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米銀行協会、ステーブルコイン利回りに関するホワイトハウスの報告書に異議

2026年4月14日 16:23  Arai Yu

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米銀行協会(ABA)は4月13日、ホワイトハウス経済諮問委員会(CEA)が公表したステーブルコイン利回り規制の分析に異議を唱えました。CEAは利回り禁止による銀行貸出への影響を0.02%程度と試算していましたが、ABAは論点設定そのものが誤っていると批判しています。

争点は、利回り付きステーブルコインが認められた場合に、地域の中小銀行から預金が流出し、地元向け融資が細る可能性です。

ステーブルコイン利回り禁止で銀行貸出は最大21億ドル増

CEAは4月8日に公表した報告書『Effects of Stablecoin Yield Prohibition on Bank Lending』で、ステーブルコインの利回りを禁止した場合、銀行貸出は12億〜21億ドル増えると試算しました。米銀全体の貸出残高に対する影響は約0.02%にとどまり、同時に純厚生損失は8億ドルになるとしています。

この試算は、利回り禁止によって資金が銀行預金に戻り、貸出余力がわずかに増える一方、利用者が受け取れたはずの利回り機会が失われる構図を描いたものです。ホワイトハウス側は、利回り規制が銀行システムに与える影響は限定的だとみています。

これに対しABAは、検証すべきだったのは「利回りを禁止した場合」ではなく、「利回りを認めた場合に何が起きるか」だと反論しました。ABAのチーフエコノミストであるSayee Srinivasan氏と、銀行・経済調査担当バイスプレジデントのYikai Wang氏がまとめた分析では、預金総額が大きく変わらなくても、預金の行き先が中小のコミュニティバンクから大手銀行やステーブルコインへ移れば、地域金融には無視できない打撃が及ぶと指摘しています。

論点のずれは、銀行システムを一つの大きな箱としてみるか、資金調達力の異なる銀行の集まりとしてみるかにあります。大手行は市場調達や多様な資金源を持ちやすい一方、コミュニティバンクは地域預金への依存度が高い傾向があります。そのため、同じ1ドルの預金流出でも、中小銀行にとっての重みは大きくなります。

ステーブルコイン拡大で中小銀行の貸出余力低下を試算

ABAは、現在約3,000億ドル規模のステーブルコイン市場が1兆〜2兆ドルへ拡大した場合、コミュニティバンクの貸出余力が大きく削られる可能性があると試算しました。具体例としてアイオワ州では、貸出が44億〜87億ドル減少し得るとしています。

この見立てでは、預金が中小銀行から流出すると、コミュニティバンクはより高コストの資金調達に頼らざるを得なくなります。調達コストの上昇は、そのまま貸出の抑制につながりやすく、住宅ローンや中小企業向け融資、農業融資など地域経済に近い資金供給にしわ寄せが及ぶ構図です。

今回の対立は、ステーブルコイン規制を巡る議論が、利用者保護やイノベーション促進だけでなく、地域金融の維持という論点を含む段階に入ったことを示しています。ホワイトハウスの試算が示した「影響は限定的」という見方に対し、ABAは「影響が出る場所を見誤っている」と異議を唱えた形です。

参考元:bankingjournal
画像:shutterstock