この記事の要点まとめ

  • 中央銀行を含む南アフリカの規制実行組合は今週、暗号資産に関する諮問書を発表した
  • 諮問書は暗号通貨資産の取扱に否定的
  • 文書によると、南アフリカ国内の暗号資産(仮想通貨)取扱業者は2019年内に政府に登録する必要がある
  • 暗号資産(仮想通貨)は公式な通貨・資産として未公認のままである

政府間フィンテック実行組合(IFWG)が暗号資産に関する諮問書を公開

南アフリカの政府間フィンテック実行組合(IFWG)は、水曜日に共同で暗号資産に関する諮問書を発表した。

同組合は2018年の初めに、国内の暗号資産(仮想通貨)の現状を検討するために結成されたもので、南アフリカの資金情報センター(FIC)、金融セクター行動管理局(FSCA)、国庫(NT)、南アフリカ歳入庁(SARS)、および南アフリカ準備銀行(SARB)からなる。

この諮問書では法規制に至った背景や、規制がどのような範囲にかかるかが提示された。

暗号資産のリスクと暗号資産(仮想通貨)規制の必要性

諮問書には、暗号資産によって発生している最大のリスクとして、現在投資家への保護が行き届いていないことやマネーロンダリングなどへの利用を挙げた。

これらの問題に対処するため、規制の導入に踏み込む模様だ。

また、暗号資産(仮想通貨)が決済手段として法定通貨に取って代わる可能性についても「現状で可能性は非常に低いが、規模が拡大すれば既存の金融機関への影響は甚大」として、決済手段としての利用への規制には慎重な姿勢を見せた。

暗号資産(仮想通貨)の利点については否定的

この諮問書内では暗号資産(仮想通貨)の利点として、「投資家のポートフォリオの幅が広がることによって、カントリーリスクなどを削減できる」「送金手段として早く安価である」といった点が挙げられた。

しかし、同時にこのどちらもが「短期・中期的にみて現実的でない」として切り捨てられている。


南アフリカの国民および暗号通貨関連事業者は、2019年2月15日までに文書に対するコメントを提供するよう求められている。そのコメントは今後、暗号資産の規制方法を決定する上で参考にされる。

仮想通貨の貨幣価値は法的に認可されず

同組合は、暗号資産は法的な貨幣としては認められないままであり、電子マネーとして認識しないよう勧告している。

とはいえ、今のところ暗号資産(仮想通貨)そのものが禁止されるというわけではない。まず暗号資産支払い処理業者の登録から始めて、段階的に規制していく提案がなされている。

この制度への登録はすべての暗号資産(仮想通貨)取引プラットフォーム、自動販売機(Bitcoin ATM)、ウォレット業者および支払い処理業者に要求される。

また、この諮問書では暗号資産取扱業者が南アフリカの資金情報センター法に基づくAML / CFT規制(マネーロンダリングに関する規制)に従うよう勧告している。

つまり、企業は顧客の継続的な監視を行い、活動記録を記録し、25,000南アフリカランド(約1,900ドル)以上の現金取引を含む、不審で異常な取引に関するレポートを提出する必要がある。登録手続きの詳細は後日公開され、2019年第1四半期に実施される予定だ。