ビットコインのハッシュレートが大きく回復 マイニング難度も向上

ビットコインのハッシュレートが一ヶ月前から+14%も上昇している。(blockchain.infoより

これは、一時的に離れていたビットコインのマイナーがマイニングを再開したということを意味している。

ハッシュレートは昨年10月から12月までの2ヶ月のうちに、なんと-42%近く下落していた。

これは、ビットコイン価格の急激な下落によりマイニング費用に見合わなくなったことが原因だ。

12月には、大手インターネット関連会社GMO(自社公式HP)とDMM(東洋オンライン2018/12/30)がともにマイニング事業から撤退したことが話題となった。

マイナーが急激に減少することで、マイニング難易度の調整が追いつかず、ブロック承認の遅延が発生。そしてブロック承認の遅延は悪ファンダとなって、更に価格は低下する。

今回のハッシュレート向上とそれに付随するマイニング難度の上昇は、ビットコインがこうした負のスパイラルから外れたことを明らかにした。

これは、12月半ばにビットコインの底値が固まったと判断されたことが原因として挙げられる。

そして、このハッシュレートの一時的な下落と回復は、良い影響ももたらしている。

例えば、マイニングプールの淘汰によるマイナーの分散化だ。

かつてビットコインは、そのブロック承認の多くが大手マイニングプールの手によるものだった。

その状況は不健康だと非難され続けていたが、今回の一件によりその多くが淘汰され、どこにも属さないマイナーの手によるブロック承認の割合が増加し、ビットコインの分散性が向上したのだ。

この件については以下のニュースで詳しく取り上げている。

ビットコインのマイニングに占める、どこの組織にも属さないマイナーの役割が向上している。その裏にはビットコインの暴落により、大手マイニングプールがコストに見合ったリターンを得られず苦戦を強いられている現状があった。

ハッシュレートとは

ハッシュレートとは、マイニング作業の際の計算が1秒間に何回行われているかを表す数字。

例えば、現在のハッシュレート37,146,821TH(テラハッシュ)/sは、毎秒約3700京回計算が行われていることになる。

マイナー同士の競争率が高ければ高いほど、この数値は高くなる。

ハッシュレートについての更に詳しい解説はこちらの記事でも取り上げている。

ハッシュレートは暗号資産(仮想通貨)においてマイニングで使われる指標の一つです。また、ハッシュレートの見方を押さえておけば、投資をする際の指標としても重要な役割を果たしてくれます。一つ上の投資を目指す方は必見です!!

また、ハッシュレートが上昇すると、ビットコインのマイニング難度も上昇する。

マイニング難度とは

ビットコインは、どれだけハッシュレートが高くなっても、1ブロックあたりの承認にかかる時間が一定時間(10分)になるように調整されている。

マイナーたちはブロックごとに特定の数字を見つける計算を行うが、その数字をより見つかりづらく、あるいは見つかりやすくして調整する。

この難易度は2016ブロックごとに、その時のハッシュレートなどに応じて変化する。

ただし、ハッシュレートがあまりにも急激に変化すると、適切な難易度調整が行えず、ブロック承認にかかる時間がかえって長くなったりしてしまう。

そのため、ハッシュレートとマイニング難度の推移は、マイニングが健全に行われているかを表す一種の指標としてみられることが多い。