ビットコイン(BTC)は7月29日午前8時時点で6万3766ドルと、前日からほぼ横ばい(0.02%高)で推移しています。直近24時間は6万2742ドルから6万4100ドルの狭いレンジにとどまり、方向感の乏しい膠着が続いています。
日本時間の30日午前3時に控える米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を前に、市場全体が新規のポジションを手控えているためとみられます。前日に6万2742ドルまで下押しした場面でも200週移動平均線を割り込まずに切り返しており、結果待ちのなかでの底堅さも同時に確認されました。
値動きの振り返り

BTC/USDT 30分足チャート
直近24時間の高値は6万4100ドル、安値は28日の米国午前(日本時間の夜)に付けた6万2742ドルです。28日は米国株の半導体セクターが大きく下落する場面で6万2742ドルまで売られましたが、200週線の割り込みは回避し、6万3809ドルへ戻して日足を引けています。
29日の未明から朝にかけては6万4100ドルまで持ち直し、現在は6万3800ドル前後です。上値は6万4100ドル、下値は6万2742ドルが当面の攻防ラインとして意識されています。
相場を動かした背景
FOMC決定を今夜に控えた様子見
今回の膠着は、日本時間30日午前3時に発表されるFOMCの結果を前にした様子見が主軸です。政策金利は3.50〜3.75%での据え置きがほぼ確実視されており、ロイターの調査では104人のエコノミスト全員が据え置きを予想しています。
もっとも、市場が警戒しているのは金利水準そのものではなく、声明と会見のタカ派度です。5月に就任したケビン・ウォーシュ議長は議会証言で「持続的な高インフレに一切の許容はない」と述べ、インフレが2%目標を5年間上回ってきたことを批判しています。CMEフェドウォッチが示す7月の利上げ確率は35.8%と、前週の25.7%から上昇しており、9月の利上げを示唆するかどうかにも関心が集まっています。
据え置きと同時に慎重な文言にとどまれば6万6000〜6万8000ドルへ戻す一方、タカ派サプライズとなれば6万1000ドル以下への下落もあり得るとの見方が報じられており、結果次第で振れやすい地合いです。
半導体株安でも守られた200週線
28日の米国市場では、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が4.49%安と急落しました。中国のDUV(露光装置)技術のブレークスルーが西側の半導体株を圧迫したと報じられています。
こうした株安のなかでもBTCは6万2742ドルで下げ止まり、長期の支持線である200週線(6万3554ドル)を守って反発しました。株安に連動せずに下値を固めた点は、相対的な底堅さを示しています。
テクニカル分析
日足チャート分析

日足では、現在値が20日線(6万4445ドル)を下回り、50日線(6万3341ドル)の上にあります。100日線(6万9486ドル)と200日線(7万1903ドル)は大きく上方で、戻り売りの壁として意識されます。
MACDのヒストグラムはマイナス幅を広げ、短期の勢いは弱含みです。ただし28日は長い下ヒゲを付けており、6万2500ドル前後では買いが入りやすい水準です。上値メドは6万4445ドルから6万6366ドル(ボリンジャーバンド上限)、下値メドは6万3341ドルから6万2525ドル(同下限)です。
4時間足チャート分析

4時間足は、現在値が20・50・100の各移動平均線を下回り、戻り売りが優勢です。ただしMACDのヒストグラムはマイナス幅の拡大が一服し、下げの勢いはやや鈍っています。下値では200線の6万3144ドルが下支えとして機能するかが焦点で、上値メドは20線の6万4393ドル付近です。
1時間足チャート分析

1時間足では、現在値が20時間線(6万3625ドル)の上、50時間線以上の移動平均線の下にあります。MACDのヒストグラムはプラスで、ごく短期は反発局面です。
一目均衡表の雲は6万5000ドル台にあり、価格は雲の下にとどまっています。当日の下値サポートは6万3600ドル、その下が6万2742ドル、上値レジスタンスは6万4100ドルから6万4400ドルです。
デリバティブ動向
OI・清算動向
先物の建玉(OI)は、Binanceで28日に一時約10万6000BTCへ増えたのち、現在は約10万3000BTC、想定元本で約66億ドルです。全体としては横ばい圏で、過度なレバレッジの傾斜は限定的です。
資金調達率はBinanceで0.0067%、Bybitで0.0056%、OKXで0.0067%といずれも小幅なプラスです。28日夕方に一時0.0001%まで低下したのち、プラスへ戻しています。清算総額の実数は未取得です。
注目清算ライン

ロング・ショート比率は約1.70〜1.74倍と前日の1.52倍から上昇し、個人は下値で買い方へ傾いています。押し目買いの意欲がうかがえる一方、6万2742ドルを割り込むとロングの損切りを巻き込みやすくなります。
上方では6万4100ドル、次いで6万5000ドルにショートの買い戻しが溜まりやすく、戻りの節目です。
ETF・需給動向
米現物BTC ETFは、23日に2億2510万ドル、24日に2億4010万ドルと大きく流出したあと、27日は1160万ドルの流出、28日は510万ドルの流入(速報値)へと、流出額が急速に縮小しました。
24日までの週間では3380万ドルの純流入と3週連続のプラスを保ち、7月月間でも4月以来初の純流入を維持しています。日次の流出圧力が和らいだことが、足元の下値の底堅さにつながっているとみられます。大口・長期保有者の具体的な売買数量は未取得です。
本日のデイトレ注目材料
本日最大の変動要因は、日本時間30日午前3時のFOMC政策金利発表と、同3時30分からのウォーシュ議長の記者会見です。今回は経済見通し(SEP)やドットチャートの公表がない回で、注目は据え置き後の声明と会見のタカ派度に絞られます。翌30日午後9時30分には、4〜6月期のGDP速報値とPCE物価指数も発表されます。
上抜けシナリオとしては、据え置きと同時に慎重な文言にとどまれば、6万4400ドルの日足20日線を回復し、6万6000〜6万8000ドルへ戻す展開が想定されます。下抜けシナリオでは、9月利上げを強く示唆するようなタカ派サプライズとなった場合、6万2742ドルの200週線を割り込み、6万2500ドルのボリンジャーバンド下限、さらに6万1000ドル以下が視野に入ります。短期トレーダーが当日見るべきラインは、死守の6万2742ドルと、奪回の6万4100ドルです。
なお31日には、デリビットで約14万8000BTC、想定元本にして約94億ドルの月次オプション満期を控えており、FOMC直後かつ月末のため、週後半はボラティリティが拡大しやすくなります。
まとめ
29日のBTCは、FOMCの結果を今夜に控えて6万3000ドル台で膠着しています。半導体株が大きく下落するなかでも200週線(6万3554ドル)を守った点は底堅く、ETFの流出も一巡しました。もっとも、これはあくまで結果待ちの小康であり、方向を決めるのは今夜のFOMCです。
据え置きと慎重な文言であれば6万4400ドル回復から6万6000ドル台への戻りが見込めますが、タカ派サプライズなら200週線を割り込み6万1000ドル台への調整が視野に入ります。ウォーシュ議長がどこまでインフレ警戒を前面に出すか、そして9月利上げを示唆するかどうかが、今週の底値の質を左右します。