暗号資産運用大手Grayscaleは、米国の暗号資産(仮想通貨)市場に包括的な規制枠組みを導入するCLARITY法案について、早期可決を支持する姿勢を示しました。
同社の調査部門責任者Zach Pandl氏は、法案が上院を通過するために残された時間は限られていると指摘しています。8月の議会休会前となる今後約2週間で審議が進まなければ、秋の中間選挙を巡る政治日程に埋もれ、成立が大幅に遅れる可能性があるとの見方です。
Grayscaleが法案を支持する背景には、米国の暗号資産規制が長年、明文化されたルールではなく、当局による個別の法執行を通じて形成されてきたとの問題意識があります。
規制当局の監督範囲が曖昧な状態では、開発者や発行体、取引事業者が従うべき基準を判断しにくく、法的コストの増加や機関投資家の参入停滞につながります。
GrayscaleはCLARITY法案について、こうした不確実性を明確な制度に置き換え、暗号資産分野における次のイノベーションと資本形成を促す可能性があると評価しています。
上院審議では公職者の倫理規定が最大の争点
CLARITY法案を巡っては7月22日、上院共和党が銀行委員会と農業委員会の法案作業を統合した最新条文を公開しました。
最新案には、大統領を含む対象公職者やその配偶者が、在任中に報酬を受け取ってデジタル資産を発行したり、スポンサーとして関与したりすることを制限する倫理規定が盛り込まれています。
Grayscaleも、現在の最大の争点は公職者によるデジタル資産の発行や関与を制限する「倫理規定」だと指摘しています。上院で法案を通過させるには超党派の支持が必要となるため、同規定を巡る合意が審議の行方を左右します。
一方、民主党上院議員7人は同日、共和党が示した最新案について、倫理規定や消費者保護、違法金融対策、利益相反、市場健全性に関する内容が不十分だとする共同声明を発表しました。
ただし、7人は法案成立に向けた協議を打ち切る考えは示しておらず、今後も共和党側との交渉を続ける方針です。
CLARITY法案は2025年7月に下院を通過し、2026年5月14日には上院銀行委員会が15対9で前進させました。しかし、法案は成立したわけではなく、上院全体での審議や下院との条文調整が残っています。
Grayscaleは、残された論点で超党派の合意が成立すれば、法案は上院通過に向けて大きく前進するとみています。暗号資産市場に明確なルールを導入できるか、8月の議会休会前の交渉が重要な局面となります。
参考元:Grayscale
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