世界の仮想通貨規制状況

暗号資産(仮想通貨)の普及とともに暗号資産(仮想通貨)の法規制が進んでいます。Coin Danceの調査によると、現在世界の11カ国で暗号資産(仮想通貨)が禁止されており、107カ国で禁止しない姿勢を見せています(残りの国々は不明)。

世界のビットコインの規制状況 Coin Danceより

日本

日本は暗号資産(仮想通貨)の取引量世界2位の暗号資産(仮想通貨)大国です。

一時は取引量が世界一であったこともあり政府も暗号資産(仮想通貨)の使用を認める一方で投資家保護のための法規制をすすめています。暗号資産(仮想通貨)に対しては寛容な姿勢であり法規制も比較的弱い印象です。

2017年4月には改正資金決済法(通称暗号資産(仮想通貨)法)を制定しおもに

  • 暗号資産(仮想通貨)の定義
  • 暗号資産(仮想通貨)交換業の定義
  • 暗号資産(仮想通貨)交換業の規制

をしています。これにより暗号資産(仮想通貨)交換業は内閣総理大臣により認可を受けた仮想交換業者(みなし業者も含む)のみが行えることとなっています。

投資家の暗号資産(仮想通貨)取引は禁止しておらずICOも行えますが、現存する暗号資産(仮想通貨)交換業者がすべて本人確認が必要であるため実質本人確認書類の提出が必須です。

法規制暗号資産(仮想通貨)取引ICOその他
弱い
取引所では本人確認が実質必須


中国

中国はインターネットを一部利用制限するなどかつてから情報統制がおこなわれており、暗号資産(仮想通貨)に対しても厳しい規制を行っています。

中国は2013年に初めて暗号資産(仮想通貨)の注意勧告を出し、中国元を扱う銀行からの取引所への入金を禁止しました。

2017年1月にはBTC出金を4ヶ月間封鎖、2017年9月4日から国内のICOを禁止・排除する「通知」を出し、直後に国内の取引所に対して取り締まりを行い9月30日にはすべての国内取引所がサービスを停止していました。その結果、一時は世界の暗号資産(仮想通貨)取引量の90%を占めていた人民元建ての取引が、わずか1%にまで落ちるにまで至りました。

2018年1月には中国国内でのビットコインのマイニングの制限をはじめ、国内の暗号資産(仮想通貨)関連企業やマイナーの多くは台湾や日本に避難したと言われています。

2月4日に規制はさらに強化され暗号資産(仮想通貨)関連の禁止はネットにも及び、インターネット上の暗号資産(仮想通貨)取引所ホームページの閉鎖・広告の排除が行われました。

詳しくはこちらをご覧ください。

中国で暗号資産(仮想通貨)規制がさらに強化 ICO関連広告が完全に消えついに逮捕者も中国人民銀行が運営する金融時報が2月4日夜に発表した内容によると、国内において暗号資産(仮想通貨)を撲滅すべくさらなる規制強化を行うことが決定しました。発表によると政府は暗号資産(仮想通貨)による金融リスクを予防・緩和するために国内外の暗号資産(仮想通貨)取引所とICOに対しさらなる規制措置をとるようです。規制の内容には暗号資産(仮想通貨)関連事業の禁止や国内外の暗号資産(仮想通貨)取引所のホームページの封鎖・処分が含まれます。中国政府は取引所へのアクセスと暗号資産(仮想通貨)関連の情報を排除するファイヤーウォールを構築し徹底排除にあたるとしています。すでに中国版Twiter「微博」からは暗号資産(仮想通貨)やICO関連の広告が完全に消えたとの報道もあります。さらには中国のICOであるARTSプロジェクトの創業者が「詐欺プロジェクト」として逮捕されたとの報道もあります。すでに国内の取引所・ICOは禁止されていたものの不完全であった中国人民銀行による暗号資産(仮想通貨)規制はいまに始まった話ではなく、2013年に始まっています。2013年に初めての注意勧告を出し、中国元を扱う銀行からの取引所への入金を禁止しました。2017年1月にはBTC出金を4ヶ月間封鎖、2017年9月4日から国内のICOを禁止・排除する「通知」を出し、直後に国内の取引所に対して取り締まりを行い9月30日にはすべての国内取引所がサービスを停止していました。その結果、一時は世界の暗号資産(仮想通貨)取引量の90%を占めていた人民元建ての取引が、わずか1%にまで落ちるにまで至りました。また、大手取引所KuCoinは2018年1月21日に、世界最大の取引所バイナンスは2月1日に中国国内向けのサービスを全て停止することを発表しています。それでもなお、規制は不完全であり依然として暗号資産(仮想通貨)関連広告がネットから消えることはなく、トレーダーや企業もまだ暗号資産(仮想通貨)に関わる方法が存在していました。中国のトレーダーや暗号資産(仮想通貨)企業の多くは海外に避難相次ぐ暗号資産(仮想通貨)規制により中国国内のトレーダーの多くは日本や香港の取引所を利用することで規制を回避していました。また、国内の暗号資産(仮想通貨)関連企業やマイナーの多くはスイスやカナダなどより擁護的な規制をもち暗号資産(仮想通貨)に好意的な国々に避難しています。同紙は海外避難の傾向があることを認知した上で、「海外での暗号資産(仮想通貨)取引・ICO参加は

 

法規制暗号資産(仮想通貨)取引ICOその他
強い不可不可ネット上の暗号資産(仮想通貨)関連広告も禁止

韓国

若者の失業率の高い韓国では若くして大きな富をうめる可能性のある暗号資産(仮想通貨)は大変人気が高く、暗号資産(仮想通貨)取引量世界3位を誇っています。

暗号資産(仮想通貨)の下落で自殺者がでるなどあまりの熱狂ぶりに韓国でも法規制を強いられ1月には取引所の閉鎖の検討がなされたり実名が確認されていない口座の取引を禁止するなど強硬な姿勢を見せていましたが、2月20日には暗号資産(仮想通貨)の禁止を行わないことを発表し寛容な姿勢を見せています。韓国金融監督院のチェ・フンシク院長は暗号資産(仮想通貨)を禁止するのではなく「正常化」を目指していくと述べています。

一方国家公務員に対してはインサイダー取引の疑惑が上がっているなどの理由から3月から暗号資産(仮想通貨)の所持・取引を全面禁止するなど規制を強めているようです。

 

韓国は国家公務員の暗号資産(仮想通貨)保有・取引を禁止韓国の政府機関である人事革新処は、同国の国家公務員の暗号資産(仮想通貨)保有および取引を「職務内容との関連性によらず」全て禁止することを定めたと、現地の毎日経済新聞が報じました。「公務従事者の暗号資産(仮想通貨)保有および取引に関連する情報」とタイトル付けられた人事革新処の指令によると、国家公務員は「職務内容が暗号資産(仮想通貨)と関わりの無いものであっても、暗号資産(仮想通貨)の保持および取引の禁止が要請される」とされており、毎日経済新聞によれば、これは「政府が公務員の暗号資産(仮想通貨)禁止を定めた最初の事例」になるということです。また、人事革新処の高官は「とりわけ勤務時間中に行われた暗号資産(仮想通貨)取引に関しては、国家公務員法の定める禁止事項への違反となる」とし、同時に、これは全ての省庁に対して有効な指令であることを強調しています。そして、違反した者には「懲戒処分がくだされる可能性がある」としました。韓国政府内における暗号資産(仮想通貨)規制の現状とは韓国では既に、公正取引委員会や金融委員会などの機関が、就業者に対して暗号資産(仮想通貨)への取引を止めるよう要請を発しています。2018年1月には国務調整室の室長を務めるHong Nam氏が、国家公務員に対して、禁止規定を遵守するよう求めています。また3月に入り、韓国の反腐敗協議会により、政府機関向けに「暗号資産(仮想通貨)に関する行動規範」が定められました。国家公務員行動規範の第12章では、就業者が業務中に得られた情報を用いて取引や投資をすることを禁じる規定が設けられています。このため、独立機関として金融監査院が設けられ、規範の施行に当たっています。立法の面では、今年初頭に、政府職員が職務上得られた情報を元に市場操作を行っている、との批判を受けて、公務員にデジタル資産への投資状況を報告する義務を定めた法案が可決されています。コインパートナーの見解以前から韓国政府に向けてインサイダー取引の疑惑を指摘する声がありましたが、それに対して政府自らが規制を作る形となりました。韓国に限らず、政府は暗号資産(仮想通貨)の規制等を行う権限を持っており、他の国でも同じような事例が発生する可能性が少なくありません。今回の韓国のケースは今後の政府と暗号資産(仮想通貨)の関係性を占う試金石となるでしょう。 

 

目次韓国で暗号資産(仮想通貨)規制強化の法案が提出される法規制の内容市場への影響コインパートナーの見解 韓国で暗号資産(仮想通貨)規制強化の法案が提出される 2017年12月28日、韓国で暗号資産(仮想通貨)に対する新たな法規制が決定しました。韓国は世界のビットコイン取引量の12%を占めているといわれるほどビットコインが熱狂的人気を誇る国であり、ブルームバーグによると、韓国では30%以上高値でビットコインが取引されているほか、会社員の約3割が暗号資産(仮想通貨)取引を行っています。暗号資産(仮想通貨)の中心国ともいえる韓国での法規制はいったい何を意味するのでしょうか? いままでの韓国の法規制についてはこちらをご覧ください。 韓国が暗号資産(仮想通貨)の法規制を15日に強化予定。ビットコインブームの韓国はどうなる?空前のビットコインバブルに見舞われている韓国で、15日に新たに暗号資産(仮想通貨)に対する規制を行うことが発表されました。世界有数の暗号資産(仮想通貨)市場でありアジア圏としても日本にとっては注目すべき出来事です。バブルの現状と法規制について学んでおきましょう。続きを読む 法規制の内容 韓国政府はビットコインの熱狂っぷりに不安を覚えていて、法規制によりどうにかして人気を落ち着せようとしています。 韓国における暗号資産(仮想通貨)人気は非論理的で過度に加熱している。政府はこの常軌を逸した状況をこれ以上放っておくことはできない。 Source: 韓国政府による声明(Bloombergより) 1月から施行される今回の法規制によりおもに匿名アカウントの廃止と取引所に対する干渉が行われます。 匿名アカウントの廃止 韓国では以前から本人確認の緩さがマネーロンダリングの温床となるとして問題視されてきました。今回の規制でKYC(本人確認)が必須化されることとなります。新規の口座の開設に実名登録やパスポートなどの本人確認書類の提出が必要になるほか、既存の匿名アカウントからの入出金は停止されます。 取引所に対する干渉を実施

 

目次韓国の金融規制当局が15日に暗号資産(仮想通貨)関連措置を発表か韓国で暗号資産(仮想通貨)が大人気!韓国の法規制チャートへの影響まとめ 韓国の金融規制当局が15日に暗号資産(仮想通貨)関連措置を発表か アジアでは空前の「暗号資産(仮想通貨)ブーム」が発生しており、CryptoCompareによる調査によれば2017年11月時点で世界の仮想塚取引の80%が日本・韓国・ベトナムで行われているといわれています。(中国では暗号資産(仮想通貨)の規制が厳しく国内での取引量は少ないです。)そんな中、韓国の金融規制当局は緊急会議を行い2017年12月15日に関連措置を発表する予定であることを明かしました。関連措置の内容は暗号資産(仮想通貨)取引所の法規制と暗号資産(仮想通貨)の税制度についてです。 この記事ではコインパートナーが韓国の暗号資産(仮想通貨)市場の現状と法規制について解説します! 韓国で暗号資産(仮想通貨)が大人気! アジア圏の中でも、韓国の暗号資産(仮想通貨)市場の成長は著しく、現在韓国ではビットコインが他国に比べ20%ほど高値で取引されています。 韓国では暗号資産(仮想通貨)に関する知識が乏しい層の取引が多いため、噂や少し大きめの値動きに価格が大きく左右されます。たとえば韓国が全体の取引量の50%を担っているリップルなどに関して言えば、10~30%の値上がりをみせるとそれにつられ投資が集中し、急激な値上がりと取引高の上昇がおきます。 世界取引量1位の取引所~Bithumb~ Bithumb(ビッサム)は韓国最大の取引所であり、ビットコインの価格が世界で最初に$10000を超えた取引所でもあります。イーサリアムやリップル、ビットコインキャッシュなどの取引量が世界一位であり出来高世界5位であることから暗号資産(仮想通貨)にたいしてとても大きな影響力を持ちます。この取引所が法の規制にたいしてどのような対応をするかで今後の暗号資産(仮想通貨)市場は大きな変化をもたらすしょう。現時点でBithumbは「法の規制は暗号資産(仮想通貨)市場の発展につながる」として法の規制をポジティブにとらえています。 コインパートナーではBithumbについて書いた記事もあるのでこちらもご覧ください!

 

法規制暗号資産(仮想通貨)取引ICOその他
弱め国家公務員は全面禁止


アメリカ

アメリカは世界の金融街と称されるウォール街が存在し現在暗号資産(仮想通貨)取引高が世界一です。暗号資産(仮想通貨)に好意的であるアメリカでは暗号資産(仮想通貨)の法規制に対し慎重な姿勢を示し法規制よりも現状の把握が先であるとしています。

アメリカの暗号資産(仮想通貨)規制はSEC(米証券取引委員会)とCFTC(米商品先物取引委員会)を中心に行われており、2月6日には米上院で開かれた公聴会でSEC委員長のJay Clayton氏からはICOにおける規則遵守の不在に関する問題提起が、CFTCのChristopher Giancarlo氏からは暗号資産(仮想通貨)及び関連商品の購入に関する消費者保護のための法整備の必要性の提起がなされました。その後3月にはSECが暗号資産(仮想通貨)取引所の登録の義務化を発表しました。

今後ICOを中心に暗号資産(仮想通貨)の法規制は強化されていく見込みですが、禁止されるようなことは考えにくく現状アメリカの法規制はとても弱いです。

もっともアメリカでは50の州それぞれにおける自治権が憲法で認められているため、州によって暗号資産(仮想通貨)の規制状況が大きく異なります。日本のbitFlyer社も参入しているニューヨーク州では特に規制が厳しく、暗号資産(仮想通貨)取引所は営業に州が発行するライセンスが必要であるほか、4月には業務形態などの情報開示を求められています。

目次米政府、暗号資産(仮想通貨)規制立法は「すぐには行わない」2月初めにはSEC、CFTC参加の公聴会もコインパートナーの見解米政府、暗号資産(仮想通貨)規制立法は「すぐには行わない」米大統領の政策立案・決定に携わる大統領補佐官(サイバーセキュリティ担当)のRob Joyce氏は、CNBCとのインタビューの中で、米政府は暗号資産(仮想通貨)の現状に懸念を抱いているとしながらも、正式な規制枠組みの制定には長い時間がかかるだろうと述べました。Joyce氏は「まだ我々は暗号資産(仮想通貨)の世界の良い面と悪い面を理解する過程の真っ只中におり、規制はすぐにはなされないだろう」と話した一方、暗号資産(仮想通貨)が犯罪組織によるマネーロンダリングに利用されている現状について、次のように語りました。「懸念している。デジタル貨幣であるビットコインのコンセプトには良い点もあるが、同時に、ビットコインが犯罪に使われた後、そのコインを取り戻すのは不可能だ。我々は未だ解決策を見つけられておらず、これは問題だ」米財務長官のSteven Mnuchin氏も、暗号資産(仮想通貨)と犯罪活動のつながりに関して、次のように述べています。「我々はその関わりを注視しており、これからもその姿勢は変わらない。最も大切なことは、ビットコインが違法な活動に使用されない仕組みを整えることであり、そのために闇市場とビットコインを切り離したい。これが我々の現在の課題である」米政府は犯罪組織との関わりに関して規制が必要であるとの見方を示しつつも、情報収集が不完全な状態での闇雲な規制の導入には慎重な姿勢を見せています。2月初めにはSEC、CFTC参加の公聴会も2018年2月6日には米上院で開かれた公聴会にSEC(米証券取引委員会)とCFTC(米商品先物取引委員会)のトップが出席し、暗号資産(仮想通貨)やICOへの規制を含めた話し合いが行われました。この公聴会では、SEC委員長のJay Clayton氏からはICOにおける規則遵守の不在に関する問題提起が、CFTCのChristopher

 

目次ニューヨーク州当局が13の取引所に対し情報開示を求める手紙を送付 新たな要求に対する取引所の反応は好意的コインパートナーの見解ニューヨーク州当局が13の取引所に対し情報開示を求める手紙を送付 4月17日、ニューヨーク州司法局長官の Eric Schneiderman氏が13社の暗号資産(仮想通貨)取引所に対しオペレーションやボットの有無などの情報開示を求める手紙を送付しました。同時に暗号資産(仮想通貨)市場のの正当性を強化する組織「Virtual Markets Integrity Initiative」の設立を発表しました。ニューヨーク州は暗号資産(仮想通貨)ビジネスに対する規制が特に厳しいことで知られており、暗号資産(仮想通貨)関連企業はニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)に認可を受けBitLicenseを発行してもらわなければなりません。2014年に始まった一連のライセンス化の動きは「ビットコインのエクソダス(旧約聖書におけるエジプト人の大出国」と表現されるほど州内の暗号資産(仮想通貨)企業が淘汰され数が大きく減った歴史を持ちます。Eric氏は今回の動きに対し以下のように述べています。暗号資産(仮想通貨)の台頭に伴いニューヨーク州民やその他の投資家は情報を閲覧する権利があり投資に対する責任がある。現状では依然投資家たちは取引所の公平性・整合性・セキュリティを判断するだけの情報を得ることができていない。 Virtual Markets Integrity Initiativeは投資家たちの必要とする暗号資産(仮想通貨)における透明性と責任の所在を明きらかにすることを目指していく。情報開示を求められたのはGDAXGeminibitFlyer USABitfinexBitstamp USAKrakenBittrexPoloniexBinanceTidexGate.ioitBit Trust CompanyHuobi.Pro.です。手紙は①オーナーと運営 ②オペレーションと手数料 ③取引におけるポリシーや流れ ④停電等の取引停止となりうる事態への対応 ⑤内部制御 ⑥プライバシーとマ資金洗浄 の6つの項目に関し34の質問が記載されています。回答期限は5月1日とされておりニューヨーク当局は結果を公表する予定であるとしています。#BREAKING: I am launching an inquiry into


法規制暗号資産(仮想通貨)取引ICOその他
弱い州によって大きく異なる

ロシア

ロシアではプーチン大統領発案でロシア政府の暗号資産(仮想通貨)「Cryptoruble(クリプトルーブル)」の発行が予定されるなど暗号資産(仮想通貨)に友好的な国です。マイニングに関する規制がないことや気温が低く機械の冷却が容易であることからマイニングが制限されている中国からマイナーが流れ込みいまやマイニング大国となりつつあります。暗号資産(仮想通貨)の規制に関しては現在議論の最中です。

2017年7月にはビットコインを布教するウェブサイトが閉鎖されるなど当初は強硬な姿勢も見せていました。また、プーチン大統領は7月1日までに暗号資産(仮想通貨)の法規制を行うことを発表しており暗号資産(仮想通貨)における合法・非合法が明確化する予定です。

 ロシア国家院金融市場委員会の議長Anatoly Aksakov氏は以下のように述べています。

暗号資産(仮想通貨)市場への参入は特定のリスクをはらみ、国が主体となった法規制が不可欠である。

また、モスクワ議会ではICOやクラウドファンディングの法律も思案されており、ICOを全面禁止したいロシア中央銀行と法整備にとどめたい財務省のせめぎ合いが続いてるようです。2018年1月には財務省によりICOの法整備に関する「デジタル資産規制法」も提案されましたがいまだ決定には至っていないようです。

法規制暗号資産(仮想通貨)取引ICOその他
普通政府が暗号資産(仮想通貨)「クリプトルーブル」を発行予定


インド

2017年12月にはインドの金融大臣がビットコインを「出資金詐欺」とよんだり、2018年1月には違法取引の危険性から複数の大銀行がインドの取引所に対し口座の利用を制限するなど厳しい姿勢を見せています。

2月1日には国内で暗号資産(仮想通貨)が全面禁止されるとの誤報によりビットコイン価格が急落することもありましたが、インドの金融相がこれを正式に否定しています。

これらの政府の不穏な動きに対しインドの大手取引所であるBTCXIndiaとETHEXIndiaが自主的にサービスを停止するなど国内も大きく混乱しているようです。

目次「インドで暗号資産(仮想通貨)禁止」のデマニュース発信まとめ「インドで暗号資産(仮想通貨)禁止」のデマニュース発信最初の報道2018年2月1日の16時ごろ、「インドのJaitley財務相が『暗号資産(仮想通貨)の使用を全て違法行為とし、取り締まる』という旨の発言をした」というニュースが報道されました。このマイナス材料が一因となり、ビットコインは100万円を切る大暴落をしてしまいます。インドでは一時ビットコイン価格が1/10まで下落しました。温泉からあがったらBTCヤバいことにインドが震源ということで見たらBTC/インドルピーが一撃で無価値になっとる詳しく見てないけどお偉いさんの発言で無価値になるインドのビットコインの認識ってなんなんだ…? pic.twitter.com/bkO4vXvXCb— 鈴木ずかん.decentralized (@suzukizukan) February 1, 2018 (暗号資産(仮想通貨)市場はデマに反応してしまったと言う旨のニュース)では、その真意はどのようなものだったのでしょうか。先ほどのツイートに掲載されたニュース記事によると、財務相の声明はこのようなものだったそうです。"The government does not recognise cryptocurrency as legal tender or coin and will take all measures to eliminate the use of these cryptoassets in financing illegitimate activities or as part of the payments system."Source:

 

法規制暗号資産(仮想通貨)取引ICOその他
弱い今後規制が強まる可能性大


 イギリス

イギリスでは2016年にEU離脱が決定されて以来法定通貨への不安から暗号資産(仮想通貨)の人気が大きく高まっています。

年金システムにブロックチェーン技術が導入されることが検討されるなど政府もブロックチェーンの有用性に興味はあるものの、2017年9月にFCA(金融行動監視機構)が「暗号資産(仮想通貨)によって予期せぬ落とし穴にはまる可能性がある」との注意勧告をだすなど慎重さを見せていました。

一方で今年3月には暗号資産(仮想通貨)のタスクフォースを設置しアメリカのSECやCFTCにならいながら暗号資産(仮想通貨)がより国内の発展につながるような規制をしていくことを決定するなど最近では寛容な姿勢も見せています。

法規制暗号資産(仮想通貨)取引ICOその他
弱い年金システムにブロックチェーン技術が導入予定


フランス

フランスでは暗号資産(仮想通貨)を規制により制限することで安定化を図る方針をとっています。

2月にはAMF(フランス金融市場庁)が暗号資産(仮想通貨)の先物取引や金融派生商品(オプション取引など)の実施を行う取引所は登録が必要となり、登録のない取引所に対し取り締まりを行うことを

発表しています。

また3月にはフランスの財務大臣が「暗号資産(仮想通貨)の革命を阻害しない範囲で」暗号資産(仮想通貨)の規制を行うチームを構成することを発表しています。

法規制暗号資産(仮想通貨)取引ICOその他
普通先物取引やオプション取引に制限あり


その他のヨーロッパ諸国に関してはこちらをご覧ください。

目次EU諸国が暗号資産(仮想通貨)取引所の規制に合意ヨーロッパの暗号資産(仮想通貨)事情金融犯罪と脱税を防止する規制コインパートナーの見解 EU諸国が暗号資産(仮想通貨)取引所の規制に合意 2017年12月15日に欧州連合(EU)がマネーロンダリングとテロリストへの資金流入を防ぐためビットコインやその他の暗号資産(仮想通貨)取引所の規制を行うことを決定しました。EUでは2016年ごろから暗号資産(仮想通貨)の匿名性が問題視されてましたが、一部の国の賛同が得られず一年越しの合意となりました。施行は一年半を目安とされています。 この記事ではヨーロッパでの暗号資産(仮想通貨)の現状と、規制の内容・予想される影響について解説していきます! ヨーロッパの暗号資産(仮想通貨)事情 日常に暗号資産(仮想通貨)が普及 ヨーロッパでは北欧を中心に現金支払いを受け付けていない店が存在するほど電子決済が以前から浸透しています。(スウェーデンでは国が子供にデビットカードを発行し元金使用率5%。また硬貨の種類が多く財布が重いためという説もあります。)その流れからヨーロッパでは暗号資産(仮想通貨)がとても受け入れやすいものであったうえ、2013年のキプロス問題や2015年のギリシャの経済破たんを経て暗号資産(仮想通貨)に資産を避難する機運が高まっています。VISA対応の暗号資産(仮想通貨)デビットカードを現状で使える唯一の地域がヨーロッパです。 暗号資産(仮想通貨)最先進国オーストリア オーストリアは暗号資産(仮想通貨)が最も生活に浸透していることで有名です。2016年から所得税としてビットコインへの課税を始めたほか、首都のウィーンでは世界で初めて暗号資産(仮想通貨)の銀行が誕生し、2017年7月から1800以上の郵便局でビットコインやイーサリアム・ライトコイン・DASHなどの暗号資産(仮想通貨)が販売されています。 金融大国スイス

 

規制が厳しい国の特徴 

暗号資産(仮想通貨)を禁止している国の大半はカタールやアフガニスタンといった政府を主体としたイスラム教の国々です。イスラム教においてビットコインが「ハラール(許されるもの)」か「ハラーム(禁止のもの)」なのかは議論の最中であり、これらの国ではイスラム教において禁止されうるものを使用するわけにはいかないという宗教的な理由で禁止されています。

エクアドルでは自国で発行する暗号資産(仮想通貨)の普及をすすめるためビットコインの使用を禁止するなど、その他の国々も暗号資産(仮想通貨)の禁止に政治的な思惑があるようです。

暗号資産(仮想通貨)を全面的に禁止している国々は世界に11カ国存在しますが、禁止政策が実際に効力を持つかはまた別の問題のようです。暗号資産(仮想通貨)を実質的に禁止することはほぼ不可能であり、

バングラディシュでは警察が主体となってビットコインユーザーの逮捕を行っているものの、暗号資産(仮想通貨)を禁止するその他の国々では名目上の禁止により普及を抑制するだけに止まっています。暗号資産(仮想通貨)が禁止されているはずのモロッコやベトナムで以前取引が行われていることが暗号資産(仮想通貨)の法規制が効力を持たないことを表しています。

モロッコの通貨ディルハムによる週間BTC取引量


仮想通貨規制は国の発展を妨げる

宗教的な要因などもあることにはありますが、結局のところ暗号資産(仮想通貨)の禁止を行う国々は共通して「中央銀行が自国通貨に対する競合を認めたくない」のが禁止の最大の理由です。暗号資産(仮想通貨)が誕生するまでは各国のオフライン・オンラインの決済手段は中央銀行が発行する法廷通貨が独占的に支配しておりその状況を壊したくないのです。

暗号資産(仮想通貨)を禁止しているマケドニアの国立銀行総裁のDimitar Bogov氏は以下のように述べています。

国際的な決済はすべて決済を執行する機関、すなわち銀行を通して行われます。そのため銀行を介さないビットコインやその使用はマケドニアでは違法なのです。

しかし、暗号資産(仮想通貨)の禁止は多くの場合意味のないものであり、インターネットと同様にビットコインの完全な禁止は不可能です。いまやビットコインはガラケーを用いても購入できる上、DEXの開発などにより完全に規制を逃れることができます。技術革新はつねに国の規制をかいくぐり行われ、資本規制は海外への資本逃避をうみだし国が孤立する結果となるのみです。

1980~1990年代にインターネットを最初に受け入れた国々はいまやApple、Microsoft、Cisco、Skypeなど様々な企業の拠点となっており大きな富を生んでいます。一方でインターネットを規制した国々はいまだに遅れをとることとなっており、暗号資産(仮想通貨)の禁止がいかに無益かを表すいい例なのかもしれません。

暗号資産(仮想通貨)を禁止しているアフガニスタンやバングラディシュは世界の最貧国の一つであり、自ら苦しい道を歩んでいるように思えます。スイスやシンガポールや日本など裕福な国が暗号資産(仮想通貨)を全面禁止することなくフィンテックや暗号資産(仮想通貨)を歓迎し「暗号資産(仮想通貨)大国」になることを競い合っているのは、企業の誘致がいかに富を産むのかを理解しているからでしょう。ビットコイン関連のビジネスは革命であり、資金の流入、ひいては税収・仕事の増大、国全体の幸福につながるといえるでしょう。

まとめ

以上、各国の暗号資産(仮想通貨)の規制状況をまとめてきました。

本来暗号資産(仮想通貨)の規制は暗号資産(仮想通貨)の正当性を高める要因ですが、暗号資産(仮想通貨)が単なる投機対象と見られている現状では不安から価格を下げる要因となりがちです。

今後も暗号資産(仮想通貨)の規制には注意が必要です。


参考:

Bloomberg|Bitcoin Rises as South Korea Talks ‘Active' Support for Trading

Cointelegraph|US: Cryptocurrency Trading Platforms Must Be Registered With SEC

CoinTelegraph|Russia: Vladimir Putin Signals Obligatory Cryptocurrency Regulation Will Begin ‘July 1'

CoinTelegraph|India: Two Crypto Exchanges Halt Trading, Blame ‘Discouraging' Government Stance

CCN|France Cracks Down on Unregulated Cryptocurrency Futures Trading

Coin Dance

Coinist|11 COUNTRIES WHERE BITCOIN IS STILL ILLEGAL