国民民主党の玉木雄一郎代表が4月16日、分散型取引所「Hyperliquid」の業績をXで称賛した投稿が、日本の暗号資産(仮想通貨)業界で波紋を広げました。
投稿では、創業3年で従業員11人、年間利益9億ドル、累積取引高約4兆ドルという数字を挙げ、DeFiが金融をオンチェーンへ移す変化の大きさを強調しました。これに対し、bitFlyer Holdings CEOの加納裕三氏ら国内業界関係者が、本人確認やマネーロンダリング対策を欠く「違法業者の称賛ではないか」と反発しています。
玉木氏は16日8時20分ごろの投稿で、Hyperliquidを「日本ではほとんど知られていない」と紹介しつつ、その収益性と取引規模に言及しました。引用元となった海外メディアの記事では、Hyperliquidが2025年に9億ドルの利益を計上し、11人のチームで運営されているとされます。投稿時点の表示では、約74万回の閲覧、1600件超の「いいね」、200件超のリポストを集めました。
HyperliquidはDeFi型DEXです。口座開設時の本人確認を求めず、24時間取引できる点が特徴とされます。玉木氏は、こうした仕組みが既存の金融インフラを置き換える例として取り上げた形です。
Hyperliquid巡り対立、加納氏が法令順守を問題視
反発を強めたのは、日本では暗号資産交換業者に厳格な規制が課されているためです。加納氏は16日、玉木氏の投稿に返信する形で、日本の交換業者はDEXの運営が禁じられており、Hyperliquidは法令を順守せず、本人確認やマネロン対策も行っていないと批判しました。そのうえで、合法であれば自らも開発しているはずだとして、技術革新性にも疑問を示しました。
国内では資金決済法のもと、暗号資産交換業を営むには登録が必要です。利用者保護や犯罪収益移転防止の観点から、本人確認や疑わしい取引への対応も求められます。国内事業者にとっては、こうした義務を負いながら事業を行う一方、海外のDeFiサービスは同じ枠組みの外側で利便性を打ち出しているように映ります。
このため、今回の論点は単なるSNS上の応酬にとどまりません。規制を守る国内事業者から見れば、法令対応のコストを負わないサービスが「革新」として称賛される構図になっており、不公平感が強くにじみます。玉木氏の投稿が問題視されたのは、DeFiの成長性を評価した点そのものより、規制上の扱いが曖昧なサービスを政治家が前向きに取り上げたことにあります。
Hyperliquidをめぐる今回の応酬は、DeFiが示す成長力と、国内制度が重視する利用者保護・法令順守が正面からぶつかった場面として、日本の暗号資産業界が抱えるねじれを浮き彫りにしました。
画像:shutterstock
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