欧州証券市場監督機構(ESMA)は、ユーザーが少数の取引所に集中していることは仮想通貨エコシステム全体に広範な影響を与える可能性があると報告した。

ESMAが大手取引所が、仮想通貨市場を支配していることに危険性を指摘

欧州証券市場監督機構(ESMA)が公表した報告書では、仮想通貨取引が少数の大手取引所に集中していることが示され、この集中化が市場にリスクを与えると指摘された。

この報告書によると、仮想通貨取引の約90%がわずか10の取引所で処理されており、特にバイナンスがそのうちの約半分を占めていることが明らかにされている。そして、このような市場の集中は、取引所の障害や機能不全が発生した際に、仮想通貨エコシステム全体に広範な影響を与える可能性があると示されている。

現在、効率性と運用の規模の経済を求める市場の動向が、取引量の大部分を処理する大手取引所への集中を進めていることは明らかであり、この集中化は時間とともに増加している。

実際、2019年にはトップ5社のシェアが54%だったのが、最新データによると73%に急増と、少数の取引所が市場を支配している現状を浮き彫りにしている。

またそれ以外にも、MiCA規制が導入されることにより、ユーロ圏内の仮想通貨市場に新たな動きが期待されているが、現在のところユーロは仮想通貨取引で限定的な存在感となっていることや、市場の不安定な時期に仮想通貨は安全な避難先として機能しないとする見解や、株式市場との相関関係の強調、金に比べた安定性の欠如が、今回の報告書で指摘されている。

Coin Partnerの見解

現在、バイナンスも訴訟問題以降「ユーザー利用率が減るのではないか?」と懸念されていましたが、2024年3月には取引高が年間最高記録を達成しており、このことから、いかに多くのユーザーが大手取引所の取引信用性と安全性に信頼を置いているかがわかります。ESMAとしては、ユーザーが他の取引所を利用することで高範囲での仮想通貨市場の発展やリスク許容を行ってほしいと考えていると思いますが、大手の強い信頼性を塗り替えるには、それほどの規模の革新性が必要となりますので、残り10%の取引所によるブロックチェーン技術を含めた、様々な技術開発に関するニュースに注目です。

※記事に記載されている意見や分析は筆者の個人的なものであり、筆者の所属する組織や団体の公式見解を示すものではありません。

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この記事はCoin Telegraphの「EUの証券監督機関 仮想通貨取引所の集中化リスクを懸念 | 上位10社が取引の90%を処理」を参考にして作られています。