韓国の暗号資産(仮想通貨)市場で流動性の低下が鮮明になっています。
ブロックチェーン分析企業Allium Labsのデータによると、国内主要5取引所(Upbit、Bithumb、Coinone、Korbit、GOPAX)におけるステーブルコイン残高は、2025年7月の約5億7500万ドルから2026年3月中旬には約1億8800万ドルへと減少し、約55%の大幅な縮小となりました。
背景にはウォン安の進行と株式市場への資金流入があり、暗号資産市場からの資金流出が加速しています。
ウォン安が引き金、ステーブルコイン流出が加速
韓国ウォンは2026年3月中旬、1ドル=1500ウォンを突破し、2008年以来の安値圏に入りました。
韓国メディアによると、この水準をきっかけに暗号資産取引所からのステーブルコイン流出が急増したと報じられています。
Allium Labsはイーサリアムおよびトロンネットワーク上のウォレットデータをもとに、韓国取引所のステーブルコイン保有残高を追跡しています。
DNTV Research創設者のBradley Park氏はXで、「トレーダーはウォン安局面でTetherを高値で売却し、ウォンに換金後、国内資産へ再投資している」と指摘しました。
為替変動を利用した利確と資金の再配置が、ステーブルコイン残高の減少を加速させたとみられます。
この流れは2025年7月以降、緩やかに進んでいましたが、2026年3月の急激なウォン安を契機に一段と強まりました。ステーブルコイン残高は市場の流動性指標とされるため、今回の減少は取引量や価格形成への影響が懸念されます。
株式市場へ資金回帰、KOSPIは高パフォーマンス維持
一方で、韓国株式市場は好調を維持しています。KOSPI指数は2026年に入り37%上昇し、前年の75%上昇に続き高いパフォーマンスを記録しました。
上昇を牽引しているのは、Samsung ElectronicsやSK hynixといった半導体関連銘柄で、国内外から資金流入が続いています。
韓国金融投資協会のデータによると、株式投資向けの投資家預金は、3月初旬の約131兆ウォン(約86億ドル)から一時112兆ウォン(約74億ドル)まで減少した後、足元では安定しています。
これは暗号資産から流出した資金が株式市場に吸収されつつあることを示唆しています。
さらに、2025年11月に導入された「国内再投資向け税優遇口座」も影響しています。この制度では一定条件下でキャピタルゲイン税が最大100%免除され、株式投資を後押しする構造が整えられました。
為替と税制の両面から、資金が暗号資産から株式市場へとシフトする環境が形成されています。
ステーブルコイン残高の減少が一時的な調整にとどまるのか、韓国市場の動向は、アジア全体の投資トレンドを占う重要な指標となりそうです。
参考元:coindesk
画像:shutterstock
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