ビットコイン(BTC)は9月10日午前8時時点で7万8150ドルと、前日から0.41%下落しました。24時間高値は9月9日17時の7万9760ドル、24時間安値は9月10日7時の7万7770ドルです。
上値を抑えたのは米金利です。財務省が発表した国債の買い入れ規模が市場の期待に届かず、10年債利回りは一時4.8568%と2023年11月以来の高水準をつけました。原油も米イランのタンカー応酬を受けて100ドルを超え、インフレ懸念が金利の上昇圧力を後押ししています。
本日は21時30分に米PPI、明日は同時刻に米CPIが発表されます。
値動きの振り返り

BTCは9月9日13時から上昇し、17時に24時間高値7万9760ドルをつけました。18時に7万8900ドルへ反落したあと、21時には7万9663ドルへ戻しています。
転換点は9月10日0時でした。この1時間の出来高は1731BTCと24時間で最大に膨らみ、7万8060ドルまで下げています。米10年債利回りが上昇した時間帯と重なります。以降はじり安が続き、7時に24時間安値7万7770ドルをつけました。8時時点で7万8150ドルです。
24時間の出来高は1万4179BTCでした。恐怖・貪欲指数は66「Greed」と前日の69から低下し、ETHは0.89%安、XRPは1.79%安と主要銘柄はそろって下げています。一方で韓国プレミアムは+1.818%と前日の+1.104%から拡大しました。
相場を動かした背景
国債買い入れが期待に届かず
米財務省は9日、10日の買い入れオペで10年から20年の国債を最大60億ドル買い入れると発表しました。前回の長期債オペの3倍の規模ですが、市場の反応は逆でした。Mischler Financialのディガロマ氏は「60億ドルより大きいと思われていた。期待外れで債券価格が下がり、利回りが上昇した」と述べています。
10年債利回りは一時4.8568%まで上昇し、2023年11月以来の高水準をつけました。終値は前日比3.06bp高の4.835%です。30年債も2.06bp上昇の5.2846%となりました。財務省の確定値では2年債が4.43%、10年債が4.83%、30年債が5.28%で、いずれも8日から上昇しています。
フェドファンド金利先物では来週の利上げ確率が約60%となっており、金利の上昇はBTCの上値を抑える要因となっています。
原油が6週間ぶりに100ドル超え
原油を押し上げたのは、9日に伝わった米イランの応酬です。イラン革命防衛隊は、ホルムズ海峡付近で米艦2隻とタンカー8隻の計10隻を攻撃したと発表しました。これに先立ち米軍はイランのタンカー5隻を撃沈しており、開戦から6か月で最大規模の応酬となりました。イランはヨルダンの米軍基地にも弾道ミサイルを発射し、ヨルダンは18発を迎撃したとしています。
ブレントは3.4%高の101.21ドルで清算し、取引時間中には101.58ドルをつけました。WTIも3.25%高の96.05ドルで、いずれも5月22日以来の高値終値です。
ビットコイン(BTC)テクニカル分析
週足では価格7万8150ドルが200週線6万5181ドルを19.9%上回る一方、50週線7万9693ドルは1543ドル上方にあります。7日に確定した週足終値は50週線に31ドル届かず、上抜けは持ち越されました。MACDのヒストグラムは+2499.3とプラス圏です。
日足チャート

日足では、価格が50日線7万0227ドル、100日線6万6689ドル、200日線6万9952ドルを上回る一方、20日線7万8695ドルを割り込みました。MACDのヒストグラムは-507.6で、3営業日連続でマイナス幅が拡大しています。
8日の日足終値7万8456ドルで50日線が200日線を93ドル上回り、ゴールデンクロスが成立しました。差は現在275ドルへ広がっていますが、価格は下落を続けています。前回2025年5月22日の成立時も、直後30日は8.6%下げてから約4か月半後に史上最高値へ向かいました。上値メドは20日線7万8695ドル、下値メドはバンド下限7万6513ドルです。
4時間足チャート

4時間足では、価格7万8150ドルが20期間7万8987ドル、50期間7万9108ドル、100期間7万8901ドルをすべて下回り、200期間7万3049ドルのみが下方にあります。MACDのヒストグラムは-72.9とマイナス圏です。
上値メドは100期間7万8901ドル、その上が20期間7万8987ドル。下値メドはバンド下限7万7859ドル、次いで24時間安値7万7770ドルです。
1時間足チャート

1時間足では、一目均衡表の雲が7万8674〜7万8690ドルと極端に薄く、価格はその下に位置しています。転換線7万8582ドル、基準線7万8765ドルで、MACDのヒストグラムは-112.8とマイナス幅が広がっています。
サポートはバンド下限7万7849ドル、24時間安値7万7770ドル。レジスタンスは転換線7万8582ドル、雲上限7万8690ドル、その上が20時間平均7万8825ドルです。
デリバティブ動向
OI清算
先物の建玉は、Binanceで10万5384BTCです。24時間で1392BTCの減少となり、9月4日のピーク11万2718BTCからは7334BTC減りました。価格の下落とともに建玉が減っており、ポジションの整理が進んでいます。
資金調達率は確定値で9月9日9時が0.0049%、17時が0.0090%、10日1時が0.0048%です。前日に4倍まで上がった水準からは落ち着きました。
清算ライン

ロング・ショート比率は1.239です。9日14時の1.323から10日0時に1.121まで急落し、その後1.239へ戻しました。0時の下げで個人の買い持ちが振るい落とされたことを示しています。
一方、上位トレーダーの建玉比は2.186と前日の2.136から上昇が続いています。個人が減らすなかで上位層は買い増しており、参加者の層で方向が分かれています。上値では雲上限7万8690ドルと7万8825ドル、下値ではバンド下限7万7849ドルと24時間安値7万7770ドルが意識されます。
ETF
米現物BTC ETFは流出に転じました。9月8日分は4660万ドルの純流出で確定し、グレースケールのGBTCが6550万ドル、フィデリティのFBTCが1710万ドルの流出です。IBITの1070万ドルとBITBの1450万ドルの流入では埋まりませんでした。9日分は暫定で1億0070万ドルの流出で、ARKBが7800万ドルの流出となっています。
3日の7億3080万ドル、4日の1億7460万ドルという流入からの反転です。9日分はIBITとFBTCが未報告のため、確定値では変動する可能性があります。
オプションでは11日満期の建玉が2万8569BTC、想定元本で約22.3億ドルです。マックスペインは7万8000ドルと現在値のすぐ下にあり、7万6000ドルのプットが1334BTCまで積み上がりました。
本日のデイトレ注目材料
本日10日は21時15分にECBの政策金利が発表されます。予想は2.65%で前回の2.4%からの利上げとなり、イラン戦争によるインフレ懸念が背景と報じられています。21時30分には米PPIと新規失業保険申請件数。PPIの前月比予想は0.3%で、前回の0.0%から上振れる見通しです。米国では220億ドルの30年債入札と60億ドルの買い入れオペも予定され、金利の動きが引き続き焦点となります。
明日11日21時30分には8月分の米CPIが発表され、同日に2万8569BTC規模のオプション満期を迎えます。FOMCは15〜16日です。
上抜けシナリオでは、雲上限7万8690ドルを回復すれば4時間足100期間7万8901ドル、その上の20期間7万8987ドルが視野に入ります。下抜けシナリオでは、バンド下限7万7849ドルを割り込むと24時間安値7万7770ドル、さらに日足バンド下限7万6513ドルを試す展開です。当日見るべきラインは、上値7万8690ドルと下値7万7770ドルとなります。
まとめ
10日のBTCは、米10年債利回りが2023年11月以来の水準まで上昇するなかで7万7770ドルまで下げました。国債買い入れの規模が期待に届かなかったことが金利上昇の引き金で、米イランのタンカー応酬による原油の100ドル超えがインフレ懸念を通じてこれを補強しています。
ETFは9月8日に4660万ドルの流出で確定し、3日の7億3080万ドルの流入から反転しました。建玉も7334BTC減り、0時の下げで個人の買い持ちは振るい落とされています。上位トレーダーの建玉比だけが2.186へ上昇しており、層によって見方が分かれています。
短期の焦点は、雲上限7万8690ドルを回復できるか、それとも7万7770ドルを割り込むかの分岐です。本日のPPIと明日のCPIは、原油高がどこまで物価に転嫁されたかを測る材料であり、その結果が来週のFOMCまでの金利の方向を決めることになります。
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