13日の参院財政金融委員会で日銀の黒田総裁がステーブルコインについて言及し、決済手段としての利用に肯定的な姿勢を示した。

総裁は今後の課題として、法的確実性、健全なガバナンス、オペレーションの頑健性、サイバー耐性などを挙げている。

「ステーブルコインは多くの人が利用する便利な決済手段になり得る」

日本銀行の黒田総裁が、ステーブルコインについて「多くの人が利用する便利な決済手段になり得る」と語った。

13日の参院財政金融委員会で、日本維新の会参議院議員である音喜多駿議員が以下のように黒田総裁に質問を投げかけた。

ステーブルコインの発行量が急増し、取引量も増加しています。海外ではデジタル通貨としてのステーブルコインは存在感を深めています。世界的に通貨のデジタル化が進んでいます。非常にプラス面は大きいと考えますが、日本銀行ではステーブルコインについていかがお考えでしょうか。(一部略)

この質問に対して黒田総裁は、「一定の課題があるもののステーブルコインは便利な決済手段になり得る」という考えを示している。

ステーブルコインについては、法的確実性、健全なガバナンス、オペレーションの頑健性やサイバー耐性などがしっかり確保されれば、多くの人が利用する便利な決済手段になり得ます。一方でマネーロンダリング、データプライバシー、消費者や投資家の保護など、様々な課題があります。

こうした課題の元で、日本円連動型ステーブルコインは、あしもと、発行する動きもみられますが、極めて限定的な発行額にとどまっています。海外では、財・サービスの決済手段として、広く利用されるにはまだ至っていません。ステーブルコインについては2019年のG7で議論したことを踏まえ、さきほど申し上げた課題をきっちり克服して、法的確実性、健全なガバナンス、オペレーションの頑健性やサイバー耐性などがしっかり確保されれば、多くの人が利用する便利な決済手段になり得ると考えております。

また続けて「暗号資産が今後決済手段としての存在感が大きくなるのは間違いない。日本は暗号資産の領域において遅れを取っている。遅れをとってしまったのはわずか数年。2017年の暗号資産取引量は世界1位。現在取引量は激減しビットコイン保有率は0.69%まで落ちている。市場シェアも完全に海外に流出してしまった。規制(保護)も大切だが、民間デジタルマネーを後押しする取り組みが必要なのではないか。決済システムの効率性を高める取り組みを進めるべきでは?(一部略)」という音喜多駿議員からの問いに対しては以下のように回答している。

暗号資産とステーブルコインはかなり異なっており、暗号資産は背景となる資産がないことから非常に投機的な取引が行われています。ステーブルコインは背後に資産があり、しっかりしたシステムができて課題が克服されれば有効な決済手段となり得ると各国中央銀行も考えています。民間デジタルマネーの利便性を高めるためには決済システムの効率化を図る取り組みを推進することが必要だと思います。(一部略)

黒田総裁の回答に対して、音喜多駿議員は「民間事業者と意見交換して世界の潮流に取り残されないように、日本が再び世界のトップに立てるようにぜひ日銀としても後押していただきたい。」と締めている。

ステーブルコインについて明確な姿勢を示し、また今後の課題も挙げた黒田総裁。デジタル通貨普及の一歩として、国内におけるステーブルコイン回りの動向に気を配っていきたい。

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この記事は、You Tubeの「【仮想通貨クラスタに朗報】日銀総裁「ステーブルコインは便利な決済手段になり得る」2021/05/13 財政金融委員会 音喜多駿」を参考にして作成されています。