国際決済銀行(BIS)は2026年7月21日、ステーブルコインによるドル化と従来の外貨預金によるドル化を比較したワーキングペーパーを公表しました。研究では、米ドル連動型ステーブルコインの総流入が、従来の外貨預金とは異なり、資本規制や外国為替規制の影響を受けにくい傾向が示されています。
著者らは背景として、ステーブルコインがパブリックかつ許可不要型のブロックチェーン上で流通し、自己管理型ウォレットなど国内の規制領域外にある経路からも利用できる点を挙げました。従来の規制は銀行などの金融機関には適用しやすい一方、ステーブルコインでは同じ効果を得にくい可能性があります。
銀行危機でステーブルコイン流入が拡大
論文は、1990年から2019年までの130超の経済圏における外貨預金データと、2017年から2024年までの184カ国におけるUSDT・USDCの総流入データを分析しました。USDTとUSDCは、対象期間におけるステーブルコイン時価総額の8割超を占めています。
分析では、為替変動が国内物価へ波及しやすい国ほど、外貨預金とステーブルコイン流入が増える傾向が確認されました。特に銀行危機はステーブルコイン流入との関係が強く、著者らは、銀行システムの外側で利用できる性質が不安定な局面で選ばれる要因になっている可能性を指摘しています。
外貨預金とステーブルコインによるドル化はいずれも高い持続性を示し、一度広がると反転しにくいことも明らかになりました。一方、外貨預金からステーブルコインへ単純に置き換わっている証拠は限定的で、両者は一部で異なる利用者層によって使われている可能性があります。
規制面では、外貨口座への制限や国境を越えた資本移動規制が、従来の預金ドル化を抑える傾向が確認されました。一方、広範な資本規制や居住者・非居住者間のステーブルコイン利用規制は、ステーブルコイン総流入との間に統計的に有意な関係が確認されていません。ただし、国別フローは取引所のWebトラフィックなどを基にした推計値で、分析対象も各国への総流入です。国外への資本流出や資本逃避を直接測定した研究ではなく、VPNや複雑な取引経路を完全には反映できない制約があります。
金融政策への影響については、過去の外貨預金ドル化を分析した結果、政策の波及経路を大きく弱める証拠は限定的でした。この結果は、ステーブルコインの影響を直接示したものではありません。
今回の文書はBISの公式政策声明ではなく、Boris Hofmann氏、Aaron Mehrotra氏、Jan Paulick氏が執筆したワーキングペーパーです。示された見解は著者個人のものであり、BISや加盟中央銀行の見解を必ずしも反映しないと明記されています。
参考元:公式
取引手数料無料で始めるなら MEXC
3,000種類以上の銘柄に対応、最大500倍レバレッジの仮想通貨取引所
- ✓ 取引手数料無料
- ✓ 取扱銘柄3,000種類以上
- ✓ 最大レバレッジ500倍
