機関投資家向けビットコイン先物市場を運営するCMEがオプション取引を開始すると発表した。
オプション市場が整備されることにより、機関投資家がビットコイン市場に参入しやすくなると見られる。
機関投資家向けのビットコインオプションが2020年第一四半期に開始
金融機関やヘッジファンドなどの機関投資家がビットコイン先物を取引できるシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)がビットコインのオプション取引を2020年の第一四半期に開始すると発表した。
ビットコイン価格の急激な変動をヘッジすることができるようになることから、機関投資家の参入が加速すると見られる。
オプション取引とは、ある日時において対象商品(原資産)をある価格で買う権利、もしくは売る権利を売買するもの。
株式や為替の世界では広く使われており、価格の決定に大きな影響力を持っている。
オプションの使い方
ここではプット・オプションの例を上げたい。
プット・オプションは暴落に備えた保険のように使われることも多い。
例えば、将来の値上がりを期待してビットコインを1枚100万円で買ったとする。
しかし、予想に反して1年後、ビットコインは50万円になってしまった。
損失額は50万円になるはずだ。
ところが、自らの予想に懐疑的だった慎重派の投資家は、このような事態に備えて1年後にビットコインを90万円で売る権利(プット・オプション)を5万円で買っていた。
これでビットコインがどんなに暴落して必ず90万円で売ることができる。
すると、損失は絶対に15万円までしか膨らまない(購入額100万円-売却額90万円+オプション代5万円)。
顧客の大事な資産を預かる機関投資家にとって、損失を限定できるオプション取引はなくてはならない存在だ。
一方で予想通りに価格が上昇した場合、利益は無限大に得ることができるというのがオプション取引のうまみだ。
| 持ち分の損失 | オプションの購入額 | 合計損失 | |
| 一般の投資家 | -50万円 | 0円 | -50万円 |
| プット・オプションを 買った投資家 |
-10万円 | -5万円 | -15万円 |
オプション取引の現状
現在、ビットコインのオプション市場はオランダの暗号資産(仮想通貨)取引所Deribitがほぼ独占している。
Deribitは個人投資家向けプラットフォームのため、機関投資家向けの大規模なオプション取引市場はまだなかった。
機関投資家は顧客の大事な資産を守る義務があるため、オプションが取引できなければ、その原資産は取引しないというケースも多いだろう。
CMEのオプション取引開始は機関投資家の参入を促す重要な一手となる公算が高い。
CMEのライバルとなるBakkt社が2019年12月9日からオプション市場を開設すると発表しているが、Bakktの取引高はまだCMEの数十分の1しかないため、価格の決定に与える影響力は小さいと考えられる。
CMEのオプション取引動向は個人投資家にとっても重要な相場判断材料となるだろう。
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