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ビットコイン、FOMC据え置きも6万3000ドル台へ失速|9対3のタカ派決定とイラン攻撃が重し

2026年7月30日 08:37  7月30日 08:37  Arai Yu

※この記事には広告・PRが含まれます

ビットコイン(BTC)は7月30日午前8時時点で6万3929ドルと、前日からほぼ横ばいで推移しています。直近24時間は、注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)と、中東での地政学ショックという2つの大きな材料が重なりました。

29日夕には6万4745ドルまで上昇し、30日午前3時のFOMCが政策金利の据え置きを決めた直後にも6万4649ドルへ買われました。しかし採決の内訳がタカ派的だったことに加え、イランによる米軍基地への攻撃が伝わったことで買いは続かず、午前6時には6万3267ドルまで失速しています。

【FOMC直前】近年最難関の利上げ判断、ビットコインは6万4000ドルで警戒|ウォルシュ議長の一言に注目

値動きの振り返り

BTC/USDT 30分足チャート

直近24時間の高値は6万4745ドル、安値は6万3267ドルです。29日夕の上昇はイベントを前にした思惑買いによるもので、FOMCの据え置き発表直後にも一段の買いが入りました。

もっとも、9対3という利上げ寄りの採決内容と、時を同じくして伝わったイランの攻撃報道が重石となり、上げは続きませんでした。30日早朝に6万3267ドルへ下押ししたのち、現在は6万3900ドル台へ小幅に戻しています。上値は6万4745ドル、下値は6万3267ドルが当面の攻防ラインです。

相場を動かした背景

FOMCのタカ派的な据え置き

FOMCは政策金利を3.50〜3.75%に据え置き、据え置きは5会合連続となりました。据え置き自体は事前にほぼ確実視されていましたが、市場の注目は採決の内訳と会見のトーンに集まっていました。

今回の採決は9対3で、クリーブランド連銀のハマック総裁、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁、ダラス連銀のローガン総裁の3人が0.25%の利上げを主張して反対しました。3人が同じ方向で反対したのは2016年9月以来で、Fed内部で利上げ圧力が強まっていることを示しています。ウォーシュ議長もインフレを「選択の結果」と述べ、フォワードガイダンスを控えつつ、長期金利の上昇をむしろ歓迎する姿勢を示しました。

据え置きは安心材料でしたが、こうしたタカ派色が上値を抑え、BTCは据え置き直後の上昇を維持できませんでした。据え置きと同時に利上げ観測がくすぶる構図が、続伸を阻んだとみられます。

イランの対米基地攻撃と、それを吸収したBTC

FOMCとほぼ同じタイミングで、イラン革命防衛隊(IRGC)がヨルダンの米軍基地へ弾道ミサイル複数発を発射しました。全弾が迎撃され被害はなかったと米中央軍が発表していますが、トランプ大統領は「強く反撃する」と表明し、米国とサウジアラビアはイラク国内の親イラン勢力を攻撃しました。

この地政学ショックを受け、市場はリスクオフに傾きました。原油はWTIが6.26%高、ブレントが7.50%高、金は2.97%高、恐怖指数(VIX)は13%上昇し、米国株はS&P500が1.52%安、ナスダックが1.74%安となりました。こうした株安のなかでもBTCは横ばいを維持しており、株式ほど売られなかった点は相対的な底堅さといえます。

ビットコイン(BTC)テクニカル分析

日足チャート分析

日足では、現在値が20日線(6万4488ドル)を下回り、50日線(6万3388ドル)の上にあります。100日線(6万9369ドル)と200日線(7万1770ドル)は大きく上方で、戻り売りの壁として意識されます。

イベント当日の日足は、高値6万4745ドルから安値6万3267ドルまで値幅が広く、終値はほぼ横ばいの十字線に近い形で、方向感の乏しさを映しています。MACDのヒストグラムはマイナス幅を広げ、短期の勢いは弱含みです。

上値メドは6万4488ドルから6万6333ドル(ボリンジャーバンド上限)、下値メドは6万3388ドルから6万2643ドルです。

4時間足チャート分析

4時間足は、現在値が20・50・100の各移動平均線を下回るものの、200線(6万3269ドル)が下支えとして機能しています。MACDのヒストグラムはマイナス圏からわずかに浮上しかけており、下げの勢いは一服しています。

上値メドは20線の6万4267ドル付近、下値メドは200線の6万3269ドルです。

1時間足チャート分析

1時間足では、現在値が20時間線(6万4178ドル)と50時間線(6万3848ドル)の間にあり、方向感を欠いています。MACDのヒストグラムはマイナスで、イベント後の失速を反映しています。

一目均衡表の雲は6万3660〜6万4244ドルにあり、価格は雲の中にとどまっています。当日の下値サポートは6万3267ドル、その下が200週線の6万3554ドル、上値レジスタンスは6万4200ドルから6万4488ドルです。

デリバティブ動向

OI・清算動向

先物の建玉(OI)は、Binanceでイベント前後に約10万2000BTC台へ低下したのち、現在は約10万4000BTC、想定元本で約65億ドルです。二大イベントを受けて、いったんポジションが整理されました。

ロング・ショート比率は約1.56〜1.59倍と、前日の1.70倍から低下しています。イベントを前にロングの一部が手仕舞われたとみられます。資金調達率はBinanceで0.0037%と、29日のイベント前に一時0.0100%まで上昇したのち低下しました。清算総額の実数は未取得です。

注目清算ライン

下値では6万3267ドル、次いで6万2643ドルが意識されます。イベント安値と日足バンド下限が重なる水準で、ここを割り込むとロングの損切りを巻き込みやすくなります。

上方では6万4745ドル、次いで6万5000ドルにショートの買い戻しが溜まりやすく、戻りの節目です。

ETF・需給動向

米現物BTC ETFは、23日に2億2510万ドル、24日に2億4010万ドルと大きく流出したあと、27日は1160万ドル、28日は4970万ドル(改定値)の流出へと、流出額が縮小しました。29日分は未発表です。

前週の急激な流出からは落ち着いたものの、資金は依然として抜けており、機関需要の一服が上値の重さとして残っています。流出額の縮小が、二大イベント下でも急落を防いだ一因とみられます。大口・長期保有者の具体的な売買数量は未取得です。

本日のデイトレ注目材料

本日最大の指標は、30日午後9時30分に発表される4〜6月期のGDP速報値とPCE物価指数です。FOMC翌日のインフレ確認として、タカ派観測を強めるか和らげるかの分岐となり、結果次第で振れやすい地合いです。

加えて、イラン情勢の続報が最大の不確実性です。トランプ大統領が示した報復の動きや、それに伴う原油の一段高が意識されれば、リスク資産の重しとなり得ます。31日にはデリビットで約14万8000BTC、想定元本にして約94億ドルの月次オプション満期も控えます。

上抜けシナリオとしては、GDP・PCEが落ち着き6万4488ドルの日足20日線を回復すれば、6万5000ドルへの戻りが視野に入ります。下抜けシナリオでは、イラン情勢の悪化やインフレの上振れで6万3267ドル、そして200週線の6万3554ドルを明確に割り込めば、6万2643ドルのボリンジャーバンド下限が下値メドとなります。短期トレーダーが当日見るべきラインは、死守の6万3267ドルと、奪回の6万4488ドルです。

まとめ

30日のBTCは、FOMCのタカ派的な据え置きとイランの対米基地攻撃という2つの大きな材料を通過し、6万3000ドル台で横ばいとなりました。据え置き直後の上昇は続かなかったものの、株安とVIX上昇が進むなかで200週線を維持した点には、相対的な底堅さがうかがえます。

方向を左右するのは、本日夜のGDP・PCEと、イラン情勢の展開です。インフレ指標が落ち着き地政学リスクが後退すれば6万4488ドル回復から戻りを試す一方、インフレ上振れや中東の緊張激化となれば200週線割れが視野に入ります。Fed内部で3人が利上げを求めたタカ派的な決定が、今後の下値の重さとして意識されやすい局面です。

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