米国銀行協会(ABA)と独立コミュニティ銀行協会(ICBA)、76の州銀行協会は2026年7月13日、上院多数党院内総務のジョン・スーン氏と少数党院内総務のチャック・シューマー氏に共同書簡を送り、クラリティー法のステーブルコイン利回り規制の強化を求めました。対象となるのは、支払い用ステーブルコインに利息や利回りに相当する報酬を禁じる第404条です。銀行業界は、現行文言のままでは銀行預金の代替として機能する余地が残るとして、禁止規定の明確化を要請しました。
書簡は、支払い用ステーブルコインが「銀行預金の代替として機能できない」状態を確実にするよう求めています。銀行側は、責任あるイノベーション自体には賛成しつつ、ステーブルコインの位置づけはあくまで決済・取引手段に限定されるべきだとの立場を示しました。
団体側が問題視したのは、第404条の文言がなお曖昧だという点です。書簡では、現在の規定が十分に明確かどうかについて「重大な疑問が残る」と指摘し、利息禁止の対象をより広く、解釈の余地が少ない形に改める必要があると訴えました。
預金代替を防ぐ条文修正と地域金融への懸念
具体的には、禁止対象を判断する基準として使われている「機能的・経済的に同等」という表現を、「実質的に類似している」に差し替えるよう求めています。銀行業界は、前者では規制対象の線引きが狭くなり、預金類似の商品設計を許しかねないとみています。
あわせて、ステーブルコイン保有者への報酬について、残高、保有期間、保有額に連動する仕組みを条文から排除するよう求めました。名目上は利息ではなくても、保有量や保有日数に応じて見返りが付く設計であれば、実質的には預金と近い商品になり得るためです。
預金が銀行から流出した場合の地域金融への影響があります。とくに地域銀行やコミュニティ銀行は、集めた預金を中小企業向け融資や地域経済の資金供給に回す構造を持っています。ステーブルコインが利回り付きの資金保管手段として広がれば、預金の流出を通じて融資余力が縮小するとの懸念が強まっています。
今回の書簡は、暗号資産(仮想通貨)業界と銀行業界の対立を単純に示すものではありません。銀行団体は、ステーブルコインを取引を円滑にする手段として認める一方で、預金と競合する貯蓄商品へ近づけないよう制度上の境界を明確にするよう求めています。米議会で進むデジタル資産ルール整備のなかで、争点が発行の可否から商品性の細部に移っていることを示す動きとなりました。
参考元:Aba
画像:Shutterstock
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