
BTC/USDT 30分足チャート
ビットコインは5月14日、8万ドルを下回り、一時7万9378ドルまで下落しました。下落率は前日比2.23%で、米卸売物価指数(PPI)の発表後に売りが強まりました。各国の国債利回りが歴史的な高水準に達し、金融市場で緊張が強まるなか、暗号資産(仮想通貨)市場もリスク回避の流れに巻き込まれました。
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国債利回り上昇で資金調達コストが重くなる
市場で警戒感を強めているのは、主要国の国債利回りが過去の危機局面を想起させる水準まで切り上がっていることです。英国の30年国債利回りは1998年以来の高水準に達し、ドイツの10年国債利回りは2011年のユーロ圏債務危機以来の高値圏にあります。日本の10年国債利回りも1997年以来の水準まで上昇しました。
国債利回りの上昇は、各国政府の借り入れコストが重くなることを意味します。安全資産とされてきた国債の価格が下がり、利回りが上がる局面では、金融機関や機関投資家の保有資産の評価にも影響が及びやすくなります。暗号資産市場にとっても無関係ではなく、投資家が現金や短期債に資金を戻す局面では、価格変動の大きい資産から先に売られやすくなります。
金融システム全体の負担も重くなっています。IMFが4月に公表した『Fiscal Monitor』では、世界の政府債務残高は2025年に世界GDP比94%に達し、2029年までに100%を超えると予測しました。金利が高止まりするなかで債務残高が膨らめば、財政余力の乏しい国ほど市場の視線は厳しくなります。
金融安定理事会(FSB)も、ソブリン債市場、資産評価、プライベートクレジットを金融安定上のリスク分野として挙げています。インフレ抑制のために高金利を維持すれば市場に負荷がかかり、安定を優先して緩和に傾けば物価圧力が残るという難しい局面にあります。
ビットコインはリスク資産として売られた

エネルギー価格24%、肥料価格31%上昇見通し
今回の値動きでは、ビットコインがインフレや財政不安に対する逃避先として買われるよりも、リスク資産として売られる側に回ったことが鮮明になりました。米PPI発表後に8万ドルを割り込み、マクロ経済指標と金利動向に敏感に反応する地合いが続いています。
物価面でも不安材料は残っています。世界銀行の予測では、ホルムズ海峡を巡る混乱の影響でエネルギー価格は24%上昇し、肥料価格は31%高騰する見通しです。エネルギーや肥料の値上がりは、輸送費や食料価格を通じて広く物価に波及しやすく、各国中銀が利下げに動きにくい環境をつくります。
金利が高いまま、債務は増え、物価も下がりにくい。こうした組み合わせは、暗号資産市場にとって追い風になりにくいです。ビットコインは長期的に『デジタルゴールド』と位置付けられることがありますが、少なくとも足元の市場では、国債利回りの急上昇と流動性の引き締まりに対して防波堤にはなりませんでした。
参考元:cryptoslate
画像:shutterstock
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