記事の概要

  • インド暗号資産(仮想通貨)取引所Unicoinは国内3都市に計30台の暗号資産(仮想通貨)取引所の設置を発表。
  • バンガロールなど一部の都市では実際に導入されており、ユーザーは取引所への現金の入出金を行うことができるようになっている。
  • このようなサービスローンチの背景としてはRBIの仮取引所規制が背景にあり、Unicoin側の対抗策であると考えられる。

 

インド国内に30台の仮想通貨ATMを設置

インドの暗号資産(仮想通貨)大手取引所であるUnocoinは10月7日暗号資産(仮想通貨)ATMを公式にローンチすることを発表し、翌日の8日にバンガロールに設置しました。同取引所CEOであるSathvik Vishwanath氏暗号資産(仮想通貨)ニュースサイトBitcoinnews.comに対し、今後の予定としてはインド国内の3都市に30台の暗号資産(仮想通貨)ATMを設置する予定であることを明かしています。暗号資産(仮想通貨)ATMの設置により、ユーザーは従来よりも簡単に現金の入出金ができるようになることが期待されています。

Unocoin CEOであるSathvik Vishwanath氏は暗号資産(仮想通貨)ニュースサイトBitcoin.comに対して以下のように述べています。


国内初の暗号資産(仮想通貨)ATMは明日(注.10月8日)バンガロールで稼働します。初期段階として30台を設置する予定しています。バンガロールに続いてムンバイとニューデリに次週設置することになっています。

Unicoin及びUnodaxのユーザーは暗号資産(仮想通貨)ATMにてルピーの入出金ができるようになり、1000ルピーから取引ができるようになるようです。Vishwanath氏は「Unocoin及びUnodaxで取り扱っている通貨はATM内の預金で購入することができ、現在は約30種類の通貨に対応している。」と述べています。

インド準備銀行の政策が背景に

このようなサービスが始まった背景としては、インドの中央銀行であるインド準備銀行(RBI)は今年4月に金融機関が暗号資産(仮想通貨)関連企業にサービスの提供を行うことを禁止する措置をとったことがことの始まりとされています。この禁止令は今年7月に施行され、インド国内全ての取引所はルピーの入出金サービスの停止を義務付けられたこともあり、Unocoinも例外なく法定通貨関連のサービスを停止することを7月13日に発表しました。それ以降、同取引所が新たな現金の入出金方法を追求した結果、暗号資産(仮想通貨)ATMの設置に至ったという背景があります。

Vishwanath氏はBitcoin.comに対して以下のように述べています。

暗号資産(仮想通貨)ATMは銀行とのパートナーシップを一切必要としておらず、現金の入出金のみに対応したスタンドアローンの機械になっており、移動コストも従来のATMを利用する場合とほとんど変わらず、アクセシビリティは飛躍的に向上しています。

入出金方法は非常に簡易

​また、UnocoinはATM設置の発表に伴い、ATMの使い方に関しても言及しました。

ルピーを入金するには「ユーザーIDとSMS認証」の二つが必要であり、アカウントの認証が完了すれば取引が行えるようです。そして、入金したルピーはUnocoinとUnodaxの両取引所で使用できるようになります。

一方で出金する際には「取引所アプリに引き出したい額を入力することで取引所から送られてくる12桁の取引番号とOTPをATMに打ち込む」ことで操作が完了するようです。

日本でも現金化が簡単・24時間対応といった利便性の高さから注目を浴びている暗号資産(仮想通貨)ATMですが、高めの手数料や設置台数の少なさから未だ広くは普及していない印象があります。一方のインドでは現段階でのRBI措置の厳しさを考えるとATMが今後インド市場での取引高に影響を及ぼすのではないかと考えられます。銀行を仲介しない業務なので現行の規制には引っかかっていませんが、暗号資産(仮想通貨)業界全体に対して威圧的な姿勢を見せるRBIが新たな規制を実施する可能性も少なくないでしょう。