ビットコイン(BTC)は8月18日午前8時時点で6万4290ドルと、前日から約2.2%上昇しました。先週来のじり安から一転し、8月17日の米国時間にかけて6万2751ドルの安値から反発し、上値を抑えてきた200週移動平均線(約6万4223ドル)を回復しています。
反発の背景にあるのは、ドル安と米国株の上昇です。米ドル指数(DXY)が2か月ぶりの安値をつけ、利上げ観測が後退したことでリスク資産に買いが戻り、BTCもこれに連動しました。ただし米国の現物買い需要を示す指標は依然として弱く、今回の戻りが実需に裏打ちされたものかは見極めが必要です。今週は19日のホワイトハウス暗号資産サミットと、20日未明のFOMC議事録が控えます。
値動きの振り返り

BTCは8月17日午前に24時間安値となる6万2751ドルをつけた後、米国時間にかけて段階的に切り返しました。出来高を伴った上昇は日本時間18日の未明(0〜3時)に集中し、24時間高値の6万4610ドルまで上げています。8月17日の日足は、安値圏で寄り付いて高値圏で引ける強い陽線となりました。
現在値は6万4290ドルで、先週割り込んでいた200週移動平均線を回復しています。24時間の出来高は約1万3958BTCと、閑散だった週末から大きく膨らみました。目先は6万4610ドルが戻りを抑える上値、6万4000ドルから200週線が下値の支えとして意識されます。
相場を動かした背景
ドル安と利上げ観測の後退
反発の中心にあるのは、為替と金利をめぐる地合いの変化です。米ドル指数は8月17日に約99.4と6月以来の安値をつけ、3営業日続落しました。先週の軟調なインフレ・小売指標を受けて追加利上げ観測が後退したためで、CMEフェドウォッチによると9月会合の据え置き確率は約67%まで上昇したと報じられています。
ドル安と金利低下観測がリスク資産を押し上げ、BTCもこれに連動して反発しました。市場では、今回の上昇は暗号資産に固有の材料ではなく、米国株を含むリスクオンの流れに沿った動きとの見方が優勢です。
ショートカバーとサポート防衛
需給面では、売り方の買い戻しが上昇を後押ししました。反発局面で約5700万ドルのショートポジションが清算されたと報じられ、6万2500ドル前後のサポート防衛と重なって切り返しの勢いを強めました。米国とイランの緊張を背景とした原油高も一部で材料視されましたが、反発が始まる前から動いていたことから、主因ではないとの指摘が多く聞かれます。
ビットコイン(BTC)テクニカル分析
まず中長期の位置づけを確認します。週足では20週線が6万8868ドル、50週線が8万1554ドルといずれも大きく上方にあり、下降トレンドの途上にあります。長期の支持線である200週移動平均線は約6万4223ドルにあり、現在値6万4290ドルはこれをわずかに上回りました。
先週割り込んだこの長期支持線を回復した点は前向きですが、回復幅は0.1%程度と小さく、定着したとまでは言えません。回復を維持できるかが、戻りを伸ばせるかの中期的な分岐点です。この位置関係を前提に、短中期の各時間軸をみていきます。
日足チャート

日足では、現在値が20日線(6万3865ドル)と50日線(6万3718ドル)をともに回復し、短期の地合いが改善しました。100日線(6万6594ドル)と200日線(6万9178ドル)は上方にあり、戻り売りの壁として意識されます。8月17日は強い陽線で、MACDのヒストグラムはマイナス圏ながら-163.5から-73.5へ急改善し、下押しの勢いが弱まっています。
上値メドはボリンジャーバンド上限の6万5291ドル、下値メドは50日線の6万3718ドル、その下が20日線の6万3865ドルの回復維持となります。
4時間足チャート

4時間足は、現在値が20・50・100・200の主要移動平均線をすべて回復し、短期トレンドは上向きへ転じました。MACDのヒストグラムはプラス幅を広げ、上昇の勢いが強く出ています。現在値はバンド上限を上抜けており、短期的にはやや過熱気味です。
上値メドは24時間高値の6万4610ドル、下値メドは200時間平均の6万4233ドル、さらに50時間平均の6万3659ドルとなります。
1時間足チャート

1時間足では、現在値が主要移動平均線をすべて上回り、一目均衡表の雲(約6万3072ドル)の上に位置し、短期は買い優勢です。雲が下値の支持に転じつつあります。ただしMACDのヒストグラムはプラス圏ながら勢いが鈍化しており、急ピッチの上昇はいったん一服の可能性があります。
当日の下値サポートは6万4000ドルの節目と200週線圏、その下が1時間の20時間平均6万3906ドルです。上値レジスタンスは24時間高値の6万4610ドルとなります。
デリバティブ動向
OI清算
先物の建玉(オープンインタレスト)は、Binanceで約10万6699BTCです。8月15日の11万1988BTCから減少しており、価格が上昇するなかで建玉が縮小しました。価格上昇と建玉減少が同時に進む動きは、売り方の買い戻し(デレバレッジ)が反発を主導したことを示唆します。反発局面では約5700万ドルのショート清算が発生したと報じられています。
ロング・ショート比率は約1.52〜1.55倍と、8月17日の約2.1〜2.2倍から急低下しました。安値圏で強まっていた買い持ちの偏りが解消しており、需給の過熱はいったん和らいでいます。資金調達率はBinanceで0.005〜0.009%、OKXではわずかにマイナスと、過熱感のない中立的な水準です。
清算ライン

上方では6万4610ドルの24時間高値、その上の6万5000ドルが買い戻しを誘いやすい水準です。下方では6万3660ドルの日足50日線、さらに6万2751ドルの24時間安値が支えとして意識されます。買い持ちの偏りが解消した分、下押し時のロングの投げ売りは限定的とみられますが、実需の裏付けが薄いため、200週線を割ると戻り売りが出やすい点には注意が必要です。
ETF
米現物BTC ETFは、8月17日に2540万ドルの小幅な流入となり、3営業日続いた流出がいったん途切れました。ただし直前の週(8月10〜14日)は純流出約3億9000万ドルと、約6週間ぶりの大きさでした。
需給面では、コインベース・プレミアムが90日連続でマイナスとなり、米国の現物需要の弱さが続いています。ETFの小幅な流入だけでは、需要の弱さが解消したとは判断しにくい状況です。大口保有者の具体的な売買数量は未取得です。
本日のデイトレ注目材料
今週は米国でイベントが続きます。本日18日は住宅着工・建設許可件数が発表されます。注目は19日(水)のホワイトハウス暗号資産サミットで、トランプ大統領やコインベース・リップル・クラーケンなどの経営陣、SEC・CFTCの幹部が参加し、CLARITY法案の推進が主眼になると報じられています。市場では規制の明確化を好感する期待の声が優勢ですが、法案の年内成立確率は低いとの見方もあり、内容次第では反応が分かれます。
20日(木)午前3時には7月のFOMC議事録が公表されます。7月会合では利上げを支持する反対票が3人出ており、その内訳が注目されます。ジャクソンホール会議は次週8月27〜29日で、新FRB議長ウォーシュ氏の初講演が8月28日に予定されています。
上抜けシナリオとしては、200週線6万4223ドルを支えに6万4610ドルを上抜ければ、6万5000ドル、その上の6万5291ドルの日足バンド上限が視野に入ります。サミットやFOMC議事録が新たな買いを呼び込むかが鍵です。下抜けシナリオでは、200週線と6万4000ドルを割り込むと再びレンジに戻り、6万3660ドルの日足50日線、さらに6万2751ドルの24時間安値を試す展開が想定されます。短期トレーダーが当日見るべきラインは、下値の6万4000ドルと、上値の6万4610ドルです。
まとめ
18日のBTCは、ドル安と利上げ観測の後退を背景にリスク資産の上昇に連動し、約2.2%反発して200週線を回復しました。売り方の買い戻しとサポート防衛が重なり、先週来のじり安からいったん切り返した動きです。
もっとも、コインベース・プレミアムの90日連続マイナスが続くように、米国の現物需要の弱さは解消していません。今回の戻りがマクロ主導である以上、その持続性は今週のイベントに左右されます。200週線を支えに6万4610ドルを上抜けば戻りを試し、逆に200週線を割り込めば再びレンジ内へ戻る展開です。まずは回復した200週線を維持できるかどうかが、最初の試金石となります。
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