​ビットコインのハードフォークとは 

​ビットコインのハードフォークとは、ビットコインに何か問題が発生したとき、解決策として導入されるアップデートの一種です。

このアップデートが行われると、アップデート前のビットコインのブロックチェーンから、それと異なるブロックチェーンが派生し、新たなコインが誕生するため、市場に大きな影響を与えます。新たなコインは、自分の使っているウォレットが新コインにも対応する場合に限り、ハードフォーク前に持っていた分裂前のコインと同じ量だけ無償でもらうことができます。

ビットコインにハードフォークが起きる理由

ビットコインのスケーラビリティ問題

ビットコインは、ユーザー数の増加によってスケーラビリティが下がるという問題が生じます。

具体的に言うと、一定時間のうちにビットコインの送金利用者があまりにも多くなりすぎて、送金がめちゃくちゃ滞るという状況が生じてしまうのです。

これをどうやって打破するか、という意見の相違によってハードフォークが起きることがあります。

スケーラビリティ問題に関するコインオタクの記事は以下になります。

ビットコインの値動きにも大きく影響し、ビットコインの分裂騒動にも大きく関係しているスケーラビリティ問題ですが、実際に何がそんなに騒がれるのか、わかっていない方も多いのではないでしょうか。詳しく知らない方でもわかりやすいように解説します!

 Segwitかビッグブロックか

そもそもビットコインの送金というのは、送金希望者の取引記録を含んだブロックがマイニングによって承認されることによって成立します。ところが、ビットコインでは1ブロックの容量が1MBしかないため、全ての取引情報を収容しきれなくなり、別のブロックが承認されるまで溢れた取引が遅延してしまう、という状況が起こりました。この問題を解決するため、二つの案が有力視されていました。

一つは、Segwitといって、取引情報一つあたりの容量を減らすことで1つのブロックに入る取引の量を増やしちゃおうというものです。

もう一つはビッグブロックといって、もういっそ1ブロックあたりの容量を8MBに増やしちゃおうというものです。

前者はビットコイン・コアの開発者たちとユーザーの支持を得て、後者はマイナーの支持を得ました。

詳しくはのちほど「日程と詳細」の項で解説しますが、本家ビットコインでは「8月にSegwitを行った後、11月ごろ1ブロックの容量を2MBにする」という折衷案が採用され、​これが引き金になってになって、Segwit反対派の手によって8月にハードフォークが起き、また、容量を2MBにするため11月にハードフォークが予定されました。

Segwitに関するコインオタクの記事は以下になります。​

ビットコインを語る上で外せないsegwit。技術的な話でよくわからない、色々な専門用語が出てきてよくわからない、そんなことを思っているあなた!コインオタクがsegwitを砕いてわかりやすく説明します!知っておくべき用語の1つなので必見!!

 ビットコインのマイニング難度改善

​スケーラビリティに関する議論の一方で、「マイニングの不健全さ」を問題視する声も上がりました。

彼らの主張は、「ビットコインのマイニングは高度な機材を持ったグループの専売特許になっている。こうしたマイニングの寡占は新規マイナーの参入を妨げている。そこで、高性能なマシンに頼らずともマイニングを可能にすることによってマイナーの数を増やし、マイニングを活発化させよう」というもので、これに賛同者があつまったことで10月にハードフォークが行われました。

ビットコインのハードフォーク日程と詳細

2017年8月1日のハードフォークとビットコインキャッシュ誕生

さて、ハードフォークが起きる理由の項で、ビッグブロック案かSegwit案かで対立が生じ、結果的に折衷案派がSegwitを行い、ビッグブロック派がハードフォークを行った、と説明しました。このときのハードフォークで誕生した新たなコインがビットコインキャッシュ(BCH)です。これは、1ブロックの容量が8MBで、ビットコインよりもセキュリティが高いと言う特徴があります。

誕生後、本家BTCとBCHはこのように価格が推移していきました。

​(BTC/JPYの2017年7月から10月現在まで)

​(BCH/JPYの誕生から2017年10月現在まで)

本家のSegwit導入もBCHのハードフォークも成功し、取引所やウォレットも多くがBCHに対応したため、分裂後しばらくして共に価値が上昇しました。

ビットコインキャッシュに関するコインオタクの記事は以下になります。​ 

2017年8月にビットコインはビットコインキャッシュと呼ばれる通貨と分裂しました。突然生まれたビットコインキャッシュですが、一体何のために作られて、どんな価値があるのでしょうか?また今後のビットコインキャッシュはどうなっていくのでしょうか?

 2017年10月24日のハードフォークとビットコインゴールド誕生

これは、Twitterを中心に、「マイニング難易度を下げて、マイニングを健全化しよう!」という提案への賛同者達が集まり、これによってなされたハードフォークで、香港のマイニング企業が主導して行いました。

こちらのビットコインゴールド(以下BTG)は、新しく誕生はしたものの、ビットコイン出来高世界一位のBitfinexやBithumbのような大手取引所が対応に消極的である点、また、開発者やマイナーの量や数が不明瞭である点など、将来性にやや不安があります。もしハードフォークしたにもかかわらず十分なマイナーが集まらなかった場合には、取引に莫大な時間を要する可能性があります。

また、流通前に行われるプレマイニングによって、大量にBTGを保有する人が出現する可能性があり、それはそれで不健全じゃないか!という意見も多いです。

ビットコインゴールドに関するコインオタクの記事は以下になります。​

ビットコインからビットコインキャッシュが分裂するなど開発者とマイナーによるビットコインの分裂騒動が起きている中、突如分裂したビットコインゴールドですが、分裂騒動との関係や、将来性はどうなんでしょうか?配布時期や仕組み、将来性を解説しました!

 2017年11月19日のハードフォークとsegwit2xコイン誕生

8月のSegwit導入のソフトフォークは、その後11月に1ブロックあたりの容量を2MBに倍増する(Segwit2x)というところまでがセットでした。そして、そのブロック容量拡大にはハードフォークをする必要があります。そして、これによって新通貨B2Xが生まれる予定です。

しかしながら、このSegwit2xはユーザーや開発者の支持をほとんど得られておらず、「別に必要ないんじゃないの?」とか、「それだけの技術力がSegwit2x開発陣にはないだろ!」と言う指摘の声が多く、コミュニティはかなり荒れています。

特にこのSegwit2xのハードフォークでは、リプレイ攻撃と言うクラッキングに対しての脆弱性が問題視されています。

このような問題があるため、11月のハードフォークは非常にリスクが高いと考えられます​。

しかしながら、ビットコイン出来高世界一位のBitfinexはこのハードフォークに反対しながらも、B2Xの先物取引を行っており、注目と期待がまあまあ集まっているのが現状です。

 Segwit2xに関するコインオタクの記事は以下になります。​

どうなってるのsegwit2x!?11月に予定されていた無期限延期。今後のビットコインやビットコインキャッシュはどうなるのか。segwit2xの価格への影響も含めて一連の騒ぎを解説します!ビットコインの今後を予想したい方は必見です。

 

ビットコインのハードフォーク対策法 

コミュニティの動きに注視

ハードフォークの前後には、ハードフォーク後に新たに誕生するコインの価値決定や、ハードフォークによって元のコインに発生する問題のリスクなど、さまざまな情報が錯綜するため、相場がかなり不安定になる可能性があります。また、ビットコインのハードフォークにおいては、アルトコインも影響を受けて相場が不安定になる可能性があるので、仮想通貨市場全体の予測が難しい状態になるかもしれません。ですから、大手取引所の新コインへのスタンスに関する声明や、開発者のコミュニティなどを注視し、信頼できる最新の情報を集める必要があります。

法定通貨に替えておく

最新情報を収集しても全く相場が読めない場合もあると思います。そういった場合には、法定通貨に替えてしまうことも選択肢の一つです。ハードフォークによってリプレイ攻撃への脆弱性などの問題が発生した場合、ビットコインが暴落する可能性があり、価値の変動が仮想通貨よりもずっと少ない法定通貨に替えておいたほうがリスクを軽減できます。


ビットコインのハードフォークに関するQ&A

​ソフトフォークってなに?ハードフォークとどう違うの?

ソフトフォークはブロックチェーンを分離させないアップデート方法です。

ハードフォークは、アップデートの施された状態の新たなコインを元のコインのブロックチェーン上から分岐させる一方で、ソフトフォークではアップデート前と同じブロックチェーンのまま、新たな仕様に対応します。

11月のハードフォークは回避できる?しない可能性は?

11月に予定されている、ブロック容量拡大のハードフォークは、主にマイナーによって支持されています。しかしながら、現在マイナー達の間でもハードフォークの是非について、意見が少し割れているため、実行されない可能性もあります。

今後新たにビットコインでハードフォークが起こる可能性はある?

今後仮想通貨ユーザーの数は更に増えるでしょうから、そうするとスケーラビリティの問題が再度深刻化する可能性は普通にあります。

なので、今後もハードフォークが起きることは全然ありえます。


ビットコインのハードフォークまとめ 

​ビットコインのコミュニティは、長いあいだスケーラビリティの議論で荒れていました。そして、その問題への対策手段について意見が大きく割れるたび、ハードフォーク発生の危険が生じます。仮想通貨のユーザーが増えたとはいえ、まだまだ仮想通貨には拡大の余地があります。なので、今後もスケーラビリティの悪化によって、このようなハードフォークが起きるかもしれません。