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ビットコイン、トランプ氏の仮想通貨擁護発言で6万4000ドル突破、ストラテジーの売却報道も吸収

2026年7月7日 08:42  7月7日 08:45  Arai Yu

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ビットコイン(BTC)が6万4000ドルの節目を回復しました。7月7日朝時点では6万4268ドルで、前日比は+0.56%にとどまりますが、月曜の取引ではいったん6万1306ドルまで下げたあとに切り返し、高値6万4700ドルまで水準を切り上げています。

この日の流れを変えたのは、トランプ米大統領による暗号資産を擁護する発言でした。同じ日には最大の法人保有企業によるBTC売却という弱材料も伝わりましたが、政治的な追い風がこれを吸収する形となりました。

値動きの振り返り

BTC/USDT 30分足チャート

月曜のBTCは、序盤に6万1306ドルまで売られる場面がありました。しかし、トランプ大統領の発言が伝わったセッション後半にかけて買いが強まり、下げを消して6万4000ドルの節目を突破。高値は6万4700ドルで、7月1日につけた安値5万7800ドルからは約12%の戻りとなりました。

一方で、投資家心理はまだ強気に振れきってはいません。恐怖・貪欲指数は24で、安値からおよそ12%戻したにもかかわらず「極度の恐怖」の領域にとどまっています。これは、今回の上昇が幅広い買いというよりも、特定の材料とポジション調整によって押し上げられた側面が大きいことを映しているとみられます。

相場を動かした背景

トランプ大統領の暗号資産擁護発言

相場の流れを変えたのは、トランプ大統領が記者団に対して行った暗号資産擁護の発言でした。大統領は自らを暗号資産の「ファン」だと述べ、「大いに賛成している」と明言しました。

個人向けの口座制度「Trump Accounts」にビットコインを組み入れる可能性を問われた際にも、前向きな姿勢をにじませています。政策面の後押しへの期待は、これまで上値を抑えてきた規制の不透明感をいくらか和らげる材料となり、下げていた相場を押し上げるきっかけになりました。

ストラテジーの売却と82億ドルの評価損

もっとも、同じ日には強気一辺倒とは言えない材料も伝わりました。米上場企業のStrategyは、規制当局への届け出で、先週BTCを2回に分けて計3588枚売却したことを明らかにしました。配当の原資を確保する狙いとされます。同社は4〜6月期に82億ドルを超える評価損も計上しています。

世界最大の法人ホルダーが売り手に回ったことは、本来であれば相場の重しになる材料です。それでもこの日はトランプ発言による買いが上回りました。弱材料をこなして上昇した点は目先の底堅さを示す一方で、上値では法人の売りも出やすいことを意識させる展開でもありました。

ビットコイン(BTC)テクニカル分析

日足チャート

反発が続いた結果、現在価格6万4268ドルは日足のMA20を明確に回復しました。これは6月以降の下落局面ではみられなかった変化で、下げ止まりを示す一歩です。ただし、その上に控えるMA50はなお大きく上方にあり、ここが今回の動きを「一時的な反発」で終わらせるのか、「トレンド転換」につなげるのかを分ける水準となります。

MA100(7万0992ドル)やMA200といった長期の節目はさらに上にあり、中長期の地合いは回復の途上です。上値メドは6万5555ドル、その先が6万6560ドルのMA50です。

4時間足チャート

4時間足では、価格はMA20からMA200まで主要な移動平均線をすべて上回り、SuperTrendも6万1500ドルで強気を維持しています。短中期の流れは上向きで、6万4000ドルを終値で守れるかどうかが上昇継続の目安です。

維持できれば6万4700ドル、上抜ければ6万5555ドルが視野に入ります。逆に6万1500ドルのSuperTrendを終値で割り込むと、上昇シナリオは崩れやすくなります。

1時間足チャート

1時間足でも、価格はMA20からMA200までをすべて上回り、短期は上昇基調です。ただし、この上昇はショートの買い戻しに支えられた面が大きく、勢いがそのまま続くかは慎重に見極めたいところです。

直近のサポートは、旧抵抗が支持に変わった6万4000ドルと、出来高が集中する6万3110ドル。レジスタンスは24時間高値の6万4700ドルです。

デリバティブ動向

OI・清算動向

今回の上昇の性格を映しているのが、未決済建玉(OI)の動きです。OIは直近24時間で、約10万5715BTCから約10万2787BTCへと減少しました。価格が上がる一方でOIが減るのは、下落局面で積み上がっていたショートが買い戻された典型的なパターンです。

報道ベースでは、同じ期間に約4.5億ドルのショートが清算されたとされ、この巻き戻しが上昇を加速させました。資金調達率はBinanceで+0.01%と小幅プラスにとどまり、過度な過熱感はありません。買い戻し主導の上昇は燃料が尽きると反動が出やすいだけに、新規の買いが続くかどうかがカギとなります。

注目清算ライン

建玉の偏りをみると、全体の口座比率は1.35、上位トレーダーは1.40とロング寄りです。上値では6万4700ドルを明確に上抜けると、残っているショートの踏み上げで6万5555ドルまで走りやすくなります。

下値は6万1500ドルを割り込むと、今度は逆にロングの投げを巻き込みやすく、6万0100ドルが意識されます。

ETF動向

需給面で確認したいのが、現物ETFのフローです。今回の記事でも、先週までの下落の背景として「8週連続の週間流出」が挙げられています。直近で流入に転じたとの報道もありますが、一次情報での確認は取れていません。

今回の反発が、ショートの買い戻しという一時的な要因を超えて続いていくには、ETFを通じた実需の買いが戻ってくるかどうかが試金石となります。

本日のデイトレ材料

本日の米経済指標は比較的軽めです。21時30分に米貿易収支、23時にIBD/TIPP景況感指数が予定されていますが、いずれも相場を大きく動かす類の指標ではありません。市場の関心はむしろ、今週後半に公表されるFOMC議事要旨に向かいやすく、利上げ・利下げを巡る文言をにらんだ持ち高調整が入りやすい局面です。暗号資産では、トランプ発言に続く政治・規制面の動きが引き続き材料視されそうです。

値動きの目線としては、まず6万4000ドルを維持できているかが出発点となります。維持できていれば6万4700ドルの上抜け、さらに6万5555ドルや日足MA50の6万6560ドルが上値の目標です。反対に6万4000ドルを割り込むと、ショート買い戻しの反動から6万2000ドル、6万1500ドルへと調整が入りやすくなります。ショートスクイーズが主導した上昇である以上、上下どちらにも振れやすい点は念頭に置いておきたいところです。

まとめ

今回のビットコインは、トランプ大統領の擁護発言をきっかけに、最大保有企業の売却という弱材料をこなして6万4000ドルを突破しました。ただ、上昇の主な燃料が政治的な一言とショートの買い戻しであることは見逃せません。

恐怖・貪欲指数が「極度の恐怖」にとどまっているのも、市場がまだこの戻りを本物と見切れていないことの表れといえます。上昇が続くかどうかは、6万4000ドルを維持できるか、そして現物ETFの資金が実際に戻ってくるかにかかっています。派手な見出しの裏で、需給が本当に変わったのかを見極めたい局面です。

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