英中銀は、現時点における仮想通貨の金融システムへのリスクは限定的としつつも、「対処する必要がある」との見解を明かした。

仮想通貨業界が成長を続けているため、将来的には大きなリスクとなりかねないという考えだ。

「暴落」で見えた仮想通貨の脆弱性

英中銀イングランド銀行に設置されている金融政策委員会(FPC)は5日に発表した金融安定レポートの中で、仮想通貨に関して言及した。

同レポートでは、仮想通貨によるリスクは現時点ではそれほど大きくないが、それでも監視が必要であることが指摘された。

FPCは、昨年11月には3兆ドル(約406兆円)という規模を誇った仮想通貨市場が、6月には3分の1以下まで急激に下落したことを特に問題視。この暴落によって、仮想通貨が抱えるいくつかの脆弱性が露呈したとしている。

レポートが指摘する「いくつかの脆弱性」の一つは、流動性のミスマッチだ。流動性のミスマッチにより投げ売りが行われ、著しい価格下落が引き起こされた。

特に、裏付け資産がなく、透明性が低い一部のステーブルコインの連動(ペッグ)維持能力に対する投資家の信頼が大きく損なわれたとしている。

業界の発展を見越して規制を

レポートは仮想通貨が抱える脆弱性やリスクを指摘しながらも、これらが全体的な金融システムの安定を脅かすものではなかったと説明。

しかし一方で、仮想通貨業界が発展し規模を増大させていった場合、システムへのリスクが生まれかねないことに懸念を示している。

これらの出来事は、全体として金融安定にリスクをもたらすものではなかった。しかし、仮想通貨のアクティビティや、より広い金融システムと仮想通貨との相互関連性が継続的に発展する場合、対処を怠れば、システムへのリスクが生まれることになる。

イングランド銀行は仮想通貨の将来的なリスクに対処するために、規制や法執行の枠組みを強化したい考えを示した。

これは、仮想通貨の市場や活動の発展に対処するため、規制や法執行の枠組みを強化する必要性を強調している。

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