごっこの情勢を見せています。


ベネズエラ政府による暗号資産(仮想通貨)規制方針

 

ビットコインマイナーに登録を義務付け

国内でのビットコインの盛り上がりを経済危機脱出の好機と見たベネズエラ政府は、ビットコインをその管理下に置こうとする動きを見せています。報道によると、ビットコインのマイナーは2017年12月22日より、政府に登録をする必要があるそうです。
新設された「ベネズエラ暗号資産(仮想通貨)監督人」に任命されたヴァルガス氏によると、今回の登録の目的は、「マイナーの名前・住所・使用機材を把握すること」であるとしています。

​しかし、ベネズエラのマイナーからは、今後政府がマイニング機材を一斉に押収するための布石ではないか、という不安の声も上がっています。

独自暗号資産(仮想通貨)ペトロの発行を計画

ベネズエラのマドゥロ大統領は12月3日に、ベネズエラ独自の暗号資産(仮想通貨)「ペトロ=ボリバル」を発行することを発表しました。国内で産出される石油の価値に保証された通貨とする計画です。ペトロの導入により、深刻な経済危機から脱することを目指しているようですが、果たして上手く機能するのか、注目されるところです。​


ロシアの隣国エストニアでも、国独自の暗号資産(仮想通貨)「エストコイン」の導入が検討されています。詳しくはこちらから。

エストコインとは、ロシアの隣国エストニアで開発が計画されている暗号資産(仮想通貨)の名称です。エストニアのデジタル社会保障ネットワークやe-residency(電子国民制度)とエストコインを組み合わせるという壮大な構想が、いま大きな期待を集めています!

 

​参考記事:https://www.cryptocoinsnews.co...

コインパートナーの分析

 

 

ベネズエラは暗号資産(仮想通貨)で復活するか?

現状ベネズエラは、暗号資産(仮想通貨)を政府の管理下に置き、現在の法定通貨と置き換えることで、額面上のインフレを無くすことを図っているように思われます。しかし、これでは根本的な財政改革を放棄することになってしまうので、結果的には現状とあまり変わることはないように思われます

​また、12月からのマイナーに対する規制に対して、ベネズエラ国外に一部のマイナーが移動する動きもあります。税制を整備する方向ではなく、直接的にビットコインを管理下に置こうとしたことによって、潜在的な歳入を逃してしまっているようにも見えます。


​世界で暗号資産(仮想通貨)の利用国は増えるのか?

世界では、新興国や深刻な経済危機に直面する国で、暗号資産(仮想通貨)を導入する計画が進んでいます。財政が破綻したジンバブエでは、11月初旬にビットコインが高騰し、一時日本の1.5倍ほどの値段を付けました。また、そのジンバブエで​Dashの導入が検討されているという噂が出て、Dash価格が高騰する一幕もありました。

​世界的に見ても暗号資産(仮想通貨)の需要は高まっており、今後新興国やインフレを経験している国などを中心に需要が増えることは、十分に現実的だと考えられます。

ジンバブエのニュースで高騰を見せたDashの解説記事です! 

暗号資産(仮想通貨)DASH(ダッシュ)を知ってますか?DASHとはそもそもなんなのか、買うべきなのか、価格は上がるのかなど、皆さんが気になるDASHの内容についてコインパートナーがわかりやすく説明して本気でチャートや将来性を分析します!