香港で初めて規制下のステーブルコイン発行ライセンスを取得したAnchorpoint Financial Limitedが、香港ドル連動型ステーブルコイン「HKDAP」を7月内に正式発行する見通しです。発行体にはStandard Chartered Bank(Hong Kong)などが関与しており、香港の新制度の下で動き出す最初の案件の一つです。香港ドルに1対1で裏付けられた設計で、まず法人向けを起点に流通を広げる計画です。
Anchorpointは2026年4月、香港金融管理局の制度下で初回の安定コイン発行ライセンスを取得しました。発行準備はその後に進み、主要なチェーン上テストを完了したうえで、7月内の正式ローンチに向けた準備段階にあるとみられます。
香港でのステーブルコイン制度は、価格の安定性だけでなく、準備資産の保全や償還体制、発行体の管理能力まで含めて監督する枠組みとして整備が進んできました。HKDAPはその制度の初回ライセンス取得者による代表的な発行予定案件となるため、香港がオフショア人民元や米ドル建て資産に加え、香港ドル建てのデジタル決済インフラをどこまで広げられるかを測る案件でもあります。
HKDAPの仕組みと法人向け流通モデル
HKDAPは香港ドルに1対1で連動する仕組みを採ります。発行済みトークンと同額の香港ドル建て資産を裏付けとして持つ設計で、利用者は価格変動の大きい暗号資産(仮想通貨)とは異なる安定的な決済手段として使うことが想定されます。
発行モデルはB2B2Cを軸に据えます。初期ユースケースは法人・金融機関を重視する見込みで、その先で一般消費者向けサービスに組み込む形です。認可された販売業者を経由して流通させる構図で、送金や資金移動、商取引決済などでの導入を進めやすい設計です。
この方式は、利用者保護や本人確認、資金決済の実務をすでに持つ事業者を入口にする点に特徴があります。香港当局が重視する規制順守と、民間サービスへの実装を両立させる流れを映しており、ステーブルコインを単なる売買対象ではなく決済インフラとして位置付ける流れを映しています。
香港では、デジタル資産ハブを掲げる政策のもとで、暗号資産取引所の認可制度やトークン化資産の検討が進んできました。HKDAPの発行は、その流れの中で法定通貨連動型トークンを実際の市場に乗せる段階に近づいたことを示します。銀行主導の発行体が先行することで、アジアの規制対応型ステーブルコイン市場でも、民間発行と監督の両立を探る動きが一段と具体化しそうです。
参考元:hkej
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