不動産運用会社のケネディクスは、デジタル資産基盤を手がけるProgmat、ブロックチェーン技術を開発するDatachainと連携し、ステーブルコインを活用してデジタル証券を即時決済する基盤を構築し、実証実験を行いました。
実証では、発行体と投資家が証券会社を介さず、セキュリティトークン(ST)の受け渡しと代金の支払いを直接行いました。
従来は取引成立から受け渡しまでに2営業日ほどかかるケースが一般的でしたが、今回の仕組みではSTと代金を同時に決済します。
暗号資産(仮想通貨)分野で活用が広がるステーブルコインが、国内のデジタル証券市場にも取り入れられ始めています。
今回の実証では、STの移転と代金の支払いを同じタイミングで処理し、証券と資金の受け渡しに時間差が生じない仕組みを確認しました。
現在、証券会社が販売するSTでは、取引成立から実際の受け渡しまでに2営業日を要するケースが一般的です。
決済が完了するまでの間は、買い手の資金や売り手の証券が拘束されるため、取引を重ねる際の資金効率を低下させる要因となっていました。
即時決済が実現すれば、取引完了までの待ち時間が短くなり、法人投資家を中心に資金運用の自由度が高まる可能性があります。
ステーブルコインでSTと代金を同時決済
実証の資金決済には、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)が構想する信託型ステーブルコインの規格が使われました。
法定通貨の価値に連動するステーブルコインを決済手段として使用することで、ブロックチェーン上でSTと代金を一体的に移転しやすくなります。
証券だけが先に移転したり、代金だけが先に支払われたりするリスクを抑えられる点が、この仕組みの特徴です。
サービス化する際には、円建てステーブルコインのJPYCやJPYSC、米ドル建てのUSDCにも対応する計画です。
基盤が実用化されれば、STを保有するだけでなく、資金調達の担保として活用しやすくなる可能性もあります。
例えば、法人投資家が保有するSTを担保にステーブルコインを借り入れ、調達した資金を別の取引に活用する仕組みなどが想定されています。
デジタル証券の売買基盤が、発行や流通にとどまらず、担保取引や資金調達までを支える金融インフラへと広がる動きとして注目されます。
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