米商品先物取引委員会(CFTC)のマイク・セリグ委員長は4月6日、予測市場は連邦法の下でCFTCが一元的に監督する商品デリバティブだとの見解を改めて示しました。
アリゾナ、イリノイ、コネティカットの3州が出した停止命令には連邦訴訟で対抗しており、同日にはKalshiのスポーツ予測市場を巡ってニュージャージー州の措置を差し止める判断も示されました。予測市場を巡る主導権争いが、米国でのWeb3関連サービスの展開余地を左右する局面に入っています。
セリグ氏は、テネシー州ナッシュビルで開かれたVanderbilt UniversityとBlockchain Association主催の『Digital Assets and Emerging Tech Policy Summit』で講演し、CFTCの権限は「独占的」だと述べました。発言では「スポーツでも、政治でも、その他何であっても、CFTCが規制する取引所で適法に提供される商品であれば、それを規制するのは我々だ」と明言しました。
この主張の土台にあるのが、Commodity Exchange Actに基づく商品デリバティブ規制です。CFTCは予測市場を、将来の出来事に連動して価値が変動する金融商品として扱っており、州ごとの判断で営業可否を左右すべきではないという立場を取っています。
一方で、何でも上場できるわけではありません。Dodd-Frank Actに基づく7 U.S.C. § 7a-2では、公衆利益に反するスワップの上場を禁じる権限がCFTCに与えられており、戦争やテロに関する契約などは排除できる仕組みです。つまり、州が個別に止めるのではなく、連邦当局が全国ルールで線引きする構図です。
州との法廷闘争で問われる連邦主導のルール
CFTCは4月2日、アリゾナ、イリノイ、コネティカットの3州に対し、予測市場事業者への停止命令は連邦法に反するとして提訴しました。州当局には予測市場プロバイダーを継続的に監視する制度や能力がなく、連邦登録取引所を対象に独自規制をかければ市場が分断されるというのがCFTCの主張です。
この争いは、単なる行政解釈の違いではありません。予測市場が州ごとに営業可否を判断されるのか、それとも全米共通の金融商品として扱われるのかを問う訴訟です。事業者にとっては、州境をまたぐたびにルールが変わる状態と、連邦ライセンスの下で全国展開できる状態とでは、サービス設計も法務コストも大きく変わります。
第9巡回区控訴裁判所では、アリゾナ州などを巡る統合訴訟が進んでいるとみられ、口頭弁論は4月16日に予定されているとされています。CFTCは2月17日、この訴訟で自らの独占的権限を擁護する意見書も提出していました。
4月6日には、第3巡回区控訴裁判所がKalshiのスポーツ市場をニュージャージー州が停止させることを差し止めました。CFTCはこの件でも法廷でKalshi側を支援しており、連邦規制下の予測市場を州が直接止めることに司法が慎重な姿勢を示した形です。
この判断は、予測市場を提供する事業者にとって小さくない意味を持ちます。取引対象がスポーツか政治かよりも、CFTC登録の取引所で適法に提供されているかどうかが基準になるという考え方が、裁判所でも一定の重みを持ち始めたためです。
参考元:wallstreetjournal
画像:shutterstock
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