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AIエージェント時代の決済はステーブルコインか|平野氏と岡部氏が円建て普及の意義を議論

2026年4月23日 18:05  4月23日 18:15  Arai Yu

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ブロックチェーン推進協会(BCCC)は4月21日、第9回「BCCC Collaborative Day」を東京・日本橋の室町三井ホール&カンファレンスで開き、AIエージェント時代の決済手段としてステーブルコインの必要性を議論しました。

BCCC代表理事でアステリア代表取締役社長/CEOの平野洋一郎氏は、AI同士が24時間自律的に取引する世界では「ステーブルコインしかあり得ない」と述べました。BCCC副代表理事でステーブルコイン普及促進部会長、JPYC代表取締役の岡部典孝氏は、円建てステーブルコインが日本円の国際的な存在感を支える役割を持つと位置付けました。

AI同士の少額決済では銀行送金が追いつかない

イベントのテーマは「この10年のWeb3と次の10年」「実社会へのWeb3実装」でした。議論の中心になったのは、人が操作する決済ではなく、AIエージェントが自律的に発注し、受け取り、精算する取引が広がったとき、どの決済インフラが現実的かという点です。

平野氏は「AIエージェントが24時間自律的に仕事をし、相手もAIエージェントという世界では、銀行決済は現実的ではない。10円・100円の少額決済が自動で次々と課金される時代には、ステーブルコインしかあり得ない。10年後にはそれが当たり前になっている」と述べました。

この発言が示すのは、決済の単位が大口送金から、機械が絶えず発生させる小口課金へ移る可能性です。人が都度承認する銀行振込や営業時間に左右される仕組みでは、AI同士の取引速度や回数に対応しにくい一方、ブロックチェーン上で動くステーブルコインは24時間稼働しやすく、少額のやり取りにも乗せやすい特徴があります。

平野氏は企業財務の面でも実例を示しました。アステリアが保有する約30億円のキャッシュのうち、10億円をJPYCで保有していると明らかにしました。実証段階の議論にとどまらず、事業会社が円建てデジタルマネーを資金管理の一部に組み込み始めていることを示す動きです。

円建てステーブルコインは日本円の存在感をどう支えるのか

岡部氏は、ステーブルコインの強みを「誰が持てるか」という点から説明しました。「AIでもロボットでも海外の観光客でも、本人確認なしに自由に持って決済に使える。日本円のステーブルコインを代表する役割を担っている」と述べ、銀行口座を前提にしないアクセス性が利用拡大の条件になると示しました。

この見方は、トークン化預金との違いも浮き彫りにします。銀行預金をデジタル化した仕組みは既存金融との親和性が高い半面、利用主体や接続先が銀行ネットワークに縛られやすい面があります。対してステーブルコインは、外国人旅行者や国内に口座基盤を持たない利用者、さらにはAIやロボットのような新しい経済主体まで含めて流通させやすい設計が強みになります。

平野氏は、現在のステーブルコイン市場でドル建てが約99%を占める状況に触れ、円建ての普及は通貨主権の面でも重要だと指摘しました。デジタル空間の決済がドルに偏れば、オンライン上の価値移転でも円の存在感は薄れやすくなります。円建てステーブルコインは、国内決済の効率化にとどまらず、日本円をオンチェーン上で流通させる受け皿として位置付けられます。

普及規模については、2024年時点で上場企業の現金・預金などが約114兆円あるとしたうえで、その3分の1がステーブルコイン化すれば約200兆円規模になるとの試算が示されました。企業の余剰資金が一部でもオンチェーン化すれば、送金や精算のあり方だけでなく、法人間決済の基盤そのものが変わる可能性があります。

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