ビットコイン(BTC)は9月9日午前8時時点で7万8523ドルと、前日から0.70%下落しました。24時間高値は9月8日11時の7万9485ドル、24時間安値は9月8日22時の7万7620ドルです。
下げの背景には2つの逆風があります。カナダの報復関税が日本時間8日13時に発効し、18か月続く米加の貿易戦争が一段と激化しました。同じ日にイエメンのフーシ派がサウジアラビアの石油施設を攻撃し、原油は6週間ぶりの高値をつけています。
いずれも11日発表の米消費者物価指数(CPI)を通じて、来週のFOMCにつながる材料です。
値動きの振り返り

BTCは9月8日11時に24時間高値7万9485ドルをつけたあと、13時から水準を切り下げました。カナダの報復関税が発効した時間帯にあたります。15時の1時間の出来高は1914BTC、16時は3434BTCと24時間で最大に膨らみ、7万8180ドルまで下げました。
22時には米国株の寄り付き前にあたる時間帯で、出来高2274BTCを伴って24時間安値7万7620ドルをつけました。その後は7万8900ドル台まで戻し、9日8時時点で7万8523ドルです。
24時間の出来高は1万9081BTCと、前日の1万1063BTCから大きく増えました。米国が休場明けで材料も重なったためとみられます。恐怖・貪欲指数は69「Greed」へ低下。BTCドミナンスは58.34%へ下がり、XRPが1.84%高となるなどアルトコインが相対的に堅調でした。
相場を動かした背景
カナダの報復関税が発動、貿易戦争が再燃
カナダの対米報復関税が、現地時間8日午前0時に発効しました。対象は米国製品およそ200億ドル分で、鉄鋼、家具、衣料品、電子機器などに15%から50%の関税がかかります。
これは米国が先月、カナダ製品およそ200億ドル分に50%の関税を課したことへの対抗措置です。交渉が決裂した末の応酬で、貿易戦争は18か月目に入りました。カナダのカーニー首相は「軸足を移して繁栄するために必要なものは全てそろっている」と述べ、米国依存からの転換を訴えています。
フーシ派のサウジ攻撃で原油が6週間ぶり高値
同じ8日、イラン支援のフーシ派がサウジアラビア南部の4都市を攻撃し、石油施設が炎上、73人が負傷しました。サウジは世界2位の産油国で、封鎖されたホルムズ海峡を避けて紅海側から輸出してきました。今回の攻撃は同国に対するものとしては最大規模の一つとされ、混乱が海峡の外側にも広がる可能性を示しています。
原油はこれを受けて上昇しました。ブレントは0.9%高の97.92ドルで7月23日以来の高値終値を2日連続で更新し、WTIは1.7%高の93.03ドルと6月4日以来の高値終値です。両指標は買われすぎ圏にあると報じられています。ゴールドマン・サックスとHSBCなどは、海運の混乱が2027年まで続くとみて原油価格の予想を引き上げました。
ビットコイン(BTC)テクニカル分析
週足では価格7万8523ドルが200週線6万5183ドルを20.5%上回る一方、50週線7万9700ドルは1177ドル上方にあります。7日に確定した週足終値は50週線に31ドル届かず、2025年11月3日の週以来となる上抜けは持ち越されました。MACDのヒストグラムは+2523.1とプラス圏です。
日足チャート

日足では、価格が20日線7万8442ドル、50日線6万9996ドル、100日線6万6622ドル、200日線6万9902ドルをすべて上回っています。MACDのヒストグラムは-390.7とマイナス幅を広げました。
なお50日線が200日線を94ドル上回り、本日9時の日足確定でゴールデンクロスが成立します。2025年5月22日以来で、同年11月16日のデッドクロス以降続いた弱気配列が解消されます。
前回の成立時、価格は11万1696ドルでした。その後30日で10万2120ドルまで8.6%下げたあと、約4か月半後の2025年10月6日に史上最高値12万6200ドルをつけています。上昇につながったのは数か月後でした。今回も価格は下落局面にあり、シグナルだけで当面の方向が決まるわけではありません。
上値メドはバンド上限8万1738ドル、下値メドはバンド下限7万5145ドルです。
4時間足チャート

4時間足では、価格7万8523ドルが20期間7万9332ドル、50期間7万9081ドル、100期間7万8817ドルをすべて下回り、200期間7万2625ドルのみが下方にあります。MACDのヒストグラムは-141.7とマイナス圏です。
上値メドは100期間7万8817ドル、その上が20期間7万9332ドル。下値メドはバンド下限7万8180ドル、次いで24時間安値7万7620ドルです。
1時間足チャート

1時間足では、価格が一目均衡表の雲7万8589〜7万9090ドルの下に位置し、転換線7万8625ドルと基準線7万8553ドルは現在値の近辺にあります。MACDのヒストグラムは+36.1とプラスに転じ、下げは一服しています。
サポートは20時間平均7万8516ドル、バンド下限7万8148ドル、24時間安値7万7620ドル。レジスタンスは雲下限7万8589ドル、その上が4時間足100期間7万8817ドルです。
デリバティブ動向
OI清算
先物の建玉は、Binanceで10万6456BTCです。24時間では454BTCの減少とほぼ横ばいで、9月4日のピーク11万2718BTCからは6262BTC減っています。
注目は資金調達率です。8日1時の0.0022%から、9時0.0045%、17時0.0082%、9日1時0.0090%と、24時間で4倍に上昇しました。価格が下げるなかで買い持ちの保有コストが上がっており、買い方に偏りが生じています。
清算ライン

ロング・ショート比率は1.297で、前日の1.152から上昇しました。8日23時には1.334まで上がっています。価格が下げる局面で買い持ちの口座が増え続けました。上位トレーダーの建玉比も2.136と、前日の1.996から再び2倍を超えました。
押し目買いが入る一方、下値を割り込めばこの層の清算が下げを速める要因になります。意識される水準は上値が7万8589ドルと7万8817ドル、下値が7万8148ドルと24時間安値7万7620ドルです。
ETF
8日分は全銘柄が未報告です。直近の確定値は4日の1億7460万ドルの流入で、8月31日から4日までの5営業日合計は9億8670万ドルでした。
オプションでは11日満期の建玉が2万8013BTCへ増え、想定元本で約22.0億ドルです。マックスペインは7万8000ドルと現在値のすぐ下にあり、CPI当日の満期がこの水準を意識させます。8万1000ドルのコールは4609BTCです。
本日のデイトレ注目材料
材料は明日以降に集中します。10日21時15分にECBの政策金利発表、21時30分に米PPIと新規失業保険申請件数。11日21時30分には8月分の米CPIが発表され、同日に2万8013BTC規模のオプション満期を迎えます。CMEフェドウォッチによる9月の利上げ確率は約60%で、米10年債利回りは4.80%、2年債は4.39%と8日にいずれも上昇しました。コアが強ければ利上げ確率は3分の2へ向かい、7万7000ドルのレンジ下限が視野に入ると報じています。
上抜けシナリオでは、雲下限7万8589ドルを回復すれば4時間足100期間7万8817ドル、その上の20期間7万9332ドルが視野に入ります。下抜けシナリオでは、バンド下限7万8148ドルを割り込むと24時間安値7万7620ドル、さらに7万7000ドルを試す展開です。当日見るべきラインは、上値7万8589ドルと下値7万7620ドルとなります。
まとめ
9日のBTCは、カナダの報復関税が発効した8日13時から下げ足を速め、22時に7万7620ドルまで下げました。フーシ派によるサウジ石油施設への攻撃で原油が6週間ぶりの高値をつけたことも重なり、逆風が二重になっています。
需給面では、資金調達率が24時間で4倍に上昇し、ロング・ショート比率も1.297へ上がりました。価格が下げるなかで買い持ちが積み上がっており、CPIを前に買い方が偏っています。
短期の焦点は、1時間足の雲7万8589ドルを回復できるか、それとも7万7620ドルを割り込むかの分岐です。本日成立するゴールデンクロスは2025年5月以来ですが、前回も成立直後は下押ししており、効いてくるとしても時間差があります。関税と原油はいずれも11日のCPIに効く材料であり、その数字が来週のFOMCまでの流れを決めることになります。
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