米国の30年金利が8月17日に5.31%へ上昇し、2007年6月以来およそ19年ぶりの高水準をつけました。長期金利上昇は一般にリスク資産の逆風です。ビットコイン(BTC)も17日夜に6万3246ドルまで売られました。ただ下げは続かず、18日未明には6万4516ドルまで戻しています。18日17時時点でも6万4000ドル台を保っています。

米国の30年金利の推移(2005年〜2026年8月)
上昇しているのは米国だけではありません。日本では30年金利が4.050%と、財務省が公表を始めた1999年9月以降で最も高く、10年金利も2.919%と約30年ぶりの高さです。ドイツでも10年金利が3.26%と、2011年5月以来の水準に上がっています。
BTCが下げ切らなかった理由は、金利上昇の中身にあります。この1週間、8月10日から17日にかけて、米国の2年金利は0.06%下がった一方、30年金利は0.06%上がりました。2年と30年の差は1.00%から1.12%へ広がっています。財政とインフレへの警戒が年限の長い側に上乗せされる一方、短い年限は米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げ観測が後退したことで下がりました。BTCの下値を支えているのは、この短期側の変化です。

米30年金利が5.31%に上昇した17日の取引時間帯とビットコイン価格
長期金利上昇そのものがBTCの下落に直結しないことは、過去にも確認できます。米国の10年金利が4.98%、30年金利が5.11%まで上げた2023年10月、政策金利は5.25〜5.50%に据え置かれ、短期金利は動いていませんでした。それでもBTCは2万8000ドル台から3万5000ドル台へ2割以上上昇しています。「金利が上がればBTCは下がる」という単純な図式は、少なくともこの局面では成立していません。

日本の30年金利の推移(1999年〜2026年8月)
もっとも、今回には過去にない要素があります。BTCが経験していないのは、年限の長い金利がこの水準に居座る状態です。米国の30年金利はBTC誕生以降、2026年7月31日の5.27%が最高で、2023年10月の5.11%もこれを下回っていました。17日の5.31%はその最高値を上回っています。日本の30年金利も、BTCが誕生した2009年1月には1.886%でした。長期の資金コストが高止まりしたまま推移する局面を、BTCはまだ通過していません。
当面の焦点は、年限の長い金利がさらに上がるかどうかです。水準を決めるのは国債の入札で、買い手が細れば金利は一段と上がります。直近では8月12日の10年債入札が応札倍率2.53倍と、過去1年の平均2.49倍をわずかに上回り、需要が崩れた形跡はありません。ただし今上がっているのは20年と30年で、10年の結果がそのまま当てはまるとは限りません。試されるのは8月19日の米20年債入札と、9月10日に予定される30年債の入札です。日本側では9月17〜18日の日銀金融政策決定会合が分岐点になります。
ビットコイン、6万4000ドルへ反発し200週線を回復|ドル安と利上げ観測後退が支え
参考元:米財務省
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