Strategy共同創業者で執行会長のマイケル・セイラー氏が7月18日から19日にかけて、BIP-110に反対する110項目のエッセイ「110 Reasons BIP 110 Is a Bad Idea」をX上で公開しました。8月7日ごろに始まる予定のシグナリング期間を前に、ビットコインのコンセンサスルールは取引の目的を判別すべきではないと訴えています。BIP-110は任意データの制限を狙う一時的なソフトフォーク提案で、賛否が割れる中でもマイナー支持率は0.86%にとどまっています。ビットコインの中立性をどこまで守るのかが、ルール変更の判断材料として改めて浮上しています。
セイラー氏はエッセイの中で、BIP-110を「ビットコイン医原性提案」と位置づけました。医療行為がかえって症状を悪化させる「医原性」になぞらえ、対策そのものが問題を深めるとの見方を示した形です。
そのうえで、「提案された治療法は、症状そのものより危険だ」と記し、ビットコインには「純粋性の守護者ではなく、中立性の守護者が必要だ」と主張しました。正当な手数料を支払う有効な取引であれば、コンセンサスルールが用途や意図を選別すべきではないという考え方です。
BIP-110の内容と8月7日ごろのシグナリング開始
BIP-110は、2025年10月にBIP-444として最初に公開された提案をもとにしたものです。任意データの書き込みを抑えるため、7種類のデータ制限を導入する内容で、適用期間は1年の一時措置とされています。
発動に向けたシグナリングの必須期間は、ブロック961,632付近から始まる予定です。時期は米東部時間で8月7日ごろとされます。公開時点のマイナー支持率は0.86%で、必要とされる55%を大きく下回っています。
この論点は、単なる技術調整にとどまりません。ビットコインのルールが、ネットワークの負荷や不要データへの対処を優先するのか、それとも用途に中立な決済基盤としての性格を守るのかという設計思想に直結します。セイラー氏の主張は、迷惑行為対策の名目であっても、取引内容に踏み込む制限は前例になり得るという警戒感を示しています。
同氏は7月19日の追加投稿で「次は何か」と記し、Strategyのビットコイン保有チャートも共有しました。Strategyは企業として大規模なビットコイン保有で知られており、ネットワークのルール変更をめぐる議論に対して発言力を持ちやすい立場にあります。
今回のエッセイ公表で、8月上旬のシグナリング開始を前に、ソフトフォークの是非をめぐる争点は一段と明確になりました。論点の中心にあるのは、ビットコインが有効な取引を等しく扱うという原則を維持するのか、それとも一時的な制限でチェーン上のデータ利用を絞り込むのかという点です。
参考元:The Block
画像:Shutterstock
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