米国の仮想通貨規制を定める「クラリティ法案(CLARITY Act、H.R.3633)」をめぐり、全米主要郡保安官協会(MCSA)は7月3日付の書簡で、これまでの反対の立場を撤回し中立へ変更しました。
法案の壁とされてきた法執行機関側の明確な反対が後退したことで市場の見方も前向きに傾いており、上院が夏季休会に入る前の最後の会期日にあたる8月7日までの動きに注目が集まっています。
MCSAが7月3日付書簡で反対を撤回、第604条の懸念が後退
書簡は上院銀行委員会のティム・スコット委員長とエリザベス・ウォーレン筆頭理事に宛てたもので、MCSA会長のボブ・グアルティエリ氏が署名しました。MCSAは5月14日付の書簡で、DeFi開発者の保護を定める法案第604条について、分散型プラットフォーム上の違法行為で開発者の責任追及が難しくなり、仮想通貨関連犯罪の摘発で抜け穴になりかねないとして反対を表明していました。
今回の書簡では、政権側との協議を通じて条文の解釈と実施方針への理解が進み、当初の懸念が一部解消されたと説明しています。ジャーナリストのEleanor Terrett氏もXへの投稿で、この協議を経てMCSAが反対を取り下げた経緯を伝えました。署名者のグアルティエリ氏がフロリダ州ピネラス郡の現職保安官である点も、捜査現場の意向を反映した動きとして受け止められています。
残る要望は第309条の修正、争点は執行体制の設計へ
一方でMCSAは、法執行の実務面に関する要請を残しています。書簡では仮想通貨関連犯罪の捜査に州・地方法執行機関への訓練と資源配分が欠かせないと指摘したうえで、第309条に盛り込まれた財務省による分散型金融の違法金融リスク調査に、州・地方当局が関与できるよう法案の修正を求めました。
つまりMCSAは法案全体への反対を続けるのではなく、捜査現場の関与をどう制度に組み込むかへ論点を移した形です。第604条をめぐる対立が和らいだことで、争点は開発者責任の是非から、実際の執行体制や情報共有の設計へと移りつつあります。
クラリティ法案、成立期待高まる
7月4日までの成立・署名というホワイトハウスの目標こそ見送られましたが、法執行機関の反対撤回を受けて、ブルームバーグ・インテリジェンスは通過の確率を60%とみるなど、状況はポジティブな方向に動いています。
成立すれば規制の不透明感が晴れ、機関投資家の本格参入やアルトコインETFへの道が開ける歴史的な転換点となります。上院は7月13日に審議を再開し、8月7日頃を最後に夏季休会へ入るため、この追い風を4週間で採決につなげられるかが次の焦点です。
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