韓国企画財政部は7月14日、「2026年下半期経済成長戦略」を公表し、年内のデジタル資産基本法(仮称)制定を推進する方針を示しました。法案では、ウォン建てステーブルコインの制度化に向けた法的根拠を整えるほか、デジタル資産産業の細分化や営業行為規制の整備も進めます。ビットコインなどの現物ETF導入を後押しする資本市場法改正の支援も並行して打ち出しました。韓国が暗号資産(仮想通貨)関連制度を、発行から取引商品まで一体で組み直す構えを鮮明にした形です。
今回示された方針は、ステーブルコインを個別の決済手段として扱うだけでなく、デジタル資産市場全体の法的な土台に組み込む内容です。ウォン建てステーブルコインの法制化と並んで、業種区分や営業ルールを整理することで、これまで一括りにされがちだった関連事業を制度上で切り分ける狙いがあるとみられます。
検討項目には、国境を越えたステーブルコイン取引を制度圏に編入する案も含まれました。国内発行分の扱いにとどまらず、海外との送金や流通を伴う取引まで視野に入れた内容で、資金移動や決済に近い機能を持つ暗号資産への監督を広げる方向性がにじみます。
ウォン建てステーブルコインと現物ETFを一体で制度整備
韓国政府が同じ戦略文書で現物ETF導入に向けた資本市場法改正支援を掲げた点も重要です。ステーブルコインは決済や送金に近い領域、現物ETFは投資商品としての領域に位置づけられます。両方を同時に進めることで、韓国はデジタル資産を金融システムの周辺ではなく、制度の中で扱う対象として整理しようとしていることがうかがえます。
もっとも、立法のハードルが低いわけではありません。韓国ではこれまでもステーブルコイン制度化を巡って、発行主体を銀行中心にするのか、それ以外の事業者にも広げるのかが論点になってきました。今回の戦略は法的根拠整備の方向を明示した一方で、具体的な条文設計や発行資格の詳細までは示していません。
それでも、政府の経済成長戦略にデジタル資産基本法が明記された意味は小さくありません。関連制度が金融規制の個別論点として断続的に議論される段階から、国家の成長戦略の一部として位置づけられたためです。韓国では、ウォン建てステーブルコイン、クロスボーダー取引、ビットコイン現物ETFを同じ政策パッケージの中で扱う構図が、今回の文書でより明確になりました。
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