ビットコイン(BTC)は9月14日19時30分時点で7万7984ドルと、24時間で1.5%上昇しています。円建てでは1206万円と2.2%高です。11日に7万6047ドルまで下落したあとの戻り局面にあります。
今週は16日未明の米上院におけるクラリティ法案を巡る採決、17日未明のFOMC、18日の日銀金融政策決定会合と重要イベントが続きます。クラリティ法案は規制見通し、FOMCは米金利とドル、日銀は円相場とキャリー取引を通じてBTCに影響します。
利上げ観測は相場に織り込まれつつあるため、結果だけでなく、ETF需給や先物ポジションを含めて市場がどう反応するかが焦点です。
今週の日程|FOMCの前日にクラリティ法案の採決
| 日時(日本時間) | イベント | BTCへの主な経路 | |
|---|---|---|---|
| 9月15日(火) | 米上院・クラリティ法案の討論終結動議採決 | 規制不透明感、現物需要 | 米国 |
| 9月16日(水)21:30 | 米8月小売売上高 | FOMC直前の金利観測 | 米国 |
| 9月17日(木)03:00 | FOMC政策金利発表・経済見通し(SEP) | 米2年債、ドル指数 | 米国 |
| 9月17日(木)03:30 | ウォーシュFRB議長 記者会見 | 追加利上げの示唆 | 米国 |
| 9月18日(金)08:30 | 日本8月全国消費者物価指数(CPI) | 円、日銀の政策見通し | 日本 |
| 9月18日(金)会合終了後 | 日銀金融政策決定会合 結果発表 | ドル円、円キャリー取引 | 日本 |
16日未明の米上院の採決は、法案の最終可決ではなく、審議入りに必要な手続き上の投票です。可決には60票が必要です。上院共和党は11日に修正版を公表し、DeFiの規制範囲を見直しました。
可決なら制度整備の進展が意識される一方、否決なら上院審議の停滞が警戒されます。
FOMCでは、政策金利の見通しを示すドットチャートも公表されます。18日は日本の全国CPIと日銀の結果発表が重なるため、朝と午後で円が異なる材料に反応します。
現物ETFの流出は2銘柄に偏っていた

現物BTC ETFフロー
先週の米現物BTC ETFは4営業日すべてで純流出となり、合計4億6270万ドルが流出しました。最大は10日の2億8270万ドルです。7日はレイバーデーで休場だったため、その週の全取引日で純流出となりました。
銘柄別では、ARKBから2億3420万ドル、GBTCから1億2910万ドルが流出し、この2銘柄だけで全体の8割近くを占めます。最大手のIBITは5250万ドルの流出にとどまりました。
一方、直近30日では31億7900万ドルの純流入です。機関投資家がBTCから一斉に撤退したとはいえませんが、先週は現物需要が弱まりました。この動きが続くかはFOMC後のETFフローで確認する必要があります。
イーサリアムのETFには資金が入った

BTCとETHの現物ETFフロー比較
米現物BTC ETFが流出超となる一方、米現物イーサリアム(ETH)ETFには同じ4営業日で1億9690万ドルが流入しました。特に11日は、BTC ETFから1320万ドルが流出する一方、ETH ETFには2億1640万ドルが流入しています。
先週のETF市場では、暗号資産全体から一律に資金が流出したのではなく、BTCとETHでETF需要に差が出ました。
売買は先物に偏っている

BTC清算ヒートマップ
14日時点のBTC先物の24時間出来高は417億ドルで、現物の28億ドルを大きく上回ります。先物の建玉も528億ドルまで積み上がっています。
重要イベントをきっかけに価格と建玉が同時に減少すれば、ロング清算が下落を増幅したサインです。反対に、現物出来高を伴わず建玉だけが増える上昇は、買いが一巡したあとの反落に注意が必要です。買い持ちの偏りは14日朝の市況でも確認できます。
取引所の残高は減っていない

取引所BTCネットフロー(1日・7日・30日)
取引所のBTCネットフローは、直近7日平均で449BTCの流入超、30日平均では939BTCの流出超です。1カ月では流出基調が続く一方、直近1週間は小幅な流入へ転じています。
また、取引所が保有するBTCは5月から9月にかけて約4万5000BTC増加しています。少なくとも、取引所残高の減少による供給不足とは言いにくい状況です。現物需給を判断する際は、取引所残高よりETFフローと現物出来高を優先したい局面です。
円安のまま日銀の利上げを迎える

ドル円 日足チャート
日銀は17日から18日に会合を開き、政策金利を現行の1.00%から1.25%へ引き上げるとの見方が優勢です。実現すれば1995年以来31年ぶりの水準で、6月会合から3カ月での追加利上げになります。
一方、利上げ観測が強まるなかでも円安が進んでいます。14日のドル円は154円61銭と、前日の153円43銭から1円18銭の円安でした。
日銀が追加利上げに前向きな姿勢を示し、円が短時間で買い戻されると、円キャリー取引の巻き戻しを通じてリスク資産にも売りが広がる可能性があります。
円高が進めば、BTC/USDが横ばいでもBTC/JPYは下落します。円建て価格の下落が世界的なBTC売りによるものか、為替によるものかを分けて確認する必要があります。
FOMCは利上げ幅より、そのあとの回数
現在の米政策金利は3.50〜3.75%で、25bpの利上げが実施されれば3.75〜4.00%になります。ただし、利上げ自体が織り込まれていれば、それだけではBTCの方向は決まりません。
2026年のFOMCは金利を据え置いてきましたが、7月会合では9対3で3人が利上げを主張しました。今回の焦点は、ドットチャートが示す追加利上げの回数と、ウォーシュ議長の説明が市場予想よりタカ派的かどうかです。
BTCと合わせて確認したいのは米2年債利回りとドル指数です。両方が上昇してBTCが7万6000ドルを割り込むなら、引き締めの長期化を織り込む売りが強まったと判断しやすくなります。11日はPPIの上振れで米金利が節目を更新した局面でBTCが下落しており、同じ経路をたどるかが確認点です。
一方、利上げ後も米金利とドルが上昇しなければ、BTCへの下押しは限られる可能性があります。7月のFOMCではタカ派的な据え置きでも、BTCは米国株の下落と異なる動きを見せました。
チャート上の攻防ラインについては、今週の相場分析で詳しく取り上げています。
まとめ
ビットコインは11日の7万6047ドルから7万7984ドルまで反発しています。ただし、米現物BTC ETFは4営業日連続で流出し、先物建玉も増加しています。取引所のBTCネットフローも直近1週間は流入超に転じており、重要イベントを前に現物買いより先物のポジションに左右されやすい状態です。
今週は16日未明のクラリティ法案を巡る採決、17日未明のFOMC、18日の日銀会合が続きます。クラリティ法案を巡る採決の通過は規制整備への期待につながり、FOMCは米金利とドル、日銀はドル円と円キャリー取引を通じてBTCを動かします。
FOMC後に米金利とドルが上昇し、BTCが7万6000ドルを割り込めば、清算を伴って下落が加速する可能性があります。反対に7万6000ドルを維持し、ETF流入と現物出来高が回復すれば、7万8000ドル台への定着が焦点になります。
日銀会合後はBTC/USDとBTC/JPYを分けて確認する必要があります。発表直後の価格だけでなく、米2年債利回り、ドル指数、ドル円、先物建玉、ETFフローがどう動いたかが、次の値動きを判断する材料になります。
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