Slash Vision、アイキタス、オリエントコーポレーションの3社は4月20日、日本で「Slash Card」の発行を始めました。米ドル連動型ステーブルコインのUSDCをチャージし、Visa加盟店でそのまま決済できるカードで、国内では初めてUSDCの直接利用に対応しています。利用時に加盟店側へは円で支払われる仕組みで、暗号資産(仮想通貨)を日常のカード決済につなぐ事例として位置付けられます。
公式サイトでは同日、β版の詳細公開と申請受付も始まりました。リアル店舗とオンラインの両方で使える設計で、国内外のVisa加盟店が利用先になります。
法定通貨への持ち替えを挟まない決済
Slash Cardの特徴は、利用者が保有するUSDCを残高として管理し、そのままVisa加盟店で支払いに使える点です。暗号資産をいったん取引所などで円に換えてから使う手間を挟まず、カード決済の形で日常利用に持ち込めるようにしました。
加盟店側では通常のVisa決済として処理されるため、利用者は暗号資産を使いながら、店舗側は円で受け取る構図になります。暗号資産の保有者にとっては、資産をウォレットや口座に置いたまま支払い手段へ接続できることになり、決済体験はプリペイドカードに近づきます。
公式ページでは「日本初、ステーブルコインで使えるクレジットカード『Slash Card』。USDCで残高を管理し、リアルでもオンラインでも新しい支払い体験を提供します」と案内しています。4月20日時点ではβ版として申請を受け付けており、詳細は専用サイトで確認できます。
この動きは、2023年6月施行の改正資金決済法でステーブルコインが「電子決済手段」として位置付けられた流れの延長線上にあります。制度整備によって、暗号資産の中でも価格が法定通貨に連動するステーブルコインを、送金や保管だけでなく決済へ広げる土台が整ってきました。
3社の役割分担で発行と運用を支える
今回のカードは、3社がそれぞれ異なる役割を担う形で提供されます。SLASH VISION PTE. LTD.がプログラムマネージャーとしてブランド提供や全体設計を担い、株式会社アイキタスがカード発行、顧客管理、システム運用を担当します。株式会社オリエントコーポレーションはBINスポンサーとして国際ブランド接続を支えます。
この分担は、Web3サービスの企画力と、国内での発行・運用、既存カード網への接続を切り分けた構造です。暗号資産関連サービスでは、技術面の新しさがあっても、実際の決済インフラや法令対応で普及が止まる例が少なくありません。今回は、利用者が目にするのは1枚のカードでも、裏側ではカード会社、運用会社、ブランド管理会社がそれぞれの機能を受け持つことで、実用段階まで持ち込んだ形です。
3社は2025年2月に提携を公表しており、その時点で日本初のステーブルコイン対応カードを打ち出していました。今回の発行開始で、構想段階だったサービスが実際の申請・利用フェーズに入りました。
参考元:slash公式
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