国際通貨基金(IMF)は2026年7月に公表したブラジルの金融システム安定性評価報告書で、米ドル連動型ステーブルコインが主導する暗号資産(仮想通貨)取引の急拡大に警告を発しました。
2017年以降、国境を越えた暗号資産フローは伝統的な資本フローや名目GDPを上回るペースで拡大していると示しました。
ステーブルコイン購入額の変動は外部市場の影響を強く受け、金融安定上のリスクが高まっていると位置付けています。
報告書は、ブラジルの暗号資産市場の成長でステーブルコインが重要な役割を担ってきたと指摘しました。
購入額変動の3分の1から3分の2は、恐怖指数として知られるVIX指数やビットコイン価格といった外部要因で説明できると分析しています。
こうしたフローの世界的ショックに対する感応度は、伝統的な証券投資や直接投資の2〜3倍に達します。
これは、暗号資産を通じた国際的な資金移動が、国外の市場変動の影響を受けやすいことを示します。
価格が安定している設計のステーブルコインでも、流通や需要の拡大が進めば、資本移動や資金管理の経路として金融システムに影響を及ぼしやすくなります。
ブラジル中銀の対応とIMFが指摘した発行体規制の課題
ブラジル中央銀行は対応を進めています。暗号資産サービス事業者を対象とする登録制度は2月に施行されました。
4月30日には決議561号を公表し、規制対象となる国際送金で暗号資産を決済に使うことを10月1日から禁止すると定めました。
ブラジル中央銀行のガブリエル・ガリポロ総裁は2月、国内の暗号資産フローの約9割がステーブルコイン関連だと述べています。
一方で、IMFは現在の制度に残る課題も挙げました。顧客資産の保護、ステーブルコイン発行体への規制、マネーロンダリング・テロ資金供与対策の順守体制がなお不十分だとしています。
特に発行体規制では、金融安定理事会(FSB)の勧告に沿って当局の権限を整備するよう求めました。
ステーブルコイン市場は世界全体でも拡大が続いており、7月下旬時点で、おおむね2900億〜3100億ドル規模に達しています。
ブラジルの事例は、取引量の増加が利用者の利便性だけでなく、資本規制や送金監督のあり方にも直結することを示しました。
参考元:公式
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